階段を下っているようで、上がっている
ある日カウンセリングの先生が私にかけてくれた言葉だ。
人間なので、どうしても気分や体調の波がある。階段を一段降りているような辛い時期でも、それは次のステップに行くために必要なことだ。
そしてまた階段を登り始める時には、知らず知らずのうちに次のステージに上がっている。
私はこんなことを繰り返しながら、確実に恢復しているのだ。
もしかしたら昔の記事で紹介したかもしれない。
だが、私が以前講演活動をしていた時にいつも紹介していた文章がある。
それはノーベル文学賞を受賞した、大江健三郎さんのエッセイ「恢復する家族」の中の一節である。
もともとは、緩和ケアをはじめとするエンドオブライフケアに携わる看護師養成プログラムの中で学んだことだった。
その一節はこうだ。
「自分らしさ」という言葉は言うのは簡単だ。だが実際私自身「自分らしさ」が自分でわからない。
私は若い頃から生きづらさや自分の人生に起こったことをうっすら認識してはいたものの、トラウマとなったことを全て思い出したのは実は40代に入ってからだった。これまで記憶に蓋をして、なかったことにしていたのだ。
トラウマという「新しい困難な仕事に取り掛かる」今、自分らしさが最も出ているのではないかと思う。もがき苦しみ、泣きながら、それでも前に進もうとする強さ。みっともない姿を晒しながら、それでも生きようとしている。
それが私なのだ。
韓国のアーティストTABLOの本について先日書いたが、時々読み返している。
この本の中でとても印象的な文章がある。
「zoéさんに起こったことはあなたの人生の一部でしかない、それがあなたの全てではないよ」「zoéにはいいところがたくさんあるよ」と寄り添ってくれる友達がいることに改めて気がついた。そうやって私はまた恢復していく。新しいステージにまたひとつ上がるために・・・・。
(追記)
3月7日noteからお知らせが届きました。ありがとうございます。
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