哲学に関するメモ(11) 【古事記・日本書紀】

本メモは哲学の基礎的な内容に関するメモです。

1. 古事記・日本書紀

…日本の神話
→日本の誕生・天皇の誕生について説明する、天皇が特別な存在である根拠を説明する
→日本人らしさ・日本人の精神性が示されている可能性

1-1. 神話
…世界の始まり・世界に現れた物事がどういった意味を持っているかを説明する物語
→民族・国家のあり方について考えている物語
→天皇が日本国の象徴であり日本国民統合の象徴とされている根拠
→神話をそのまま歴史的事実として捉える訳にはいかないものの、神話が全く無意味なものであるとはいえない、天皇の地位などの根拠は究極的には神話に求めるしかない
→多神教の民族では神話は聖典に匹敵、
神話が伝えられなければ民族はアイデンティティの基盤を見出せない

1-2. 古事記
…全体が 1 つの一貫した物語として語られる
→和化漢文で書かれる、正規の漢文にない用語・文法が使われる、
読者が日本の人だけ想定されていた可能性、天皇のために作られたのでは？
→神話・初代の神武天皇〜15 代の応神天皇・16 代の仁徳天皇〜推古天皇、
神話について詳しく書かれている

1-3. 日本書紀
…全体が複数の物語の総体として語られる
→歴史物語であると同時に学術書のような形をとる
→漢文で書かれる、読者が中国・朝鮮の人も想定されていた可能性、出雲神話は語られない
→神話・代々の天皇、代々の天皇について詳しく書かれている

1-4. 世界の始まり
…神話において最も重要なテーマ
→世界が始まった時の混沌の中からカミが現れた、共通している

1-5. 古事記での世界の始まり
…3体のカミ、アメノミナカヌシノカミ・タカミムスヒノカミ・カミムスヒノカミ、配偶者がいなかったため身を隠してしまった
→イザナギ・イザナミ、アメノヌボコという矛を与えられる、
アメノウキハシに立って矛で海をかき混ぜて引き上げると塩が滴ってオノゴロジマができる、アメノミハシラ・ヤヒロドノという柱・家を建てる
→イザナギ・イザナミはセックスで国土を生もうとする、骨のないヒルコが生まれるが葦の船で流す、アワシマが生まれるが子供には入れない、セックスが罪深い行為とされていない
→アマツカミに意見を求めると男から先に褒めろと言われる
→淡路島・四国から始まって次々に国土が生まれる、九州・壱岐・対馬・佐渡・大倭豊秋津島(本州)、大八島国が成立し日本が誕生

→イザナギ・イザナミは自然を象徴する神々を生む
→ヒノカグツチノカミ、イザナミは性器を焼かれて病になり亡くなって黄泉の国へ、排泄物などから水・作物・粘土・金属の神が生まれる、神の死が描かれる点が特徴的
→イザナギはトツカノツルギでヒノカグツチノカミの首を切り落とす、雷・山・剣の神が生まれる
→イザナギはイザナミを迎えに黄泉の国へ行く、
帰る時にイザナミの姿を見てはいけなかったもののイザナギは我慢できずにのぞく、イザナギは黄泉醜女に追われなんとか逃げて岩で黄泉の国の入り口を塞ぐ、死後の世界については明確にはされていない、黄泉の国は死者が行く国なのかは明確ではない、イザナギ・イザナミ以外に黄泉の国に行った者がいない
→イザナミは 1 日に1000 人殺すと言う、イザナギは1日に1500 人生むと言う

→イザナギは阿波岐原で身を清めて神々を生む、
左目を清めた時にアマテラスが生まれ高天原を支配するよう命じる、
右目を清めた時にツクヨミノミコトが生まれ夜の食国を支配するよう命じる、
鼻を清めた時にスサノオが生まれ海原を支配するように命じる
→スサノオが物語の主役になって活躍、死んだ母のイザナミが恋しくて泣く、
自分の意思を伝えようとアマテラスに会いに行く、アマテラスは武装して構える
→謀反の気持ちはないという証明として天安河を挟んで誓約、
アマテラスはスサノオのトツカノツルギを噛み砕いて霧を噴くと
タギリヒメ・イチキシマヒメ・タギツヒメが生まれる、宗像三女神、
スサノオは勾玉を受け取って噛み砕いて霧を噴くと
アメノオシホミミノミコト・アメノホヒノミコト・アマツヒコネノミコトら 5 体の神が生まれる
→スサノオは勝ったとしてアマテラスの田を壊して埋める、新米を食べる御殿に糞を撒き散らす
→アマテラスは可愛く思って許す、スサノオは調子にのる、
衣を織る小屋に馬を投げ入れて織女が亡くなる→アマテラスは天岩戸に閉じこもる、世界が闇に包まれたため神々は賑やかなお祭りを行う、
アメノウズメノミコトがストリップ、アメノタヂカラオノカミが無理矢理アマテラスを外に連れ出す
→スサノオは追放され出雲国に流される、クシナダヒメに出会う、
ヤマタノオロチを退治してクシナダヒメと結婚する、クサナギノツルギが出てくる
→ヤシマジヌミノカミが生まれる
→オオクニヌシが生まれる、6代後の子供、伊勢神宮ではアマテラスが祀られている、八坂神社ではスサノオが祀られている
→出雲神話へ

