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南仏マダムは小粋で底抜けに明るい、その理由は太陽にあり?

これまでフランスのいくつかの街に住んだり旅行をしたが、私の中でパリは1番ではない。
おしゃれで観光名所がたくさんある素敵な場所だが、留学時に色々と手厳しい洗礼を受けた場所でもあるので、私はパリに行くと緊張する。

その点、フランスで初めて訪れた南フランス、特にプロヴァンスやコートダジュールは、私が世界で最も自分らしくいられる場所である。

そんな思い出の地・南フランスで、武者修行のため3ヶ月滞在してから、この3月で丸10年が経った。

この頃は全然困らないくらいフランス語ができたので、私は1人で南フランス中を歩き回り、たくさんの人たちに出逢った。特に南仏で出逢った女性たちは本当に魅力的だったので、10年目の今、その魅力を振り返りたい。


まず私はホストマザーからたくさんの影響を受けた。
南仏生まれ、南仏育ち。とにかく豪快な女性でおしゃべり大好き。二度の結婚をし、私が滞在中に「あ、ついこの間旦那と別れたわー。ははは!」と明るく報告してきて度肝を抜いた。

みんなの太陽みたいな人。
親切で優しくて、前向きでパワフル。
彼女とずっと一緒に生活していたので、数ヶ月足らずで私はすっかり感化されてしまった。

そんな彼女と郵便局に行った時のこと。

「zoé、あのカウンターの女性を見て。自分の素敵なところをわかっていて、すごくチャーミングだと思わない??あれが南仏の女なのよ。」

と言われた。

彼女はお客さんのことではなく、郵便局の職員のことを話していた。

その女性は私から見てもすごくキラキラしていた。

日本だとぽっちゃり…と言われる体型なのだけれど、彼女は自分が最も自信があるデコルテを大胆に出し、綺麗な赤色のルージュをつけて接客していた。日本だったらあんな格好で窓口に立っていたら絶対に苦情が来ると思う。

その姿は全然いやらしさがなく、溌剌としていて笑顔がすごく可愛い。

南仏についてまもない頃だったが、彼女のことを南仏の太陽みたいだと思って、よくその郵便局を利用するようになった、

日本人はパリにばかり気を取られすぎだが、南フランスにはニースをはじめ、カンヌ、モナコ、エクス、サントロペなど高級でお金持ちが多い地域がいくつもある。

私がカフェやバスの中、ビーチでおしゃべりをしたマダムたちは、どの人も上品で知識が豊富。そしておしゃべり上手な人が多い。
年配の方もチャーミングで、可愛らしい印象だ。知的でコケティッシュな魅力も持っていて惹きつけられる。

そして絶対的に持っているものは、人生を謳歌する前向きな気持ちと余裕である。

カンヌのビーチにて。
ここで夕陽が沈むまで1人のマダムと人生について語り合った。「もっと人生を楽しめ。」とアドバイスされた。
ニース名物。果物の砂糖漬け。


南仏の女性たちがあまりにも明るくて魅力的なので、どうして?とホストマザーに聞いてみた。


そりゃぁ、太陽ソレイユがあるからじゃない??


世界中太陽はどこからでも上がるけど、同じ太陽でも私が住んでいたパリと南仏では太陽が全然違う。

カラッとした気候に燦々と降り注ぐ太陽。太陽を避けるのではなく、常に浴びていてこんがり小麦色の肌が南仏女性の魅力の一つだ。私もその例に習って、夏になるといつもこんがりしている。

太陽のように明るくて、人生を謳歌している南仏の女性たち。太陽のなせる技なのか、身も心も開放的で一緒にいて気持ちがいい。
自分らしさを忘れず、人生の格言をいくつも持っていて、それを体現している人たちを南仏では多く見かけた。

私もそんな女性になりたい。

けど日本にいると、未婚で子供を産んでいない私はなぜか肩身の狭い思いをする。
そして平均でいなければならないという日本独特の同調圧力で押し潰されそうになる。

辛くなった時、いつもこの写真を見て南仏を思い出す。私が私を取り戻せる場所が南仏だ。


日本の同調圧力に屈することなく、私が10年前に体験した南仏女のエスプリを忘れずにいたい。


南仏の太陽になれなくても、周囲の人を明るく照らすそんな人になりたい。


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