004 ワープロ、そしてパソコン

私が初めてパソコンなるものを手に入れたのは、SORDのM23。CPUは8ビット、RAMは128KB(!)、5インチのフロッピードライブ(確か330KBだったと思う)が一台という構成で、PIPSという簡易言語専用、当時の価格で100万以上したと思います。出力は英数字とカタカナのみ。それでもこれで自分が経営している店の業務処理システムを組み、結構便利に使っていました。ちなみにこのシステムは少しずつ形を変えながら、今でも自社の基幹業務システムとして元気に稼働しています。

漢字、ひらがなを記述できないM23では日本語の文章を記述することはできません。それが出来る日本語ワードプロセッサーを手に入れたのは1982年、東芝のJW-1という機種です。当時60万くらいしたのですから、今にして思えば高い買い物ですが、原稿を書くのに何度も細部を手直ししたくなる私を手の痛みから解放してくれる素晴らしいツールでした。私は以前から英文タイプライターを常用していたのでキーボード入力には何の苦痛もありません。やがてNECの9801、インターネットに接続するアナログモデム、電子メール、HTML言語など、まるで浦島太郎が竜宮城で遊んでいるようにパソコンワールドに夢中になって遊んでいたのですが、あるとき愕然とする事態に直面しました。それは、自分の名前がうまく書けなくなっていたのです。これは、まずい。理屈ではありません。直感的にそう感じました。何かが、間違っていると。



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