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能動的な学びの「ネットの高校」N高を訪問 ~日本ゲーミフィケーション見聞録 第6回

ネットを活用した新しい高校教育として注目していた、角川ドワンゴ学園N高等学校を訪問して、奥村良磨さんと鎌田智美さんにお話をお聞きしました。岸本と田中(監事)で訪問。

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N高等学校は、角川ドワンゴ学園が2016年4月に開校し、現在は生徒数が1万人を超える程に急成長しています。特徴は、旧来の教育システム・教育方針を変える新しい形の「ネットの高校」ですが、ネットとリアルの融合がポイントです。

N高等学校HP
https://nnn.ed.jp/

高校資格を取るのに必要な授業やレポートは主にネットで行っています(スクーリングもあります)。 部活もネット(slack)で。1万人も生徒がいるので、どんなマイナーな趣味でも仲間が見つかるそうです。

リアルでは、色々な種類の体験プログラムを用意、試しにやってみることから能動的な学びを引き出します。人気があるのが職業体験ですが、酪農、マタギ体験などもあるそうです。

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ゲーミフィケーション6要素の側から、N高の色々な仕掛けを見ていくと、

「能動的な参加」・・・自分のペースでのネット学習。マイナーな趣味でも仲間が見つかるネット部活。担当教員と考える自分の目標と計画 など

「称賛の演出」・・・教員はほめることを最大限活用して生徒と接する。ネットでのクラスメイトからのいいね。

「独自性の称賛」・・・生徒のやりたいことを尊重、個性を重視する。

「即時フィードバック」・・・ネットの特徴である、先生からすぐにフィードバックが得られる。他の生徒からも同様にすぐにフィードバックが得られる。

「成長の可視化」・・・ネットの特徴である、学習の進捗を可視化する仕掛け。

「達成可能な目標設定」・・・ネット授業の1コマが短時間。自分のペースで学習できる、分からない所は繰り返し見られる。

EdTechと呼ばれる新しいテクノロジーを活用した教育で、ネットとリアルの融合させて、いかに生徒のモチベーションを維持、アップさせるかを考えています。
そのため、能動的な参加や称賛の演出、独自性の称賛、即時フィードバックなど、生徒たちのモチベーションを上げる仕掛けがいっぱい入っています。

ネットだけで立ち上げたN校の生徒に欲しいもののアンケートを取った所、「リアルな学校」という要望があったので、リアルな学校を立ち上げた(通学コース)話も面白かった。生徒たちの能動的な参加です。そもそも、学校は無理やり通わされるものではなく、必要だから通うものなのです。

ネットとリアルの学校という仕組みだけを作ったとしても、生徒たちが能動的に学ばなくては意味がありません。N校には、そのモチベーションを高め継続させるために様々な仕掛けが用意されていますが、それらの多くはゲーミフィケーションそのものです。
多様な人材が求められる日本の将来のためには、多様な生徒に向けての、多様な教育システムが必要だと考えます。そしていかに生徒の学習モチベーションを高めて、能動的な学びを実現するのか。既存の学校とは違う、N高の試みはワクワクします。これからも注目です。

田中感想「VRを使った入学式やドラゴンクエストXオンラインを使ったネット遠足等、一見派手に見えるN高のコンテンツですが、実は柔軟性や効率性を追求すべく綿密に設計されていることが分かり驚きました。アクティブラーナー認定制度も、積極的・能動的な活動を促す素晴らしい仕組みなので、この制度の卒業生の活躍が楽しみです。」 


#jgamifa #gamification #ゲーミフィケーション
#日本ゲーミフィケーション協会 #N高等学校   #能動的な学び
執筆:岸本 好弘(日本ゲーミフィケーション協会 賢者Lv98)
https://jgamifa.jp/

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