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機械警備ってどんな仕事?元ALSOK隊員が解説!


こんにちは。こうらです。今はサーカス芸人をやっていますが、去年まではALSOKで機械警備隊員をやっていました。
今回は実際に働いていた人にしかわからない警備隊員の裏側を、お伝えできる限界ギリギリまで書いていこうと思います。
現役で働いている人は、内部の情報を漏らすと懲戒を喰らったりするのでかなり貴重な内容になると思います。
これから機械警備隊員をやってみようか迷っている人の参考にもなれば良いなと思います。
長くなると思うので気になる方だけ最後まで読んでください

まず初めに、警備には4つの種類に分けられるということを説明します。

1号業務 施設警備、保安警備、機械警備
主に建物の警備を行う

2号業務 交通誘導、雑踏警備
公共の道路の整理、誘導を行う

3号業務 貴重品輸送
現金などの貴重品を運ぶ

4号業務 身辺警備
有名人、政治家などのボディガード

といった種類がありますが、
今回は、1号業務の内の、機械警備について解説します。

多くの人は、警備員と聞くと、建物内で制服を着て立っている人をイメージすると思いますが、機械警備は、基本的に待機所か車両内で待機し、出動指示があれば現場へ向かって対応する業務になります。

近年の業務内容は多岐にわたるのですが基本的には大きく分けて

警報対応
A T M障害対応

の2つに分けられます。

まずは警報対応のついて

対応契約先は、テナントビル、銀行、マンション、工場、ショッピングセンター、コンビニ、個人宅など幅広く

警報内容は

侵入警報
火災、ガス警報
非常ボタン警報
設備警報

が主ですが他にも、通信異常警報、機器破壊警報など細かいものをあげればキリがありません

侵入警報

建物の警備セット中に不審者が侵入し、ドアの開閉センサー、物の動きに反応する空間センサーが反応すると警報が出る。
自分は過去に2回ほど侵入逃走された現場を目撃したことがありますが、警報のほとんどは誤報で、間違えて警備解除しないで入室したり、中に人がいる状態で警備セットしたり、ネズミが空間センサーに反応したりとかばっかです。でも油断すると本当に不審者がいる時があるので気をつけなければいけません。



火災、ガス警報

契約先の建物についてる火災、ガス感知器が反応すると警備会社に通報されるようになっています。
これも料理やタバコの煙などで誤作動して出動することがほとんどですが、一度だけ小さな火災に遭遇しました。

非常ボタン警報

建物内やATMについてる非常ボタンが押された時も警備会社に通報されます。これもボタンを間違えて押してしまったりいたずらで押されることが多いですが、居酒屋やコンビニとかで酔っ払いが暴れ出して押されていったことはよくありました。

設備警報

大きな建物では設備の監視を機械が行なっています。電気設備異常、機械式駐車場故障、自動ドア長期開放警報、水位警報等様々です。
水位警報は非常時用に使う雨水タンクが満水になったり減水になったりすると警報がでるシステムで、大雨の時はあちこちで警報が多発して大変です。

これ以外にも警報の種類はたくさんあり、一つ一つ対応方法が異なるので覚えるのがとても大変です。

以上が警報対応の内容になります。意外に知られていないのですが、機械警備の警報の9割が誤報です。
よく行く建物では、もう行く前に信号を見ただけで「あ、あそこが壊れたんだろうな」とかが分かります笑

続いてATM対応について

ATM対応も警報対応と並んでメインとなる業務です。
基本的に機械警備隊員はATMが止まった時に対応するのが仕事で、現金を箱んだりするのはまた別の部署の隊員が行います。

故障で多いのが、紙幣と一緒にレシートとかを間違えて入れてしまって詰まるパターンが多いです。
他にもゲームセンターのコインとか、輪ゴムとかが入ってたこともありました。
中でも一番びっくりしたのは、ATMの中にスマートホンが入ってた時ですね笑

皆さんが今後ATMを使うときは余計な物を入れないように気をつけてくださいね!