1-6. 出雲神話
…オオクニヌシが物語の主役となって活躍、古事記の43％を占める
→白いウサギと出会う、サメを騙して皮を剥がされる、アドバイスで元通りになる、ウサギの予言
→オオクニヌシがヤカミヒメと結婚する前の試練、ヤソガミはヤカミヒメとの結婚を拒まれたためオオクニヌシを騙されて殺される、
サシクニワカヒメがカミムスヒに頼んでオオクニヌシは救われる
→オオクニヌシはスサノオのところに行く、スサノオの娘のスセリヒメに一目惚れをして結婚の約束をする
→スサノオの試練、スセリヒメ・ネズミに救われる、オオクニヌシはスサノオから逃げる、芥川龍之介も描く
→オオクニヌシはスサノオに命じられた通りに弓矢で兄弟を成敗しヤカミヒメと結ばれる、スセリヒメが恐ろしくヤカミヒメは生まれた子供と稲羽に戻る
→オオクニヌシはスクナビコナと兄弟になって国を作る、
スクナビコナは亡くなり三輪山の神を祀って一緒に国を作る
→アマテラスは日本をアメノオシホミミが治めるべきだという、
アメノホヒノミコトを遣わすがオオクニヌシに媚びて戻らない
→アメノワカヒコを遣わす、オオクニヌシの娘のシタテルヒメと結婚したが戻らない
→タケミカヅチノオノカミ・アメノトリフネノカミを遣わす、オオクニヌシの息子のタケミナカタノカミと力比べして勝つ
→オオクニヌシは国を譲る、立派な宮殿を建ててくれその代わり自分の子の神々はきちんと仕える

→アメノオシホミミにニニギという子が生まれる、ニニギに国を治めさせる、三種の神器
→ニニギは日向に向かう、コノハナサクヤヒメに一目惚れをして結婚しようとする、イワナガヒメとも結婚させられようとする、イワナガヒメは醜かったので返す、イワナガヒメは命が長く続くように遣わされていたため代々の天皇の命は短いものになった、アメノホアカリ・ホスセリノミコト・ホオウリノミコトが生まれる

→ウミサチヒコ・ヤマサチヒコ、兄弟は漁と猟を交換、
ヤマサチヒコは海でウミサチヒコの釣り針をなくす、シオツチノカミが綿津見神宮に導く、トヨタマヒメと結婚する、地上に戻って釣り針を返す、
ウミサチヒコは貧しくなって攻めてくるためヤマサチヒコはウミサチヒコを倒す
→トヨタマヒメがウガヤフキアエズを生む、
見ないでと言われたもののヤマサチヒコは見てしまうためトヨタマヒメは帰ってしまう
→ウガヤフキアエズはタマヨリヒメと結婚する
→神武天皇が生まれる

1-7. 神武東征
…神武天皇が物語の主役となって活躍、日向から東の地域の征服、
大和入りをしてナガスネヒコなどの豪族を倒して大和を平定
→吉備で国津神に出会う、サオネツヒコ
→ナガスネヒコに出会う、兄のイッセノミコトは命を落とす
→熊野で神の化身であるクマに出会う、正気を失うがフツノミタマで正気を取り戻して切り倒す
→宇陀でエウカシ・オトウカシに出会う、ヤタガラスを遣いに出す、
圧死させようと企みを施すも自分がかかって圧死
→土雲と言う 80 人の族を平定、ナガスネヒコも倒す
→ニギハヤヒノミコトがやってきて御子の証となる品々を神武天皇に献上、天下を治める

1-8. ヤマトタケルノミコトの物語
…ヤマトタケルノミコトが物語の主役となって活躍、景行天皇の子、残虐性が強く疎まれる
→熊曽国でクマソタケル兄弟に出会って刺し殺す、
ここでオウスからヤマトタケルと呼ばれるようになる
→山・河・海峡の神を平定して出雲国へ入る、イズモタケルと友達になってから殺す、
方法はともあれ自らの力で試練を克服する
→戻った後は東を平定しろと命じられる、ヤマトヒメに助けられる
→足柄山で白い鹿となった神を殺す、吾妻はやと 3 度嘆く、我妻よという意味、東国を意味する由来
→甲斐国・信濃国・尾張国に入る、
クサナギノツルギをミヤズヒメに預けて伊吹山の神を止めるために出かける、
白い猪、大氷雨でダメージを受けて亡くなる、
ヤマトタケルノミコトの魂は白鳥となって飛び去る、
戦いの中で亡くなってほしいという景行天皇の思いが遂げられる

1-9. 古事記の本格的な研究が始まったのは江戸時代から
…印刷された本が出回る
→本居宣長、古事記伝、起こる出来事はすべて神の心に基づくという考え方、源氏物語に興味を持って「ものの哀れ」という考え方を強調するようになる

1-10. 魏志倭人伝
…邪馬台国が大和朝廷とどう関係するかは書かれていない、
記録が欠けているということは戦争が発生していた可能性
→古墳にヒントがあるのでは？6 世紀になると奈良付近から前方後円墳が姿を消す、権力が畿内に集中するようになった、大和朝廷の成立を見ることができる
→国津神が征服されていったという物語は歴史を反映している可能性

おわりに

ここまでご覧いただき、ありがとうございます。
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