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【読書】「ストレングスモデル」

「ストレングスモデル」リカバリー思考の精神保健福祉サービス /
チャールズ・A・ラップ/リチャード・J・ゴスチャ(著)田中英樹(監訳)
を読みました。

約5000円する専門書なのですが、
私の目指す相談業に役に立つのではないかと
とある方からお勧めいただき早速、読みました。
これは、素晴らしい本でした。
目から鱗の言葉の数々を自分のために残しておきます。

希望はリカバリーに欠くことができません。
絶望は病気以上に私たちを無力にするからです。

旅としての人生。

初めに努力すべきこと、
その人がサービスを受けに来る前はどういう人であったかを
理解することである。

夢、興味、願望は何であったのか?
この人を支えたのは誰だったのか?
この人の人生で重要な体験は何だったのか?
それと同時に、この人の将来で信じられるものは何かを、
私たちは自問しなければならない。

リカバリーの希望に満ちたビジョンがないと
受け身になってしまう。

ストレングスモデルでは、
すべての人は目標や才能や自信を有しており、
また、すべての環境には資源や人材や機会が内在していると見る。

生活がうまくいっている人には目標と夢がある。

良い患者は「従順さ」の項目に該当する。
従順な行動は達成や成長に結びつくことは、ほとんどない。
成功や成長には若干のリスクを伴うものである。

ワーカーとの関係は多くのクライエントにとって自分を深め、
自分の欲望や願望がどういうものか見極め
自分の才能や強みをはっきり自覚するための重要なメカニズムとなる。
この関係は、ロケットブースターや安全網として作用する。

信頼を築くための有効なアプローチは、
提案のかたちで要求することである。

例えば「あなたにとって重要な目標についてより明確にしたいのですが」というよりも
「私にどのような支援ができるのか知りたいのであなたの人生において成し遂げたいことをもう少し話し合いませんか」と言い換えることができよう。提案のかたちをとることで、クライエントが主導権を保ち、援助過程の監督であるという原則が強められる。

クライエントとワーカーの関係性の基礎は、
共感、誠実性、そして無条件の肯定的配慮である。

無条件の肯定的配慮とは
「ワーカーがクライエントに対し、尊敬していることや好感を持っていること、心配していること、関心を持っているといったことを押しつけがましくならない方法で伝えることを指す」

誠実であることと、すべて何もかも正直であることは、
同義語ではない。

クライエントにとって
話を聞いてもらえる機会であるということが重要であり、

スーパーバイザーは積極的に聞いている姿勢をとる必要がある。

話の内容に評価を下してはならず、
むしろクライエントにとって重要なものとして受け止めるべきである。

ストレングスモデルには四つのストレングスのタイプがあり、
それはその人の
「性質/性格」「技能/性能」「環境のストレングス」「関心/熱望」
である。

クライエントとその環境の好ましくない部分、欠陥、そして病理を
明らかにするために、アセスメントのツールが使われている。

ストレングスアセスメントは、
私たちがもっている数多のストレングスを体系づけたり、
利用したりするツールである。
「現在のストレングス」「願望・熱望」「過去の資源」

行動の細分化。
進捗のチェック。
それぞれの目標/課題には、達成する目標期日を設定すべきである。
達成したら祝う。

ストレングスアセスメントで使われる言葉は、
クライエントの視点から
クライエント自身の言葉を使って書かれるべきである。

人間は目標をもって生きる有機体である。
何かをする時には理由がある。
目標は希望の実現について回るものであり、
ものごとを達成するために不可欠なものである。

例えば、「対人関係の技術を高めること」が
目標として記録されることがよくある。
しかしこれまで「対人関係の技術向上」を求めた患者はいない。
多くの人は「もっと友人が欲しい」とか
「家族や親戚とうまくやっていきたい」と言う。

達成に向かう小さな進歩を認めることのない目標設定は、
達成や進行を感じる機会を失わせてしまう。

クライエントの自己決定を過小評価することは、
無能だとメッセージを送ることと同じである。

ストレングスモデルでは、
すべての人々が目標をもっていると考える。

ワーカーの仕事は
「選択することを積極的に励まし、
どんなに小さくとも、より重要な人生の選択を行うことを指示すること」

である。

ストレングスモデルは、単に肯定的リフレーミングではない。
自分のウェルビーイングを妨げていると思っている苦痛、問題、困難も承認される。
こういったことはリフレームされるのではなく、
むしろクライエントのリカバリーの旅の文脈から理解されるのである。

「ミラクルクエスチョン」
今晩あなたが眠っている間に、奇跡が起きると仮定してみましょう。奇跡とは、ここであなたが私に話しかけている問題がどういうわけか解決しているというものです。眠っているので、あなただけがそれを知りません。あなたはその奇跡が起こったことを、翌朝のどんな違いで気づくでしょうか。

この質問は、クライエントの注意を困難からそらし、問題が解決した未来を想像してもらうようにする一連の派生的な質問の出発点となるものである。

この質問の意図は、奇跡が起きた場合にクライエントの生活のなかで何が「違うか」を、クライエントが詳細に描き出す手助けをすることである。

よく形成された目標は、何かかが「ない」ではなく、
何かが「ある」ものであるということがよくわかる。

これは、何度も何度も読み
自分の身としなけらばいけないと思わせられた良書であり、
読むにあたり襟を正さずにはいられません。

また、今では広く知られている
「ミラクルクエスチョン」の最初に書かれた本ということにも
少し驚きました。
なるほど、勧められる、読み継がれるだけある良書ですね。

相談業をされれいる方は、是非とも読まれることをお勧めします。

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