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きっしーのゲーミフィケーション入門講座 第2回 ~ゲーミフィケーションの定義と歴史



ゲーミフィケーションの定義

 ゲーミフィケーション(Gamification)という言葉はアメリカで生まれました。ゲーミファイ(Gamify) “ゲーム化する”の名詞形で、“ゲーム化すること”という意味です。日本では2011年頃からウェブサービスを中心に活用され始めました。

 日本ゲーミフィケーション協会では、「ゲーミフィケーションとは、身の回りのこと(例えば学び)にゲーム要素を入れて対象者を楽しくやる気にさせる仕掛け」と定義しています。言い換えると、楽しいモチベーションテクノロジーのことです。

 特徴は、ゲームに慣れ親しんだ若い世代との親和性が高いので、若い世代に効果的に作用する。ゲーム要素を活用することであって、ゲームを作ることではありません。ゲームに馴染みが薄い世代には、遊び要素と言い換えると分かり易いかもしれません。

前半まとめ

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ゲーミフィケーションの歴史

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第1次ゲーミフィケーションブームのきっかけとなったのは、2011年(9年前)のGDC(Game Developers Confarence)での、ゲームデザイナー ジェーン・マクゴニガル氏のよるゲームで社会をよくするゲーミフィケーションの講演でした。彼女のTEDでの講演は動画で見られますので、ご覧になってみてください。また、彼女の「REALITY IS BROKEN」という著書は、藤本徹氏らにより日本語訳「幸せな未来はゲームが創る」として発売されています。


ジェイン・マクゴニガル: ゲームで築くより良い世界 | TED Talk
https://www.ted.com/talks/jane_mcgonigal_gaming_can_make_a_better_world?language=ja


同時期に、ガードナー社の「テクノロジのハイプ・サイクル 2011 」過度の期待のピークとしても取り上げられて話題となりました。

 日本に入ってきたゲーミフィケーションは、2012年(8年前)ごろ、ウェブサービスの顧客増加や満足度アップの手段として取り上げられました。ちょうどインターネットでの様々なサービスが盛んになりパソコンからアクセスされました。携帯電話の次の時代としてスマートフォンが広まり始める時期でもありました。

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書籍も、研究者井上明人氏の「ゲーミフィケーション―<ゲーム>がビジネスを変える」や、「ソーシャルゲームはなぜハマるのか」など何冊も発売され話題となりました。
実例としては、走った記録をSNSで共有できるNike+、毎日ログインするとスゴロクゲーム(最後は実利が得られる)ができる化粧品メーカーのウェブ、食べたお皿でルーレットが楽しめるくら寿司のビッくらポンなどが紹介されました。
岸本が、東京工科大学で「次世代ゲームフィケーション研究室」を立ち上げたのも2012年でした。

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 しかしすぐに幻滅期がやってきました。2013~2014年。私見ながらその原因はゲーミフィケーションにすればなんでも上手くいくみたいな煽り文句に対して、実際の効果が余り得られなかったことです。理由はゲーミフィケーションの質で、プロであっても面白いゲームを作るコトは簡単なことではないように、面白いゲーミフィケーションの仕掛けを作るコトは簡単できることではなかったからです。ゲーミフィケーションを作れる人材はゲームクリエイターの様な能力が必要でした。

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 第2次ゲーミフィケーションブームは、2015年(5年前)頃からゆっくり始まりました。それはウェブサービスで売り上げを上げるための仕掛けではなく、楽しい仕掛けを対象者のやる気を高めるために活用することです。学校授業にゲーミフィケーションを活用した、書籍「授業づくりエンタテインメント」(藤川 大祐著)や、人生にゲーミフィケーションを活用した、書籍「人生ドラクエ化マニュアル」(JUNZO著)などです。eラーニングなどオンライン学習とも相性が良く、いかにして離脱させずに継続させるのか、楽しく学習者をモチベーション付けさせるのに活用されました。2015年~2019年。

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 2020年以降の未来予想は、日本中にゲーミフィケーションが広まり、楽しみながらやる気を生み出せる社会の実現されると考えています。辛いけど頑張ってやるのではなく、楽しく続けられる仕掛けが必要です。そのための、楽しい仕掛けが作れる人材=ゲーミフィケーションデザイナーを育成することが本協会の使命です。キャッチコピー「世界を神ゲーに」を実現するために頑張っていきます。

後半まとめ

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第3回は、ゲームが面白いわけ をご紹介します。

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#日本ゲーミフィケーション協会 #ゲーミフィケーション入門講座 #きっしー
執筆:岸本 好弘(日本ゲーミフィケーション協会 賢者Lv98)
https://jgamifa.jp/

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