真空竜巻旋風脚

昨年の今頃、私は「もう勤労の意思はございませんので、マーシャルアーツで食います」とnoteで宣言し、精神はすっかり毎日家にいるのだが、奇妙なことに体が会社にいる。精神と肉体の二刀流である。かんばしくない状態である。

この3月、私は「こんなのってないよ。打破しなきゃいけないっしょ」と、オモコロを2本書いて、文章の賞レースに百枚書いた。その賞レースは一番面白い文章を書いた人に百万円くれると謳っていて、銭と名誉に目がくらんだ私は必死こいて文章を書いてみたのだけれど、今月、人生で一番大きな買い物があって、それが七十万円だった。もし、万が一、あんたが最も面白いっすよ、と認められて百万円を賜ったとしても、プラス三十万円の収益にしかならない。税金のこととか考慮に入れられてないし。というか、車とか家とかあるじゃないですか。あれってカネ、もっと費うじゃないですか。どないなってまんの。どうにかして売れなければならんのだけれど、いち会社員、いち労働者の「売れる」ってなんですか。本来は、昇進昇格とかになってくると思いますが。安くても生きてるより、高価な墓石を建てるほうが素晴らしい。

 『作家の読書道』というWEB本の雑誌のサイト内にあるコーナーをたまに読んでいる。その中で、高瀬隼子さん、という芥川賞を獲った作家さんが「今でも兼業している」と話していた。確かにR-1を獲ったやまもとまさみはいま、移動クレープ屋かなにかをしているらしいが、あんたの文章がすごい。日本一。オーサム。ヴンダバー。と認められてなお勤労にいそしむ人がいるらしい。信じられない。高瀬さんの場合は、そのほうが気が楽ということもあるのだろうが。

とにかく、畢竟、書きまくるしかないのだろう。しかし、自分自身の原動力は「ストレス」であると確信していて、一切解き放たれてしまった場合、自由の翼が生えてしまった場合、それでもまだ書きたいことってあるのだろうか。怒りの矛先を向ける対象が無くなることは果たしてあるのだろうか。そんな心配をするのはずっと先の話ではあるけれど。たぶん大丈夫だろう。行政とか手続きとかにキレてるよ。おそらく、いやきっとお前は。

 令和5年度(3月まで余裕見てください。お願いします)中には、商業誌になんらかの形で関わりたいことよ。と、漠然と、漫然と考えている。それが、ゴシップだとしてもヘビーポルノだったとしても。半熟卵の天ぷらが食べたい。春。


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