図形やパズルで楽しく思考力育成 アプリ開発者を取材~日本ゲーミフィケーション見聞録vol8
思考力育成アプリ教材「シンクシンク(Think! Think!)」を私が初めて知ったのは、「Edvation x Summit 2018」でのプレゼンでした。興味をもってその後無料版を遊んでみた時、「とおる?」問題の「さわり心地」の良さに感心しました。「さわり心地」はゲーム開発者の使う言葉で、UI(ユーザーインタフェイス)、プレイヤーがゲームを遊んだ時の操作しやすさ分かりやすさのことで、さわり心地が良いのが面白いゲームの必修条件です。
このアプリの開発者の話が聞いてみたいと思いながら月日が過ぎてしまいましたが、ようやくシンクシンクの開発責任者川島 慶さん(ワンダーラボ株式会社 代表取締役)のお話が聞けました。
ワンダーラボ株式会社 - WonderLab Inc.
https://wonderlabedu.com/
シンクシンクは2017年3月無料版リリース。「Google play awards 2017 子ども向け部門(世界中のアプリの中からgoogleが選ぶ賞)受賞後一気に人気が高まり、現在では150ヶ国120万人がプレイしている。4-10歳向けて図形やパズルで楽しく思考力育成をはかる知育アプリ。100種類以上の種類のゲームがあり月3-4個のペースで開発していたそうです。
ゲーミフィケーションの盛り込み度は、子ども次第
川島さんの話では、ゲーミフィケーションは、一時期はかなり強くゲームぽく使っていましたが、現在は抑えめに使っています。料理で言うと、濃い味付けだと飽きも早いので、今は「ダシ(ゲーミフィケーション)の美味しさ」を生かした薄味で使う感じです。
どれぐらいゲーミフィケーションを盛り込むかは、相手である子どもに合わせるのが大事で、時代によっても変わっていきます。作成したアプリは、教室で子どもたちの反応を見ながら改善しています。また開発メンバーには、元ゲーム開発者もいてクオリティが上げています。
現在開発は、わくわく詰まった、自由なまなびのワンダーボックス(WonderBox)に移行。STEAM教育分野の新しい通信教育サービスだそうですが、デジタルだけのシンクシンクと違って、デジタルとアナログを組み合わせたところや、正解を見つけるだけではなく、「感じて、考えて、作り出す」体験を重視している所がユニークです。
あと印象深かったのは、川島さんと恩師「イモニイ」との出会いの話。井本陽久さん(イモニイ)はカリスマ数学教師で、川島さんが教育に係わる仕事に就くきっかけとなった。川島さん以外にも教育系の著名な方で、恩師との出会いを教育に係わる就くきっかけとおっしゃる方多いように思います。大学生や高校生を教えている私も、心せねばと思いました。
「シンクシンク」を、ゲーミフィケーション6要素で分析すると、
<能動的な参加> 画面を楽しませるカワイイキャラクターたち、問題が選べる
<達成可能な目標設定> 最大でも1日10分程度で集中できる
<称賛の演出> 正解すると花丸がもらえる。気持ち良い演出
<即時フィードバック> デジタルなので正解不正解がすぐに分かる
<成長の可視化> 習熟度に合わせて新しい問題が追加される
<独自性の尊重> 間違えたって大丈夫、アプリなので何度でも試行錯誤できる
となります。
これからも、世界中にシンクシンクやワンダーボックスを届けたいという、川島さんたちの熱い思いを応援していきたいです。
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#日本ゲーミフィケーション協会 #シンクシンク #ワンダーラボ
執筆: 岸本 好弘(日本ゲーミフィケーション協会 代表賢者Lv98)
https://jgamifa.jp/
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