見出し画像

文化祭 「垂れ幕」に込めた思い(1)

おはようございます!
毎週ご高覧いただきありがとうございます!

子どもは発達の可能態
教科教育活動と教科外教育活動の両輪で子どもの発達段階に働きかけ、人間的成長を促しはぐくむ

私の教員生活37年間を貫くモットーです

今回と次回は、私が最も大切にしてきた学校行事、とりわけ文化祭について述べます

私は、1992(H4)から2011(H23)まで、教諭・首席(主幹教諭)として20年間、大阪府立東淀川高等学校に勤めていました
遠距離通勤(片道約2時間)にも関わらず生徒会部長を7年間も務めました(当時は分掌長選挙によって選ばれました。校長のマネジメントは決定には及ばない時代でした)

今度の土日が文化祭(東淀川高校では「川高祭」)の週初めの月曜日
校門を入ると大きな「垂れ幕」が校舎に掲げられている
「あぁ週末は川高祭や!そろそろピッチをあげへんと間に合わへんなぁ」と生徒たち
狙い的中です!

2004年度 川高祭「垂れ幕」

2004年度 川高祭 テーマは 「1955 ルネッサンス」

今年、オリンピックも原点のアテネに戻り、川高も50周年を迎えた。新たな川高を創る第一歩として、2004年現在が、1955年レトロと2054年未来(川高100周年)とを繋ぐための架け橋となることを願いテーマを考えた。

創立50周年を迎えるときに生徒会執行部となった役員たちが考えた川高祭テーマです

このテーマを基に、執行部が原画を作成します!

生徒会執行部作成の「垂れ幕」原画(実物)
生徒会執行部作成の「垂れ幕」原画(実物)
生徒会執行部作成の「垂れ幕」原画(実物)
生徒会執行部作成の「垂れ幕」原画(実物)
生徒会執行部作成の「垂れ幕」原画(実物)

「垂れ幕」まで完成するには、クラスの協力・中夜祭出演メンバーからなる実行委員会や文化委員会の協力が必要です

各クラスから提出された「垂れ幕」を実行委員会で微修正
各クラスから提出された「垂れ幕」を実行委員会で微修正
各クラスから提出された「垂れ幕」を実行委員会で微修正
各クラスから提出された「垂れ幕」を実行委員会で微修正
各クラスから提出された「垂れ幕」を実行委員会で微修正
各クラスから提出された「垂れ幕」を実行委員会で微修正

私は、体育祭・文化祭を
指導方針(案)・実施要項(案)・細目、直前連絡・講評(生徒向け・B4用紙4枚)・総括(案)
のプロセスでそれぞれをマネジメントしました

例えば、文化祭の「基本方針」は、
「近年、高校生の行動範囲・興味の多様化が顕著になり、学校離れの傾向が著しく、多くの学校で生徒会行事の停滞・形骸化が進んできている。そういう情勢ではあるが、本校では、ここ数年生徒の自主活動育成・生徒集団育成の方向で生徒会行事の充実活 性化に力を注ぎ、成果を上げつつあると考える。
 文化祭においては、それぞれの取り組みのなかでのリーダー層の発見・育成はもとより、クラス集団の完成期に向け、集団としての達成感や相互理解を共有できるような生徒集団の育成を視野に入れた取り組みが期待できる。これらを通じてクラスひとり一人の個性が認められ、安心して個性を出せる「集団」創りの形成をめざしたい。」

「総括」では、
[1]生徒会活動の位置づけ
 本校生徒会では、生徒会活動を中心とした教科外教育活動を、教科教育活動とともに子どもたちの「人間的自立」に働きかける営みであると捉え、1年間の学校行事を中心とした生徒会活動を通じ、生徒たちの目を学校に向けさせ、学級・学年・学校等の各レベルで自己他者ともに大切にできる社会性豊かな自律した生徒集団を育成することをめざしている。これはもとより生徒会活動のみによって達成されるものではないが、生徒会では、[1]執行部活動・委員会活動 [2]生徒会学校行事・学級活動 [3]部活動を軸として取り組みを進めている。
 部活動も含めた高校生徒会活動全般の沈滞化が進む昨今、難しいことではあるが、私たち教師集団がなぜ生徒の自治活動を支援するのか、なぜこの行事をこの時期に行い、生徒たちにそこから何を学ばせ、育てていくのかを共通した認識を持って取り組まなければ、学級、学年・学校・部活等それぞれのレベルにおける生徒集団の成長はあり得ず、これらの取り組みを通じてひとり一人の個性が認められ、安心して個性を出せる「集団」創りが可能になるであろう
 生徒たちの学校行事(教科外教育活動)にかけるエネルギーと自己・集団実現の達成感やその取り組み過程でかいま見られる成長への可能性が、学習の場(教科教育活動)に必ずしも繋がっていない、という現実も無視できないが、教科・教科外教育活動を両輪とした教育活動をいかに創造していくのかが「川高の教育」のひとつの大きな課題と考える

[5]さいごに
 多用な日常と生徒の学校離れが進むなか、ともすれば、私たち教員集団も生徒も各行事をこなすことだけに精一杯で、行事後に徒労感をもつだけに終わりかねない。さらに、各行事の意義を見出せず、合理化の名のもと「行事を減らす」議論にも陥りかねない。
本来、生徒会活動を中心とした教科外教育活動は、教科教育活動とともに子どもたちの「人間的自立」に働きかける営みとして捉えられるべきもの
である。
 部活動も含めた高校生徒会活動全般の沈滞化が進む昨今、難しいことではあるが、私たち教師集団がなぜ生徒の自治活動を支援するのか、なぜこの行事をこの時期に行い、そこから何を学び、育てるのかを一致した認識を持って取り組んでいかなければ、学級、学年・学校・部活等それぞれのレベルにおける生徒集団の成長はあり得ず、これらの取り組みを通じてひとり一人の個性が認められ、安心して個性を出せる「集団」創りが可能になるのではないだろうか。生徒たちの学校行事(教科外教育活動)にかけるエネルギーが学習の場(教科教育活動)に必ずしも繋がっていない、という現実も無視できないが、教科・教科外教育活動を両輪とした教育活動をいかに創造していくのかが「川高の教育」のひとつの大きな課題と考える。
 学級・学年・学校各レベルにおける集団育成には、リーダーの発掘・育成が不可欠である。本校既存の体制では、学級の会長・副会長をリーダーとして成長を促さねばならないことは前述した通りである。全学級が一致して生徒会行事に限らずすべてのことに、会長・副会長を中心とした取り組みができるようになることが課題と考える。生徒の質の年々の変化はあるが、集団の育成・リーダーの育成の手立てとして、学級活動・生徒会行事・部活動の有効性は決して失われていない。『部活動や生徒会活動が盛んな学校』という本校の評価があるが、これは生徒の力だけで、また、生徒会担当者の力だけで伸ばして行けるものではない。全教職員の一致した認識のもと、学級担任・顧問団を先頭とした、全教職員の生徒会行事・部活動への主体的かかわりにより、生徒集団のダイナミックな成長を期待したい

学校行事を統括する生徒会部長の思いと民主的迫力、取組むその背中をみて、先生方はついてきてくれた、と思います
「石田が言うんだったらしょうがないか」
管理職もよく理解してくれました
私が「基本方針」や「総括」を職員会議で熱弁する様子を、校長先生が頷きながら「その通り!」と言わんばかりの様子で傾聴してくださっていた様子が今でも思い浮かびます

次回は、「垂れ幕」制作のマネジメントについて述べていきます

何かのきっかけで、現場の生徒たちや先生方が幸せになっていくような議論が拡がればと願います

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?