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ロールプレイと現実が交錯して変化する【シナリオ通過後の弁】

どうも。
「影石」じゃない方の直也です。

パーツがTRPGしに行く企画が進行中

クトