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中国向けコンテンツ作りの必勝法【3/3】「具体的な番組企画案」

ここまで読んでくれた方はきっと動画制作番組制作、中国動画ビジネスに相当興味がある方かと思います。

第一弾:「ウケる要素とキャスティング」
第二弾:「制作方針と言語問題、そしてマネタイズ」
第三弾:「具体的な番組企画案」←イマココ

1と2に関しては僕の実体験がベースです。この1年中国戻れていないので、ちょっと提案がブレている怖さもあります

でもきっとこういう情報が欲しい方がどこかに数人くらいいるだろうと思い、惜しみなく書いてきたつもりです。最終回は僕が考える「番組企画例」です!

コンテンツをどう立ち上げていくかというのは非常に悩ましい問題です。それは中国のことが分からない人が非常に多いからです。

番組制作の目的を2つに分けて考えると線引きがしやすくなってきます。

A:制作陣や出演者が番組制作を通じて中国のことを理解していくためのコンテンツ(作りながら学び、チームの中国偏差値を高めるパターン)

B:中国の視聴者を楽しませるためのコンテンツ(既に中国偏差値高い人が中国人目線を意識して作るパターン)

Aは実際中国人をターゲットにする必要は無く、日本人向けの中国紹介番組でも可能です。
制作陣が中国のことをリサーチして中国偏差値を上げていき、視聴者と一緒に学ぶことが前提で、さらにその番組に字幕を付けて中国配信し、その反応を拾うことで中国人の趣味嗜好のズレを制作者が確認して成長していきます。現状私が出演している「ブイ子のバズっちゃいな!」がまさにそのモデルに当たります。

Bは難易度が高く、中国人のインサイトを理解した制作陣が複数人居ないと成立しませんそういった人材が内部にいない場合はAからの制作を考えることをお勧めします。予算がある場合は、有能な中国人ディレクターを招へいし、通訳を付けてディスカッションしていくこと等も可能です。以前私が制作した「窮豪旅遊記」は私と中国人ディレクターがフル回転してシリーズ2000万回再生を達成することができましたが、非常に大変でした。笑

Aに関して、中国側に発信しても再生回数やコメントが集まらず結局意味が無い、という心配は私たちのチームでサポートできるので、自チームで「コメント解読」してPDCAを高速で回せる体制を整えていただくことを前提に、以下の企画案を見ていきましょう。一部、以前にも掲載した企画があります。

① 中華メシ列伝 難易度:★☆☆
日本のうまい中華飯を探すロケ番組。調理方法や食レポなどを抑えながら、中国人の店主にインタビューしてその人生や哲学に少し触れたり、日本人向けにアレンジしているところがあるか等聞く。また、教養として日本の中華が独自の変化を遂げた過程を紹介したり、中国の味を必死に追い求める日本人の物語なども中国人的には興味の対象。グルメは中国でも引きの強いコンテンツなので注目。※在日中国人にも知りたい情報

② 日本スイーツ紀行 難易度:★☆☆
中国の近年のコーヒー消費量からも読み解けるように、食の欧米化が進む中国に無くて日本にあるもの、それは「美味いスイーツ」です。繊細なチョコレートや生クリーム、彩の美しいパフェなどの食べる芸術ともいえるスイーツの数々は映像映えもし、女性にも人気なので可能性あり。

③ 超!二次創作 難易度:★★☆
中国ビリビリのクリエイターが作った作品(楽曲、イラスト、アニメ―ション)を、まずは解説して理解する。そしてそれを日本のその道のプロが手を加え、超専門的な二次創作を行い中国側に届けて反応を探る二次創作のキャッチボール番組。
ニコニコ出身ボカロPとビリビリ出身ボカロPなどの共通項を持つクリエイターの対決や同じテーマで制作したものの比較をしても面白そう。
ポイントはとにかく「日本のプロが中国の作品と真剣に向き合うこと」。予想以上のクリエイティブが生まれた際にバズが生まれる ※日本のプロクリエイターとのネットワーク

④ ドッキリ番組中国展開大作戦 難易度:★★★
中国で人気の日本のドッキリ番組を中国に持っていく!まずは日本在住の中国で人気のインフルエンサーや中国で知名度ある有名人、キャラの強い一般人等をターゲットにしつつドッキリを仕掛けてコンテンツ化。どちらかというと、素人を対象に、手のかかった人を傷つけないドッキリが良い(有名人が隣に現れたら系、高級レストランで安い料理が出てきたら見抜けるか系)。中国にはドッキリ文化が無いので、優しいものからスタート。
その後、中国で中国のインフルエンサーにドッキリをする番組に発展できると中国資本で大きなIPになる可能性がある。 例:ダマされた大賞/モニタリング
 ※MCが必要。できれば中国人が在日中国人に仕掛けるような構図

