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聖火がつくばにやってきた。

つくばはイベントに事欠かない街である。数多ある研究機関では一般公開がよく行われ、夏の風物詩である「まつりつくば」では青森のねぶたと秋田の竿灯が同時に見られる。国際会議場があり、G7とG20の大臣会合が行われたこともある。コロナ禍になる前までは、常日頃(というと若干語弊があるが)何かしらイベントが行われているので、住んでいて飽きない。そんな土地柄なので、東京2020大会が決定してから、聖火リレーがつくばにやってくるのは間違いないとずっと思ってきた。1年延期という予期せぬ出来事はあったものの、つくばに聖火がやってくることになった。しかも茨城県の聖火リレーのゴール地点として、だ。

私は小学6年生の夏、東京で世界陸上があった。当時は日本テレビが中継したが、毎日食い入るようにテレビにかじりついた。思えば、30を過ぎてからフルマラソンに挑戦しようと思ったのも、きっかけはこの大会で谷口浩美さんが男子マラソンで金メダルを獲得したのを目の当たりにしたからだった。あれから30年、私は父親になり、息子は小学6年生になった。コロナ禍を経て混乱する様を見ていると、東京大会の後に日本に再びオリンピックがやってくるとは正直思えない。せっかくの機会だから、聖火だけでも息子に見せたい。思い切って、ゴール地点となるセレブレーション会場での観覧に応募することにした。

そして、幸運なことに当選することができた。

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セレブレーション会場となったのは、つくばエクスプレス研究学園駅そばの「研究学園駅前公園」。茨城県の聖火リレーはあいにくの雨模様続きだったが、幸いなことに雨はあがっていた。自宅から自転車で向かったが、暑くもなく寒くもない快適な気温。会場に入ったのは、イベントが始まる10分ほど前。身分証明書の提示とボディチェックを済ませて会場に入ると、スポンサーブースへ。

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主役は、予定よりも15分ほど遅れてやってきた。

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最終ランナーの加藤沢男さんは、ステージに上がり聖火皿に聖火をともすと、大きな拍手に包まれた。

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聖火が会場にやってきて、セレモニーが終わるまで正味10分ほど。沿道で観戦はほんの一瞬なわけで、幸運な機会に恵まれたことに感謝せずにはいられなかった。一方で、複雑な思いを抱いたのも事実だ。入り口付近には五輪開催を反対する人たちによるデモも行われた。詳しくはNEWSつくばの記事をご覧いただきたい。

私は、招致決定から今日まで、東京2020大会の開催を心待ちにしてきた。ただ、今回素直に受け入れにくくしている最大の要因は、新型コロナウイルスにあることは論を待たないだろう。公道での聖火リレーの中止が相次ぐ中、今回茨城県が全コース公道で聖火リレーができたのは奇跡と言っていい。私は観戦チケットを手にしているのだが、このままでは私にとって東京大会の思い出は聖火リレーのみとなりそうだ。

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