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【読書感想】三流シェフ

昨年店舗建て替えのために閉店したフランス料理の名店、オテル・ドゥ・ミクニのオーナーシェフ、三國清三さんの自伝的エッセイです。

北海道の漁村に漁師の三男坊として生まれ貧しい生活の中から料理人を志して上京し、フランスでの修行を経て、自分のレストランを開業するまでの人生について主に書かれています。

若い時から非凡で、学歴が引っかかっていても並外れた行動力で有名ホテルに就職し、フランスでも有名シェフの元に次々と入門を果たす様子は、三國さんの人生を追体験しているようで痛快です。

また帝国ホテルの伝説のシェフ、村上信夫さんとの交流は、料理の道の達人同志、会話がなくても心が通じ合っているようで感動的です。

三國さんの子供時代や若いころの写真も掲載されていますが、子供のころは兄弟みな着物を着ていて、戦後70年の日本の変化、日本の料理界の変化の大きさを感じさせられます。


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