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人生を変えたくて「実印」を作った話

本棚を見ていて
ふと1冊の本に目が留まりました。

その本を手に取り
発行日を見たところ
2006年となっていました。

あれから もう14年以上経ったのだ。


それは2006年のこと。


私は当時29歳でした。


転職して3年。

何とも言いようない虚無感を持ち
ナニモノでもない自分に苛立ちながら
日々悶々とただ月日を浪費していました。


今まで自分でやりとげたことなんて、
何もありやしない・・・。

そんな思いが頭にあって、
何かに焦っていたのでした。


そんな、やり場のない漠然とした不安を、
ひたすら読書にぶつけていたある日、
1冊の本に出会いました。

「ハンコで5億稼ぐ道」


まあ、書店で手にと取ったときは
よくありがちなIT黎明期のドタバタ起業物語なんだろうなぁ
くらいの印象であまり期待せずに
他の本数冊と共に購入しました。

余談ですが、
その当時の私は、
なぜか収入の10%程度の本を
購入し読むことを自分自身に課していたのでした。
(今現在は、残念ながら3%程度の購入となっています)


いつものように、
電車の中で時間つぶしくらいの気持ちで
読みはじめたのでした。

ところが、この本はよい意味で
私の期待を裏切ることになりました。

この会社の創業物語や
社員たちの奮闘劇に
すっかり魅せられ
気が付けば、一気に読み切っていたのでした。

読み終わっての感想は、
なんて、実行力なんだッ!
すばらしいッ!
実にすばらしいッ!


ハンコで5億稼ぐ道
― 元フリーターがネットビジネスで成功を収めるまでの450日の軌跡
日向 咲嗣 著

当時の僕の感覚では、
ハンコを通販!?
なんだか、心がこもっていない!!
普通はハンコ屋さんで購入するものだ!!
というガチガチの既成概念で
読み進めたのを覚えています。

ところが気が付くと
この男たちのハンコに賭ける情熱に
すっかり感動してしまっている自分がいました。

数日、その感動は冷めやらず


その実行力、そのスピリッツを忘れないために
このハンコ屋さんでハンコを作ろう。

って気持ちになりました。

「俺の実印を作ろう。」

そう決心するのに時間はかかりませんでした。

それまで、
実印などということを持とうなどということを
考えたこともありませんでした。
なので、実印なんて持っておらず、
実印登録などしていませんでした。

案外、実印なんて使うこともなく
過ごせるものなんですね。

それは、裏を返せば
自分で決断をする機会に立ち会わず、
両親の庇護のもと
甘っちょろく生きてきたのだと思います。


持っているハンコといえば
高校の卒業と同時に
高校卒業記念にもらったハンコで
いわゆる三文判に毛が生えた程度の
ハンコでした。
それを、銀行印として登録していたくらいです。


一度実印のことを考えてからというもの、
気が付けば実印のことばかり考えてしまうようになりました。


実印を持っていなければ、
実印を押すような場面、
人生での重大な場面が
いつまで経っても
やってこない気がしてきました。

人生の重要な場面・・・。
重要な場面・・・。
それは・・・、
それは・・・、
家を買うときとか・・・、
結婚するときとか・・・、
すごいお金を動かす!?みたいな
とにかく、人生の重大な場面が
実印がないと
なんだかやってこない気がしました。

それは、
実印を先に作って、
実印を押すような機会、
つまり人生の重要な場面を
引き寄せたいと思っていたのかもしれません。


簡単に言うなら、
退屈な日々というか
甘っちょろい生活に
オサラバしたかったのかもしれません。

つまるところ
「人生を変えたい。」
ただ、それだけだったのかもしれません。


実印登録なんて、三文判であろうが
どんなハンコであれできます。
そうとはわかっていてもやはり、
これぞ実印という風格の
ハンコで実印登録をしたいと考えるようになりました。


当時のこのハンコ屋さんのホームページで
私の欲する
実印という風格を持ったハンコを
探したところ、、、

キャンペーン商品
個人様ご印鑑
マンモス(特上)
16.5mm
ケース無し
甲州完全手彫り(大周先生作)

いう商品を発見しました。


なんと!!

