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関西エアビー体験 取材その1 「パスポートが不要な西成共和国」

体験名Emotional Off the beaten path in Osaka (パスポートが不要な西成共和国)
体験ホスト:Takaさん(50代男性 会社員)
体験開始時期:2018年1月
これまで参加したゲスト数:50人強
体験内容
大阪の中でもとりわけディープな西成・新世界界隈の飲み屋を数件ハシゴする食べ歩きツアー。このエリアに詳しい体験ホストの絶妙なナビゲートで、大阪の食と文化、さらには地元民との予測不能な交流を堪能し尽くす、多くのゲストに大絶賛の究極の大阪体験。キャッチフレーズは「日本円が使えて日本語が通じるが、どこかのアジアの国の飲食街に紛れ込んだ感覚に陥る」。


これほど楽しく、心が揺さぶられ、感激する体験はそうはない。「良い体験」とは、参加後に、ものごとの感じ方や見方を変えてしまうものだと思う。そういう意味でTakaさんの「パスポートが不要な西成共和国」体験は、西成に対する、飲み歩き方に対する、体験ホストの振る舞いに対する、もっと言えば人生の豊かさに対する思いが揺さぶられるような、そんな究極の体験だった。

体験内容は、はっきり言って、ただ街を歩いて飲んで食べているだけである。だが、立ち寄るどのお店もユニークで、日本人男性でも一人で入るのには勇気がいる店構えばかりである。敢えて西成への余計な先入観抜きにして、外国人目線で見るように心がけてみた。それでも、早い時間にも関わらず、ガテン系の柄の悪そうなおっちゃんらでごった返しているお店ばかりで、外国人なら尚更、中に入ることに抵抗があるだろうと感じる。しかし、どのお店も中に入ってみるとお客さんも皆フレンドリーで妙に居心地がよい。なぜかどこのお店にも、お店の人と見紛う立ち振る舞いの常連さんがいる。Takaさんの「西成というエリアは飛び抜けて寛容性の高い街だ」という言葉が、お酒と共にじんわりと体に染み込んでくる。そして、Takaさんの頼む料理がことごとく、絶品なのだ。なんなのだこの街は。なんなのだこの体験は。

お店をハシゴしながら、ツアーは徐々にさらなるディープなエリアへ向かっていった。道中、Takaさんの解説が所々入る。チャイナタウンのような中国人女性の黄色い声が響き渡る飲屋街、インバウンドに受けそうな古着の着物屋、他で見たことない「ガツンゴールド」なる40円の栄養ドリンクの自販機、一泊850円〜のドヤ、スーツケースを引く外国人バックパッカーの群れ、100円のコインロッカー、アスファルトで車座になって口角泡を飛ばして談義する「住民」たち、阪堺線今池駅の殺風景な無人のプラットフォーム。どこか懐かしいような光景。一見カオスで雑多な異物たちが、絶妙なバランスと秩序で共存している。そこには大阪という街の全てが、いや生きる上で必要なこと、人生の中の苦楽の縮図のようなものすらあるような錯覚を覚えた。

「西成で飲んでいると、包まれてるような妙な安心感がある」とTakaさんは言う。まるで、通い慣れた大学のキャンパスを歩くかのように、路地から路地へと軽快に案内してくれるTakaさん。そんなTakaさんのダウンジャケットの背中は、ツアーの最中に立ち飲み屋の赤外線ヒーターで燃えてしまい、羽毛を撒き散らせながら歩くようになった。それが妙に町の風景と合い、羽毛が舞う度、笑い転げる参加者たちであったが、いつしか自分にはその羽毛が、ゲストを新しい世界へ誘ってくれる「天使の羽」のように見えてきたから、きっと相当酔いがまわってきたのだろう。

正直、Takaさんとはお互いに体験を始めて間もない頃から親交があり、体験内容も聞いて知っていたつもりであったが、聞くのと参加するのではこんなにも違うものかという驚きがあった。これだから、体験参加はやめられないと思う。

【Takaさんへのインタビュー】
「体験ホストを始めて変わったこと」
普通の日常生活の中で、日本文化のコンテンツに対して、外国人に受けるかどうかで見るようになった。

「体験ホストを始めてよかったこと」
自分が成長できたこと。長く会社員をやっていると、会社内では成長の機会は少なくなるが、エアビー体験では成長がある。酔ってても英語で喋れている自分への発見とか。

【外国人ゲストのレビュー】
タカヒコはとても素晴らしく、情熱的なホストでした。私はもともと夫と一緒に行く予定でしたが、彼が病気になったので、私は一人で参加しました。タカはこのことをとてもよく理解してくれ、大阪の地元のスポットの素敵なソロツアーをしてくれました。もしあなたが大阪のディープスポットと、大阪の本当の素顔を垣間見たいのであれば、絶対にオススメの体験です。 (ルーシー)

(原文)
Takahiko was very nice and an enthusiastic host. I was originally supposed to go with my husband but he got very sick, so I went solo. Taka was very understanding about this and gave me a lovely solo tour of some of the local spots in Osaka. Would recommend if you want a glimpse of some of the seedier local spots and to meet some real characters!


関西エアビー 体験 取材その2 「ガイドブックには載っていない神戸 塩屋」


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