【自己紹介②】山下は中国を如何に笑わせたのか
こんにちは、中国山下Pです。
前回の自己紹介に引き続き、中国で僕がやってきたことを振り返っていきます。結構前のことになるので、当時の常識は今もう通用しませんし、今このメソッドを実践しても事故りえるのでお気をつけください。
この写真が2014年にバズった写真です。
この時僕は上海大学の芸術学院大学院で勉強していたのですが、中国の大学って基本的にデカくて敷地広いんですよね。端から端まで歩いたら30分くらいかかるっていうくらいw なので便利な乗り物が欲しいと。当時シェアサイクルとかもなく、お金ある人は電動スクーターとか買ってたんで、僕も乗り物を買ったんですよ。そうなんですこのオレンジの物体、乗り物なんです。しかも3万円。ピカチュウって書いてありましたが、多分気のせいだと思います(今も上海の自宅に飾ってあります)ちなみに、当時僕お金なくて生活苦しかったんで3万円の出費は超大打撃でしたw
前回も書きましたが、当時はもう中国の若者のために何かやりたくて仕方なかったんです。表現として成立しつつも、ネット民ザワつかせられるインパクトのある企画を日々求めていたので「ああこれだ」と。この辺は日本のよっぴーさんとかアルファさん、都築響一さんとかの影響受けてますw
しかも便利さ求めて買ったのに人間が歩くのと同じくらいの速さで、オシャレさ以外何も取り柄が無かったんです。
ちなみにこれは僕の中でアートプロジェクト的な意味があって、中国における偽物が偽物をコピーしていく中でどんどんイメージがメタ化して最後はもう本物とは切り離されたオリジナルになってしまうんじゃないか、という仮説。
これはまさにそのコンセプトを体現した乗り物です。当時の開封動画がこれ
これで通学していたら、駐輪場に停めてあった僕のこの愛車の写真が瞬く間にバズったんです。「これで通学とかwww美大生やっぱ頭おかしいなww」的な趣旨の。何万RTとかいって、激しく高揚したのを覚えてます。
そしてみんなが気になる「持ち主は誰だ?」という疑問。翌日の僕の登校風景がこちらです。
メタにメタがかかった非常にくだらないボケ、いや、作品です。その後ちゃんと授業にも出ました。先生に「お前なんでそうなってるのか皆に説明しろ」と言われましたw 美術学院はさすがに寛容です。
実はこれ僕の一発目のバズコンテンツじゃないんですが、この作品で「またお前かwww」「そうだと思ったwww」的に、ネット上での知名度認知度を広げていったのです。
7年経っても未だに「あの乗り物の頃から知ってるよ!」という古参の中国人ファンがいるんですよ。素敵じゃありませんか?笑
そしてその年の夏に作った自主制作ドラマがハネて、ネット民に認知してもらえるようになりました。
designed by Miki Kojima
この作品は、表現の規制がメチャ厳しいと言われていた中国において、ギリギリアウトを狙って作った作品です。日本人と言えばアダルトコンテンツというイメージが若者の間では流布していており、その文脈に乗っかりつつ、人間とビニールの数奇な愛をコミカルに描くという趣旨の元、超低予算で制作しました。これは伊集院光さんとみうらじゅんさん、峯田和伸さんの影響を受けまくってます。ちな主題歌僕が作詞作曲しました。めちゃいい曲なので是非再生しながら残りちょっとお付き合いください。
当時のネット規制は緩くて、このドラマには「みんなエスパーだよ!」ばりにTENGAやオモチャが出てくるのですが、2020年1月現在ビリビリで全10話のうち第1話と第2話が公開禁止処分を受け視聴不可になっていますw 当時はOKだったんですが、今のレギュレーションには合わないという判断ですが、ドラマとして致命的過ぎるだろこれww ちなみに僕その時まで映像とかドラマとかまともに作ったことなくて、お恥ずかしながら若さと勢いだけで作ったんですよね。ただ当時中国でミニドラマが勃興し始めた時期で、このビッグウェーブ逃すものかと無理して乗っていったんですよ。当時僕29歳w
そしたらですよ!ビリビリ動画がこのドラマを買いたいって言ってくれて、第一話はあっという間に100万再生!!しかしその100万回再生された第一話がもう見られない悲劇を何と例えようかw
いやはや、2014年は本当色々あったなぁ(しみじみ)
ここまで中国語しゃべれない状態から2年ちょっと。ただひたすらに現地の材料を使って自分にできうる最高のクリエイティブを追求した、長いような短い日々でした。
この時点でめっちゃファンがいるように見えますが、これだけやって微博のフォロワーは例の乗り物の時点で3万人!ドラマ終了後で6万人でしたw 全然甘くないから!!!!これちなみに2014年の記念スクショ。
もちろん今の方がフォロワーを増やすのは簡単だと思いますので、中国展開狙っている方は是非諦めないでいただきたいです。でも日本の芸能人が「微博始めましたー!」って言った瞬間に何十万フォロワーが付くとか、あれチートだから!!うらやましぃぃぃぃ!!!!
じゃあここからどうやってファンが爆発的に増えていったのか。その辺りの話を次回解説していきます。
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