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日本とフィリピンを生きるストーリー「ケン編」ドキュメンタリー上映会を開催しました



自己紹介


初めまして、私はJFCネットワークでインターン生として活動しています。私は昨年から翻訳業務を行っていて、様々なイベントにも参加しています。今回JFCネットワークが主催するドキュメンタリーフィルムの上映会に初めて参加させていただいたので、本記事にて内容と感想をお届けできればと思います。
 

当日の内容


今回は、JFCの一人でもあるアユミさんとケンさんのドキュメンタリーフィルムの上映会を行い、そして彼らのスピーチの後、映像を踏まえたワークショップを行いました。

映像の内容


まず、2人のJFCが抱えている心情を赤裸々に語っているドキュメンタリーフィルムを視聴しました。ドキュメンタリーフィルムでは、2人がフィリピン人と日本人のダブル(ハーフ)として生きる葛藤と、心に抱える思いが映し出されていました。2人の家族の話はもちろん、日本で生活する上で感じた困難や、心境の変化が詳細に語られていました。
私は今回2人の映像を始めて視聴したため、映像の臨場感に圧倒されました。2人の人生と私の人生は全く異なるものであり、どのように生きてきたかやどんな思いを抱えているかはそれぞれですが、2人の映像はまるで自分事として迫ってくるような臨場感がありました。あゆみさんの日本人として暮らしていく中で感じた疎外感や母親との関係を語っている映像では、彼女の心境の変化が細かく語られていて、その中には私が共感できる部分も多くありました。さらに、ケンさんが、JFCとして日本で生活し、働いていくことについてどう感じたかを美しい言葉で巧みに表現していたことにも、大きく感銘を受けました。

ケンさんの映像を見ています

2人のスピーチ


次に、2人のスピーチが紹介されました。あゆみさんは当日残念ながらイベントに参加することがかないませんでしたが代読で、またケンさんはその場でそれぞれのスピーチを披露してくださりました。その中で特に印象的だったのは、あゆみさんのスピーチの中で、私はフィリピン人と日本人両方のアイデンティティーを持てる、どちらか一つを選ぶ必要はないという言葉です。JFCとして二つの国のルーツを持つ中、自分のアイデンティティーが何なのか、どうふるまわなければならないのかという葛藤を抱えていたそうですが、無理に選択する必要はなく、自分はどちらも持ってよいのだ、ということに気が付くことができたと、力強く語っていて強く印象に残りました。また、ケンさんが実際に参加者の前で自分の言葉でスピーチをした姿を見て、映像とリンクする部分が多くハッとするものが多かったです。実際に本人が語る姿を見て、映画で語っていた言葉がよりリアリティのあるものとして伝わってきました。さらにケンさんの美しい表現によるスピーチで、彼の今までの心境の変化や経験がより鮮明に伝わってきて、印象的でした。

あゆみさんのスピーチはこちらからご覧いただけます。


ケンさんのスピーチの様子

ワークショップ


その後、映像を踏まえて、フィリピン人と日本人のグループで意見のシェアリングするワークショップを行いました。今回のテーマは、JFCとの共通点ということで、自分とJFCたちと似ている点をディスカッションしました。フィリピン人の方々から多く出た意見は、やはり言語の壁やアイデンティティーの問題など日本で生活するうえで困難に感じたという意見が多く挙げられました。日本人の方々の中でもやはりアイデンティティーの問題というものはJFCの方々と同じように抱えているという意見が多くありました。

共通点がたくさん見つかりました

武内剛さんのプロジェクト紹介


お笑い芸人として活躍中で、ご自身もカメルーン人の父親を捜す活動をしている武内剛さん(ぶらっくさむらい)がプロジェクトの紹介をしてくださいました。JFCと境遇が似ていて、ご自身もまた自分のアイデンティティーや、どのように生きていけばよいのかわからないという胸の内を明かしてくださり、家族再会のために「パドレプロジェクト」を立ち上げたそうです。ドキュメンタリー映画の製作も行っているそうです。

パドレプロジェクトのご紹介


ビートボックス


最後に長谷川大知さんが、ビートボックスを演奏してくださりました。ドキュメンタリーフィルムの監督でもある彼は、ケンさんのフィルムをもとに作曲したビートボックスを披露してくださり、力強いパフォーマンスでメッセージを伝える姿がとても感動的なものでした。

大知さんのビートボックス

最後に


私は普段、JFCたちが国籍取得や法的認知のために必要としている書類の翻訳を業務として行っていますが、今回は生で彼らの話を聞く機会を得ることができてとても勉強になりました。普段翻訳で見ている書類などに書かれているストーリーも心に迫るものがたくさんありますが、今回ドキュメンタリーフィルムを通じて、JFCたちが実際に感じていることや心境を一つ一つ鮮明に知ることができ、より理解を深めることができました。今後もこのようなイベントに参加し、彼らの思いを知ることができればと思います。

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