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星空に想いをのせて 【ジュエリーの歴史編3】

  ふと夜空を見上げると、輝く満点の星空。
頭上に鎮座するその星は、二つの天秤が、バランスをとりあっているように我々に何かを主張している。二つの天秤は「朝」と「夜」、つまりバランスをとりあってるのは、朝と夜の長さが同じだということだ。

                                  「そろそろ冬にそなえなければ…」        

 先人が肉食獣の脅威から免れ、農耕・牧畜を始めて安定した生活を送れるようになると、一番の脅威は自然の猛威へと移り変わりました。
そこで、自然をいかに知り、いかに克服するかが私たち人類にとって大きな命題となります。先人はその一つ一つを克服することで、古代文明を前進させてきました。

 春になると、花が咲き、渡り鳥がやってきます。毎年、同じように繰り返される森羅万象について、古代の天才たちは、これは宇宙のリズムであり、それが地上の自然や環境に変化をもたらすからだと考えました。動物や植物たちはそれらを敏感に受け止め、それに反応しながら生きているというのです。

 この宇宙のリズムに気が付いたのが、今から6千年前のバビロニア(現在のイラク地方)に暮らしていたシュメール人で、最古の都市文明、メソポタミア文明です。
 彼らは宇宙のリズムは、太陽であり、月であり、特に満点の夜空に輝やく星座だと確信しました。そして、バベルの塔という非常に高い塔を建設し、天井まで登って、天体観測を行いました。

そう、星占いの始まりになります。(ジュエリー文化人類学より)

一般社団法人ジュエリー学協会タイ支部長
門馬哲史

参考文献/資料
ジュエリーに心が宿る瞬間…(畠 健一著作)
マルテン・ファン・ファルケンボルフ 「バベルの塔」 (1595)
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