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人工物と自家組織

切って取ってしまうのと違い、組織を足す必要がある場合自分の組織(自家組織)か人工物(インプラント/プロテーゼ、ヒアルロン酸など)を使っていきます。それぞれ一長一短で、部位によってもかなり異なりますが、共通で知っておいた方が良い事を挙げておきます。

人工物

メリット

  • 自分の身体から採取する必要がない(傷、量)

デメリット

  • 感染に弱い

  • 長期経過が不明

  • 劣化する

人工物、体内に埋め込んでしまうものをインプラント/プロテーゼと呼びますが、部位によって様々な素材が使われています。豊胸だったらシリコンのバッグ、鼻はプロテーゼ(シリコン製)、貴族手術や下顎もプロテーゼを使用します。

もう少し広く含めると、糸リフトの糸やヒアルロン酸などのフィラー(注入物)も含まれます。大きく分けて吸収されるものとされないものになりますが、吸収されたり、なくなるまでは同じです。

自分の組織を使用しないので、新たに採取する傷ができたり、採取できる量に限度がありません。自家組織だと一度使ってたり、痩せていて採取できないなど制限がかかることがあります。

デメリットはあくまで、モノなので一旦菌がつくと自分で治せないので、感染に弱く、長期的には劣化します。10年スパンぐらいの話ですが。

また、乳房のインプラントで話題にもなりましたが、新たに癌が発生する可能性やオステオポールなど新しいものほど長期的な安全性がわかっていないものもあります。

自家組織

メリット

  • 安全性が高い

  • 感染に強い

デメリット

  • 吸収される

  • 採取する必要がある

自家組織、自分の組織を用いる場合です。肋軟骨、耳介軟骨、脂肪など一回使うと基本的に同じところから採取できません。

元々自分の組織なので、安全性は高く、感染にも強いですが、吸収される量が予測できづらかったり、強度的に曲がったりする事があります

人工物はかなり幅広いので、モノと使用部位によりけりですが、共通して感染は天敵です。使用される場合は何を使っているのか把握しておきましょう。

ボーダレス化

近年、自分の組織でも濃縮したり、一部取り出して使う技術(PRP、PRPFなど)が発展したり、人工物でも生体にかなり近い物ができており、上の様に明確に分けられないものもあります。

新しいものほど長期経過は不明なので、自分の身体に何が入るか、使われるかは知っておきましょう。

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