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美しい日本アニメ、ここに極まれり!〜平家物語〜

昨年は大河ドラマ『鎌倉殿の13人』について、2度書きました。

この大河ドラマは、源頼朝をはじめとする源氏と北条家の視点から平安時代末期、鎌倉時代が描かれていました。その源氏と対峙していたのが平氏ですよね。

源氏と平家だったらどちらが好きか?私の場合は源氏を応援しちゃう。
私の中でなんとなく平家って、京都の雅な感じで、お高くとまってて、

やな感じ!

だったんです。なんせ天皇家と繋がって政治を牛耳り、「平家でなければ人にあらず。」なんて、この世の栄華を誇ったのですから。

ただ、鎌倉殿の13人を見ていて「私ってあんまり平家のことを知らないかもな。」と思っていました。

そんな時、あまり知られていない歴史上の人物を詳しく紹介してくれるTikTokを見つけました。その歴史上の人物たちこそがまさに平家の人々だったのです。
色々と調べていると、そのTikTokで使用している音楽はアニメの主題歌とのこと。

アニメ?

平家物語の?

というわけで調べてみました。

主題歌を担当しているのは、ロックバンド、羊文学。サマソニのライブ映像を見た時からとても印象に残っているバンドです。

アニメは2021年の11月から放送されていたようで、現在はいくつかの配信で見ることができます。

ずっとずっと見たい!と願っていたアニメだったのですが、今回隔離期間中にたっぷり堪能しました♪

まず映像が本当に美しい。

合戦のシーンなどもありますが、雪の中に咲く椿がポタッと落ちるシーンや、厳島神社のシーンなど本当に美しいのです。
何か派手なことが起こるわけではないけれど、平家の人々にも日々の暮らしがあり、不安や悲しみなどの感情を持ちながら生きていたのだなぁと知ることができます。

アニメでは『びわ』という不思議な瞳(未来を見ることができる)を持った少女が語り部として登場します。

「平家物語」ホームページより

少女は目の前で父親を平家のものたちに殺されますが、ひょんなことから平重盛(清盛の息子)に拾われ、生活を共にすることになります。

この重盛という人が、驕り高ぶっていた平家一門の中で、ものすごい人格者! この人が生きていたのなら、平家の滅亡を止めることができたのではないかと思います。

病により重盛は亡くなりました(残念)


都ではやりたい放題、栄華を極めて向かう所敵なしの平家一門。しかしそんな平家が向かう先が「滅び」であることをびわは自分の瞳を通して知るのです。

次第に翳りを見せる平家一門。

大切な人たちが次々に死んでいく中で、
自分にできることは何か。
びわがたどり着いた答えは、「平家一門を最後まで見届けて、語り継ぐこと」だったのです。

有名な壇ノ浦の戦いのシーンでは、幼い安徳天皇が祖母に抱かれ入水するシーンが描かれています。この場面は本当に平家の終焉なわけですが、アニメなのになんだか泣けてくるのです。

清盛の娘であり、安徳天皇の母であった徳子もまた、息子を追って海に身を投げますが、沈む寸前のところで引き上げられ生き延びます。

この徳子は壇ノ浦の戦いの後出家し、亡くなったものたちを弔い、祈りの日々を送ります。生きながらにして天国と地獄を味わった徳子。その数奇な人生は悲しくもあり、儚く美しくもありました。


ところで、平家物語というのは琵琶法師が弾き語るというイメージが私にはありましたが、皆さんはいかがでしょう?

このアニメでは、時折真っ白な髪に美しい着物を纏う女性が登場します。

びわでしょうか?

作品中、他の子供達は成長するのに対し、びわは一切成長しません。時々上記のこの女性が琵琶を弾きながら、物語が進んでいきます。

びわが成長しないのはなぜだろう。
彼女は源氏でも平氏でもない、第三者なのですね。変化しない視点を通して、平家物語を語り継いでいく。そういった意味合いがあるのかなぁと思いました。


平家の最後を自分で目で見届けて、語り継ぐこと。
現代まで語り継がれている平家物語を、びわという名前の少女に語らせるという設定は、斬新で面白いです。

こんなに美しいアニメがあったのか、と見終わった後はなんだか放心状態になりました。日本のアニメはかなりレベルが高いですが、800年前のお話をここまで高められるのってすごいです。

これまであまり知らなかった歴史の側面を知ることができるし、娯楽としても十分楽しめます。ご興味のある方はぜひ探してみてくださいね。



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