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尻ペルソナ理論。

尻、臀(しり、英: buttocks)とは、一般に四足動物(特に哺乳類)における胴の後方(ヒトのような直立動物においては下後方)、肛門周囲の部位のこと臀部(でんぶ)。
Wikipediaより引用

ペルソナとは、自己の外的側面。例えば、周囲に適応するあまり硬い仮面を被ってしまう場合、あるいは逆に仮面を被らないことにより自身や周囲を苦しめる場合などがあるが、これがペルソナである。
Wikipediaより引用

 21歳の夜、なんとなく受けていたWEB合同説明会での出来事だった。まぁ大学主催なので当然だが友達の女の子がWEB会議のギャラリーに映っていた。

 数時間かかった説明会の後LINEが来た。真面目な格好してるの笑いそうになった。そんな話から少し電話をすることになった。あっけらかんとした人なので性愛の話もするのだが、好みのタイプの話から、酸素とタメを張るくらい昔からあるあの話題になった。

 『お尻派?おっぱい派?』

 皆さんも幾度となく出会ったであろうこの話題に正直正解はないと思っている。思春期の恥ずかしさを込めた逃げの一手、どっちも好き。から、女を知った日、恥じらいを捨てた日から堂々と答え始めたお尻。おっぱい。

 皆さんはどちら派だろうか。

 ちなみに私はお尻派だ。3日間の断食の後、食事と尻どちらを取るか聞かれたら尻をとるだろう。「お風呂にする?ご飯にする?そ♡れ♡と♡も♡、、、」

「尻だ。」

 その子はおっぱい派だった。正直なぜおっぱいなのかはよく覚えていないが可愛いとか、尻より綺麗とかそんな感じだったと思う。当時の私は楽しそうにおっぱいを語る彼女になんとかして私の尻への情熱を伝えたかった。基本的に会話において人の話を最後まで聞くことを信条にしている私はその子のおっぱい談義を聞きながらどうにか尻派を勝利に導く方法を考えていた。この時点で私の脳細胞は相槌にリソースの2%ほどを残し、98%はいかにして尻への愛をインパクトのある形で伝えるかにギアをシフトした。

 まず、尻は綺麗だ。美しい。だがこれではおっぱい派の言い分と違いがない。次により性的だ。見るにしても服越し、生、と大きく変化がある。触るにしても見ながら触るも良し、見えない状態で触るも良し、、、いや、生々しすぎて女性相手にできるものではない。あとはなんだ、一体何がある、俺の尻への愛を伝えるためには、、、、

 この時点で慣れないスーツを着て数時間座りっぱなしだった私の尻は岩のように固まっていた。そんな尻の感覚が思考のギアを落とし、私のシナプスを横道へ接続した。

 尻がいてぇ、ずっと座っていたからだな。そういえば今日は家から一歩も出ないで座ってただけだな。ちょっとほぐしたいし電話切ったら筋トレでもするかな。

 ・・・これだ。私の思考はトップまでギアを上げ、シナプスは急カーブして本線に接続された。

「わかる、おっぱいも確かに素晴らしい。けどおっぱいってさ、脂肪じゃん?だから生活習慣で大きな変化はないわけ。遺伝的なものが大きいと思うんだよ、あるものを愛する必要があるっていうか。そりゃ形とかは大胸筋鍛えたり補正下着つけたりしたら変わるけど結局は生まれたままの姿じゃん?けど尻はさ、筋肉なんだよ。構成の大部分が。脂肪が付いたりすることもあるけど尻は筋肉。下半身の要だよ。今こうして椅子に座っているのも尻があるおかげなのよ。で、尻ってさ、人によってすごく違うじゃん?アスリートはキュッと引き締まってるし、事務作業で座ってばっかりの人は潰れてくたびれた尻してるじゃん?お相撲さんは大きな筋肉の塊になってるし、赤ちゃんはプルプルだよ。これだけ違うのはね、尻っていうのはその人がどんな生活をしてるかを如実に表してるの。しかもおっぱいと違って鍛えることでいくらでも形も大きさも変えられるからね。モデルさんも重点的に鍛えるのは尻なのよ。言ってしまえば鏡よ。尻は鏡。もう一つの顔だよね。俺はね、尻から見えるその人の人生を見てる。俺のエロは表面的なものじゃないンだわ。尻は入り口に過ぎない。」 

「これはもう理論だね。そう、尻ペルソナ理論。」

 自分で言っていてあまりにも気持ちが悪かったので笑いが止まらなかった。私はきもければきもいほどいいと思っているので電圧が下がったシナプスと手から引いていく汗の感触が爽快で気持ちよかった。電話口の彼女は大笑いしていた。電波の届いた先にいたのが彼女で本当に良かったと思う。

 結局尻への愛と言うかエロへの圧で私が押し切ったのでこの談義の勝者は私と言っていいだろう。

 かくして私の尻ペルソナ理論は誕生したのであった。


尻ペルソナ理論
尻ペルソナ理論とは、尻は大部分が筋肉であることから人の生活習慣が反映されることを根拠とし、尻はもう1つの顔であるとした理論。自己の外的側面を表すペルソナと臀部を意味する尻を繋ぎ合わせた造語である。
Wikipediaはまだない。

「お尻派、おっぱい派」談義は、そもそもどっちも好きという前提があって成り立つものです。個人の主義思想を尊重しましょう。
文中のように勝利を求める言動は絶対に真似しないでください。

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