以上が機械警備隊員の基本的な業務内容ですが、近年では自動車交通事故の駆けつけサービス、高齢者の遠隔見守りサービスなど、幅広くなって来ています。


ここからは、実際に働いていた僕が、良かった事、大変だった事を書いていきたいと思います。

まずは良かった事

①現場では基本一人で対応するので上司に気を使う必要がない。

機械警備隊員は基本的に一名での対応です。待機所では、僕がやってた所では2〜4人で待機してましたが、人が少ない地域では1人で待機するという所も多いです。
大人数が苦手という人にはやりやすいと思います。

②毎回違う場所で対応するので飽きることがない
僕が対応していたエリアでは全部で2500件くらいの契約先がありました。ATM機械室や高層ビルの屋上、有名人やびっくりするくらいのお金持ちの自宅など本当にいろんな所に行きました。
いろんな会社のオフィスも無人の時間に入ったりしたのですが、色んな所に行ってると、部屋を見ただけで、ここはこう言う雰囲気の職場なんだろうなあと言うのがわかってきて面白いです。

③夜勤手当がもらえる
機械警備は24時間365日監視をしていますので、隊員は交代で勤務をすることになります。
深夜の時間帯だと給料が25%割増になるので同じ時間働いたとしても夜勤に入ると多く手当てがもらえると言うわけです。

④夜勤で暇な時は寝れる
僕がいたエリアは忙しかったので24時間勤務して3時間寝られれば良い方でしたが、暇なところだと7時間くらい寝れて、気づいたら朝だったってこともあるらしいです。

続いて大変だったこと

①休日出勤が多い
警備業界というのは常に人手不足なので、少ない人員で業務を回さなければなりません。なので本来休日の日に出勤したり、日勤だけで終わるはずの所に夜勤をつけられたりしていました。
休みの日数は地域や警備会社によって異なりますが、僕がいた所では大体月の休みが4〜5日ほど。さらに24時間連続勤務もあり、24時間勤務を終えて家に帰って、また4時間後には家を出てまたそこから24時間勤務が始まるという事もありました。
正直僕は一日8時間くらい寝ないとダメな体質なので体力的にはかなりしんどかったです。
その代わり休日出勤をすると1〜2割増の手当てがもらえるので、社会人2年目の時は結構な金額の給料をもらっていたと思います。

②危険な現場に行くことがある
警報の9割が誤報と言えど、本当に不審者がいたり、火災が発生している可能性もあるわけです。深夜に暗くて広いビルを一人で巡回するのは怖いと感じる時もあります。

③災害時は非常に忙しい
地震や台風などがあると、設備警報や防犯警報の誤作動などが多発します。待機している人員では対応が追いつかなくなると、深夜だろうがなんだろうが休みの隊員にすぐに待機所に来るように連絡が来ます。
僕の地域は狭い道が多かったので、車ではなくバイクで出動していました。真冬の大雨の中一睡もせず一晩中バイクに乗って走り続けた時は何度か気を失いそうになりました。

④ミスできないプレッシャーがある
金融機関で働いていた人ならわかると思いますが、銀行のATMというのは一円でも金額がずれると重大な事案になります。
大量の詰まった硬貨や紙幣を回収した時は何度も念入りに数え直していました。
たまに、「ATMの中のお金を盗めるんじゃないのか」と聞かれることがありますが、システム上絶対にバレます。
僕は一度、大量の硬貨を滑らせて機械の下に潜り込ませてしまったことがあり、結局一人では全部見つからず、上司と銀行のお偉いさん達と全部見つかるまで探しつづけたという事がありました。あの時は本当にご迷惑をおかけしました

といった感じですかね
大変な事はまだまだたくさんありましたがこれ以上書くと悪口になってしまいそうなのでやめておきます笑

これらの点を踏まえて、こんな人に向いてるんじゃないかなというのをいくつか挙げていきたいと思います。

①手取り早くお金を稼ぎたい人
機械警備は他の常駐警備や交通誘導員と比べて給料が高く、さらに夜勤手当、休日出勤手当も加わると新人でも結構な額をもらえます。
高い学歴や特別な資格等も必要なく人手不足の業界なので採用試験も通りやすいです。
しかしながら、若いうちは他と比べて良い給料をもらえますが、年齢が上がっても給料が上がりにくいので長く働くのはオススメできません。

②体力がある人
夜勤が多かったり、重い荷物を運んだり、高いところに登ったりというのが多く、また繁華街などでは酔っぱらい相手の対応をしなければならないので、精神的にもタフさが求められます。

③大人数が苦手な人
僕は人と喋るのは好きですが、ずっと大人数でいると疲れてしまうので一人で対応できるのはある意味気楽でした。
忙しい時は対象先のマンション管理室(無人)で一眠りするとかはよくありましたね

以上、機械警備の業務について書いてみました。大変な事も多かったですが、周りは良い人が多くて、今でも感謝しています。
僕が会社やめてサーカスをやるって言った時も応援してくれる人が多かったです。

この記事を読んで、これから機械警備隊員になろうか迷ってる人の参考になっていたら嬉しいです。
長くなりましたが最後までお読みいただきありがとうございました。

裏側を書きすぎたのでALSOK本社に見つかってこの記事を消されないことを願っています。

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