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教員の働き方改革への提言(1)

教育政策の経緯と問題提起

おはようございます!
毎週ご高覧いただきありがとうございます!

今週からは、私が大阪府立東百舌鳥高等学校・大阪府立箕面高等学校の校長職六年間で、あたためてきた「先生方の働き方改革」についての構想を、毎日曜日更新で提言していきます

初等・中等教育諸学校における「教員の働き方改革」は喫緊の課題で、文部科学省は、「教師のこれまでの働き方を見直し、自らの授業を磨くとともに、その人間性や創造性を高め、子供(ママ)たちに対して効果的な教育活動を行うことができるようにすることを目的として、学校における働き方改革(学校における働き方改革について:文部科学省 (mext.go.jp))。」を推進するとし、大阪府においても、令和5年4月、すべての学校で導入すべきものとして「学校における働き方改革の取組10項目(h1-2.docx (live.com))」を策定し、全庁を挙げて課題の解決に取組んでいます

令和6年2月14日(水)中央教育審議会 質の高い教師の確保特別部会(第9回)で、「教師の処遇改善の在り方について」を議題に、公立校教員の給特法改正など教員の処遇改善についての議論が始まりました

特別部会は、「教師の勤務制度を含めた、更なる学校における働き方改革の在り方」・「教師の処遇改善の在り方」・「学校の指導・運営体制の充実の在り方」を中心に、令和5年6月26日より議論を進め、令和5年12月14日 第7回特別部会では、「教職員配置の在り方」が議論されています

先生方の残業時間を抑え、働き方改革を進めるには給特法の見直し等教師の処遇改善が必要であるという議論がある一方、長時間労働の是正には人員の充実が不可欠という議論があります

数年前に開催された全高長(全国高等学校長協会)総会・研究協議会における文部科学省官僚の行政説明で、
先生方の定員を増やしていきたい思いはあるが、教員定数は「公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律とその施行令」、これを標準とする条例で定められているため、例えば、「普通科」なら「専門コース制」のように「新時代のニーズに対応した多様な普通科」を設置することによる加配定数(第二十二条四項 公立の高等学校において多様な教育を行うための教育課程の編成についての政令で定める特別の事情)で課題解決できないか検討をしている、
旨のお話を伺い、その問題意識に共感するとともに、現場に寄り添ったその努力に敬意を表した記憶があります

令和3年3月31日に公布された学校教育法施行規則等の一部を改正する省令等により、高等学校等の特色化・魅力化に向けて、「普通教育を主とする学科」として「学際領域に関する学科」や「地域社会に関する学科」等の普通科以外の学科を令和4年4月より設置することが可能となりました
参考資料
  ※ 加配定数に関する行政文書を見付けることはできませんでした

第8回特別部会で示された「教職員配置の在り方等に関する論点」各論には、
 ○学級数等に応じて算定される基礎定数に比べて、様々な政策目的の下、地域や学校、子どもたちの課題や実状等に応じて、柔軟に配置することが可能な加配定数の意義や在り方等についてどのように考えるか
が追記されています

「教員の働き方改革」は待ったなし、です

教職員定数が増えれば、授業時数や校務分掌校務が減じられますので、教職員にゆとりができ、生徒と向き合える時間も確保され、定時退勤できる教職員も増加することが容易に想像できます

しかし、法改正や制度設計、財源確保の議論を待ってはいられません

先生方が、勤務時間内に生徒と向き合い、定時退勤を促すには、生徒と向き合う以外の時間を大胆に削減するしかありません

教材研究は授業改善・適正な学習評価のために不可欠ですので、
定期考査の作問・採点業務、昔ながらの平常点作業、
これらしか削減対象として思い当たりません
意味のない会議も、その意義を問いただせねばなりません

青年期の発達段階に応じた部活動や学校行事は、
教科教育活動と教科外教育活動の両輪で子どもの発達段階に働きかけ、人間的成長を促しはぐくむ、教育の営みにとって必要不可欠な教育活動なので、
安易な削減には慎重であるべきです

では、どう改革していくのか、

私は、新学習指導要領・観点別学習状況の評価の理念に基づく適正な学習評価・授業改善の取組みにより、定期考査の作問・採点業務、及び、昔ながらの平常点作業を削減し、先生方の働き方改革に結び付けていくことを考えています

新学習指導要領完成年度を迎える令和6年度を逃せば、この提言の意味は余りなさなくなります
令和6年度入学生が大学等 高等教育学校を受験する高校3年次の2年前に新学習指導要領に基づく学習評価方法を生徒・保護者に予め予告する必要があるからです

次回以降、提言の要点について説明していきます

何かのきっかけで、現場の生徒たちや先生方が幸せになっていくような議論が拡がればと願います

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします

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