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武器と少年

放課後等デイサービスで働いています。ただいま、絶賛多忙な夏休み。

いつもは放課後の時間、つまり2時ころから子どもたちが来るのですが、夏休みは朝10時ころ、もうちょっと早くから来る子もいますが、そこから夕方までずっと子どもがいます。

みんな元気でかわいいけど、とにかくうるさい…。という毎日です^^


★★★



わたしが働いている事業所では、男の子が多いのですが、人気のおもちゃはレゴ。みんな毎日毎日、よく飽きないなあ、と思うほどに、いつも思い思いのものを作って遊んでいます。

子どもの発想力とか想像力とかすごくて、いつも感心させられます!大きな街をみんなで作ったり、ロボットみたいなのを作ったり、ちゃんとドライブスルーできるマクドナルドのお店を作ったり。

だけど、そういうのと共によく作っているのが、銃や刀といった武器なんですね~

いろんな色のブロックで作った武器は、大きくてカラフルで、長ーく作ってあったりして、なかなかよくできていて、子どもたちが「わぁ!」と思うのはよくわかります。

でも、そういうのができたらはじまるのは、やっぱり闘いごっこ。銃を持てば人を撃つマネをする。刀を作れば「先生、みてみて!できた!」と言い、その刃をわたしの首や腕に当てて切るマネをしてきます…

折りたためるようになっていたり、細かいところにいろいろと工夫がされているので「すごいじゃん!」ととりあえずは言いますが、なんだかなあ、という気持ちはぬぐえません。工夫して作ったことはほめますが、それで切ったりはしないでね、マネでも嫌だよ、と言っています。


その事業所には、大きいお部屋と小さいお部屋があるのですが、ある日、小さいお部屋を何人かで基地のように見立て、3~5年生くらいの男の子が数人でその小さい部屋にかたまって遊んでいました。

年下の子がレゴの銃を持って、入口のドアのところに立っていて、ほかの子が入ってこないように見張りをしています。

戦場みたいだな…と思いました。ここは普通にただの部屋の入口で、持っているのはおもちゃのレゴで作ったものなんだけど、これって…不安定な国の少年兵と、一緒じゃないの。

純粋な彼らは、ちょっと国が違えば、国が戦闘態勢ならば、それを「おもしろい戦いごっこ」みたいなノリでイキイキとした目で銃をもつのかな…ニュースで見る、幼い少年兵となにが違うのだろう…人を傷つけることに現実味を感じないのかな…あくまで遊びだから、いいと思ってるのかな…現実と遊びって、紙一重なんじゃないのかな…

ゲームの影響もあるのかもしれませんが、子どもたちの会話の中には「コロス」とか「シヌ」とかいうことばがよく出てきてげんなりします。そのたびに注意はしますが、あまりに日常的に言うので、そのことばのキツさをわかっていないんだろうなと思います。

みんながみんな、もちろんそうではなくて、やっぱりそういうこと言わず、穏やかな子もいます。が、ちょっと元気がいい子はそういう感じの子が小学生では多いです。


彼らは工作がとっても得意なので、それを武器などではなく、ロボットとか、新しい家電とか、わくわくする車とか、そういうみんなが楽しくなるようなものを作るときもよくあります。そういうのを「できた!」とみせてくれたら、こちらもちょっと大げさながら「トリハダもの」みたいなすごい作品もあります。そういうのを作ってほしいなぁ、といつもスタッフ間で話します。


だから、やっぱり「武器などではなく、どんな人も楽しく暮らせるためのもの」と作りたいね、と根気強く伝えていくことや、きちんと教養を身に着けて、戦うことではなく物事を解決する力を養うこと、教えることなどって、ものすごく大事なことなんじゃないかな、と思う夏休みです。




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