お風呂禅問答
「お風呂って暇だよね」
友人の一言に僕は衝撃を受けた。
僕は温泉も銭湯も自宅の浴槽に湯を張るのも好きだが、友人は「お湯に浸かる」ことが面倒臭いらしい。
「お風呂で何してるの?」
そう言われると難しい…
確かにお風呂に入ってはいるんだが、何をしてるかと言われるとボーッとしてるだけなのだ。
「何にもしないをしてるんだよ」
プーさんの哲学が脳裏を過ぎる。
「お風呂に入ってる」ってことをしているってことは確かに何にもしてないんだよなぁ。
とそんなことを考えながら風呂に入ってる現状。
「あぁ、お風呂で考え事してるんだ」とひとつ答えを出した。
風呂に入った僕は思考が止まらない。
数珠繋ぎに次から次へと思考を巡らせる。
そういえばこの前錦糸町の銭湯に行ったときに、相変わらずボーッとしてた。
「俺は尼崎から来た人間だから入れ墨は見慣れてる、入れ墨入ってるからって悪い奴らばかりじゃないぞ!」
と知らないおじさんに急に言われた。
死ぬほど擦られた意見で感想も反論も無いし、僕が「入れ墨に偏見がある」と言う偏見をぶつけられ一人風呂を台無しにされた。
台無しにされたと言えば、この前いつものように立ち飲み屋さんで飲んでいたら20代前半の女性が
「一人で飲み来たの初めてです。私の常識では考えられない!!!」
とウキウキと話していた。
そんな ”常識では考えられない出来事” 的なアンビリバボーな事が起きてると言われるとほぼ毎日この店に来てる僕はもうアンビリバボーを感じなくなっている。
彼女はまったくもって悪くないが、僕の感覚は衰えてしまったのだとショボくれながら店を後にした。
この手の事が起きるときはいつも一人だ。
一人だと隙ができるのか、変なおじさんに話しかけられる。
一人だと変に周りを気にしすぎてしまい、見なくてもいいものを見てしまうのかも。
今回の結論としては「一人で居ないこと」だとなんとなく答えを出す。
お風呂が一番一人なのだからこんな場所にいちゃいけない。
ささっとこんな場所から出ていこう。
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