マンモス(特上)
です(笑)


約3万年以上昔の「本物のマンモスの牙」を使用した印材です。

わお~!!

今から約9000年~1万年以上前の氷河期時代に
氷点下50度以下の厳しい環境で生息していたマンモス。
そのマンモスの牙が今、永い時を経て印材としてよみがえりました。
マンモスの牙はロシア・ユーコン・アラスカ・シベリア等で数多く発掘されています。
材質の特徴は強い強度をもち、淡い乳白色をしており朱肉にもなじみやすいので、
長年使い続けられるものとして人気をあつめております。
3万年前の物を発掘しております為、多少の染みがついている物もございますが、
天然物の証でございます。



そうだったんですねッ~!!


しかも、
お値段なんと


12,899円!!(2006年当時の価格です)

購買意欲をそそるではありませんかッ!!


私の実印にふさわしいッ!!

ん~実にふさわしいッ!!

実印にふさわしい内容では、ありませんかッ!!


興奮のあまりその場で購入ボタンをポチッと押しました。
(まさに、この本に書かれていた実行力です!)

買っちゃった♪買っちゃった♪買っちゃった~♪

その後、商品はすぐに届き、
この気持ちを忘れない様に
すぐに市役所に実印登録をしに行きました。
こうして実印登録は無事に済んだのでした。


実印登録が完了してから数日間は
捺印した陰影をうっとり眺めながら、
なんとも言えない達成感のような感情が
湧きあがってきました。
そして、
「俺の実印。マンモスの牙。しかも、特上。」
も~なんだか、男のロマンだ。

なんて思いを馳せ
実印を眺めては一人で悦に入っていました。


でっ!

その後どうなったかですが、

実印を登録した数月後に、
新車を購入することになりました
その際の車のローンの際に、
実印を使用することになりました。

実印を買ったから、こういう機会になったのか、
それとも、たまたまこういう機会があったのか、
そう問われると恐らく、前者に近いと考えます。


ただちょっとした実行力(この時は欲しい車を買うこと、しかも未来でなく今)が、
そういう機会を呼び寄せたというか、
そういう機会をつくりだしたと考えています。

その後は、

友人の入社の際の保証人、
アパートの契約、
入籍、
車の名義書き換え、
生命保険の加入、
家の購入、など

この約14年間、数々の実印を捺印する場面がありました。
そのどれもが人生の重要な場面でした。


その様々な場面が、
実印を作ったから、
引き寄せられたのかと言われれば
私にはわかりません。

人生を変えたくて実印を作って
人生が、変わったのかと
問われるとなるとこう答えます。


「実印を作ることで、私の人生は変わった。」

これは、はっきりと断言できます。

10年前のくすぶっていたあの日の自分からは想像もできない
10年後の自分がいます。


それは、ちょっとした実行力の差ではありますが、
あの時の本を読んで感動したその後
ほんの少しの実行力を日々発揮する。
その実行力によって変わっていった
毎日のほんの些細な積み重ねで
10年経ったある日ふと振り返った時に
それは、とても大きな差となっていました。


実印を作る。
実印を登録する。
実印を使う。
そんな小さな実行力を発揮した
ただそれだけでした。


そして、あっと言う間の14年でした。
ただそれだけの話でした。

↓ちなみにそのサイトはココです↓
いいはんこやどっとこむ

14年ぶりに見ましたが、なんだか様変わりしまくってました、
やはりあの情熱で進化し続けたのでしょうか。
私も、「初心忘るべからず」と自らを戒めます。


なんにか、カッコいい大人になろう。

↓ブログやってます。(元記事もあります)↓
https://thejetsjp.blogspot.com/


絶対、押しちゃダメよ♥️