見出し画像

手間はかかる、でも生きるってそういうこと

私はコロナ禍に入った2020年から『今日のルンルン』というYouTubeチャンネルを毎日見ています。

グレートピレニーズというヨーロッパ原産の大きな犬3頭を、長野県の広大な家で飼われているルンルン一家。
今では超有名なわんちゃんたちになってしまい、毎日欠かさず見ている視聴者としては、親戚の子が有名になった感じでとても嬉しいです。

ルンルン家にはもうすぐ13歳のルンルンと、8歳のアラン、1歳のベルという3頭がいます。
一番高齢のルンルンは、昨年の秋ぐらいから後ろ足の力がなくなり、自力では立てなくなりました。
これだけ大きな犬ともなると介護も大変だなぁと思いますが、そんな介護の様子をちゃんと見せてくれていて、これから犬の介護が必要な方にとっては有益な情報なのではないでしょうか?
ルンルン家の人間のお父さんやお母さん、お兄さんは常に犬たちの目線に立ち、犬たちが快適に過ごせるように様々な工夫をされています。

例えば、散歩に行けなくなったルンルンを他の愛犬と同じ目線で散歩ができるように荷台車に工夫を凝らしたり、オムツが見えないようにスカート型の掛け物をしたり、少しでも歩ける力をサポートしたいと犬用車椅子を作成したり、それはそれは献身的で頭が下がります。

すでに記事が削除されているのでご紹介できないのですが、読売新聞地方版でルンルンのお父さんが犬たちの世話についてこう仰っていました。

「手間はかかる、でも、生きるってそういうこと。」

人間でも犬でも猫でも、なんでも生きていくには手間がかかる、でも生きるってそういうことなんだと、当たり前のことなのになんだかハッとさせられます。

以前の記事にも書いたのですが、私の父とルンルン家のお父さんはなんとなく重なるところがあります。父も犬を愛し犬から愛される人で、我が家の愛犬が快適に過ごせるようにさまざまな工夫を凝らしていました。
密かに私は愛犬のことを『姫』と呼んで嫉妬していたのですが、両親が遠くに旅行に行くときは、関東からわざわざ有給をとって私が駆けつけて、姫の世話をしたりしたものです。

いつも犬目線。

人間のように話せないし、10年余りの短くて小さな命だからこそ、人間に合わせるのではなく、犬たちに合わせて、時には人間も我慢や諦めが必要なこともあると思うのです。

犬が大好きな父ですが、それでも犬を人間だと思っていたことはないと思います。人は人、犬は犬。
違う種だからこそ犬という生物を尊重していたと感じています。

最近話題になった『ペットを機内に入れろ』問題。私はペットを機内にという以前に、ペットを飛行機に乗せない努力が人間には必要なのではと思っている派です。
人間ですら耳がキーンとしたり、揺れで吐きそうになったりする時があるのに、ペットの小さな体にどれだけの負担がかかるのだろうかと思っています。
ペットの立場から考えて果たしてその旅行は飛行機である必要がありますか?と問いたくなるのです。

大切な家族だからこそ小さな命を守りたい、危険に晒したくないと私は思います。そして今の自分は犬に精一杯の手間をかけられないから、犬を飼うという選択肢はありません。

(ついでに言わせてもらうと、今回能登半島地震や日航機と海保の衝突事故でたくさんの尊い命が失われたにも関わらず、ペットを機内に!と不要な論争を投げて放置した有名人の方たちを(私の中で)残念な人たちに認定しました。あんな不毛な論争で被災地の現状を伝えるニュースが見落とされたわけですし、被災している家族がいる者として未だに強い憤りを感じています。)

道を歩けばたくさんの犬たちを見かけます。その犬たちもいつかは人間と同じように老いて歩けなくなる時がきます。

最期まで命を大切にする。昨今のペットブームにおいて、その覚悟も必要であるとルンルン一家を見ながら思うのです。

小さな命を大切にするってどういうことなのか、今一度私たちは考える必要があるかもしれません。



サポートしてくださるとめちゃくちゃ嬉しいです!!