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暗闇の中で、“状態”を“障害”たらしめるものは何か考える ~新メンバー・内定者研修レポート~

前回、暗闇体験をしてから4カ月。
新しくジョインしたメンバー、また4月に入社予定の内定者の皆さんと一緒に、再度ダイアログ・イン・ザ・ダークに行ってきました!

(執筆:ミッションパートナー あきこ)

声(音)が私たちに教えてくれるたくさんのこと

前回ダイアログにお邪魔したのは秋。テーマは「運動会」でした。
今回は「LOVE IN THE DARK」と題したプログラムで、前回とはまったく違うダイアログ体験になりました。

ハッとしたのは、音の持つ情報の多さとその豊かさ

暗闇の中で声を出すと、その反響によって「あ、ここは狭いな」「ここは広いな」ということが分かるように、音は方向や空間の認識に重要な役割を担っています。

ですがそれ以上に、「声」から人の感情や想い、性格までもがはっきり伝わってくることがとても印象的でした

緊張しているときとリラックスしているときでは、声のトーンや話すスピードも全く違います。
今回はほぼ初対面の方ばかりでしたが、暗闇で対話を重ねる中で「この人はとても優しいんだな」「はきはきした明るい方なんだな」というのが感じられました。

私はふだん仕事をしていて、相手の見た目から年齢や職業、立場、肩書などを推測することがままあります。
でも、暗闇の中では「見えない」からこそ相手の声に集中し、耳を傾けることができる
その人の本質に触れられる感覚があり、見えているとき以上に心の距離が縮まった気がしました。

暗闇の中では「○○さん、どこにいますか?」「何かそこにありますか?」
というように、自分が状況を把握するために発する言葉がたくさんあります。

それとともに
「○○(自分)はここにいますよ」「ここに出っ張りがあるので気を付けて」など、自分のためではなく、誰かを想って発する言葉もたくさんあるんだ!ということに気づきました。

私は、これがまさしく「LOVE」だと思いました。

自分の存在を知らせることが、ほかの誰かの助けになる。
これはきっと、普段の生活でも同じはずです。

見える・見えないは関係なく、「ここにいるよ」「大丈夫だよ」という言葉かけを意識していきたいと思いました。

状態を“障害”たらしめるものはなにか

暗闇体験のあとは、アテンドのせとせっとさんの講演をお聞きしました。

お話の中で「盲学校(今は特別支援学校と言うそうです)では生徒みんなが見えないから、教科書はもちろん点字だし、先生たちもその前提で教えてくれる」というエピソードがありました。

地方の盲学校は生徒数が少なく、クラスメイトは数人、学年によっては生徒がいない時もあるそうですが、せとせっとさんが通った高校ではクラスに20人以上の生徒がいたそうです。

見えない生徒だけの学校で、果たして「見えない」ことは障害だったのでしょうか?
私たちは、暗闇に入ることで視覚障害者の方と同じ状態を体験しました。
誰もが「見えない」とき、それは必ずしも障害ではなかった。
そんなふうに感じています。

もしも私たちがいるのが、見えない人も、見える人も半分ずついる世界だったら?

その時、身の回りのものはどんなふうだっただろうか。
いまと同じカタチだっただろうか。
その世界で、見えないという身体の状態は“障害”と言われるのだろうか。
そんなことを想像しました。

障害だけじゃなく「その人らしさ」を発揮できる職場や社会とは

人によって、生きがいや働きがいを感じられる仕事のかたちは様々です。

「ダイアログではありのままの自分で働ける。1回1回のアテンド、ひとつとして同じものがない。人と触れ合い、耳を傾けることで心震える体験をつくりだせるのが楽しい!」

イキイキと語るせとせっとさんは、ダイアログ・イン・ザ・ダークの世界観そのもの。
私たちの目指す「障害の有無に関わらず、誰もが対等に働ける社会」がここにある!と感じました。

そしてまた、自分たちだけでは目指す社会を実現できないのだということも、この体験を通じて実感することができました。

JPTの社員はほとんどがエンジニアです。
プログラミングが好きで、その世界に没頭することでやりがいを感じられるメンバーが活躍していますが、それができる人でなければ働くことが難しいのも事実です。

「障害の有無に関わらず」と同時に、一人ひとりがやりがいを感じながら働くことができる社会に向けて、私たちに何ができるのかを考えるきっかけになりました。

まずは私たち自身が「障害の有無に関係なく、全ての人が対等に働ける会社」であるために。
一歩一歩、試行錯誤しながら歩んでいきたいと思います。

参加して下さったみなさん、ダイアログのみなさま、ありがとうございました!

■ダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」
https://taiwanomori.dialogue.or.jp/


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