⑤ 日本の音楽紹介番組 難易度:★★☆
中国の大手音楽配信サービスと組んだ音楽番組を展開。ダウンロードランキング以外にも、「泣ける歌詞」「前向きになれる歌」「失恋ソング」「10代の恋愛ソング」など、様々なキュレーションで日本の音楽を紹介する。ゲストが好きな曲とエピソードを紹介するなど、普段中国のSNSを見ていても出会えないような日本の名曲を中国でバズらせる。
バズることで中国での音楽DLやコンサートに向けたファンの蓄積が可能になる。
VTuberを使ったCDTV方式もビリビリでは受け入れられるかも。

⑥ 中国産アニメの現場から 難易度:★★★
近年の中国産アニメの成長が著しく、中国でも評価の高い作品を専門家と一緒に見て分析する。アニメ市場やヒット学なども交えながら経済番組へも発展できる。「ロシャオヘイ戦記」「魔道祖師」などのアニメに対して、日本の二次元界隈の重鎮たちが解説すると、中国人視聴者の興味も湧くので日中展開の可能性も見えてくる。ビリビリ動画と組んだり、もしくは中国産〇〇の現場という形でレンジを広げ、中国産IOTの現場、中国産スマホゲームの現場、中国産ファッションの現場、などの展開も可能。コロナが収まれば現地ロケも楽しい。中国人にも見せようと思ったら相当専門的に作る必要あり

⑦ 東大王×清華王(英語番組) 難易度:★★☆
アジアの名門精華大学の学生に日本の東大生は勝てるのか?をテーマにしたガチンコクイズバラエティ。問題文は間をとって英語で展開するという新しいパターンを開発できれば制作者が中国語が分からなくても進行可能。「間をとって英語」が成立すれば様々な対決番組が実現可能になる。対決が終わった後に友情が芽生えるような、ちょっと長いスパンの対決が望ましい。

⑧ 審査員は欧米人! 難易度:★★☆
欧米諸国によく分からない憧れを持っているのは日本も中国も同じ。この企画では日本人と中国人が何かを作る対決をするが、勝敗を決めるのが欧米人という構図。全然アフリカ人とかインド人でも構わない。とにかく異国の地の人が判定することで公平性を保つ。
対決は「日本人主婦と中国人主婦のチンジャオロース対決」とか「デザイナー同士のグッとくるロゴ対決」「映える風景写真対決」「黄色がポイントのコーディネート対決」など、個人の主観が審査に反映するものの方が無駄な争いが生まれず楽しめる。

⑨ 日本のお年寄りの中国初体験! 難易度:★★☆
中国ネット民の平均年齢は低く、高齢者の配信者などはまだまだ少なく、海外の高齢者となればまず存在していないため稀少価値が高い。日本の番組で培った名物おじいちゃんおばあちゃんに、中国のハイテク機器を体験してもらったり、中国の食べ物を食べてもらうなど、恐らく人生初の体験をしてもらい、その過程を記録し公開する。おじいちゃんおばあちゃんの無邪気な可愛さと素直な反応は恐らく多くの中国人を癒すと思われる。
コロナが明けたり、お年寄りのワクチン接種が完了したら撮影できる。

⑩ 使えない日本語講座 難易度:★★☆
「どんな状況で使うんだよ!?」とツッコミをいれたくなるような、「試験に出ない英語」の日本語バージョンを動画で作成し、短いコンテンツを毎日流す。動画はアニメーションでIP開発しても美男美女を使っても良い。毎日更新して視聴習慣を付けたのち、まとめたものを書籍化したりオンライン日本語授業などのサービスに転化させていくことも可能。
日本独特のふざけた教科書のコンテンツが語学学習者への良いパンチになることを期待。


など、上記以外にも沢山のアイディアがあるので、ご興味ある方おりましたら是非お問い合わせいただきたいです。
また、こういった番組制作に興味のあるバイリンガルスタッフも絶賛募集中です。経験がある場合は語学能力は多少低くても問題ありません!一緒に学んでいきましょう。

そして中国でうまくいった後は国を変えて日本のコンテンツを世界各国にローカライズ&発信していけるコンテンツチームに進化させていく!と言うのが今の目標です!まだまだ上を目指していきたいと思います!

サポート頂いた分は、取材費や植林の費用にさせていただきます!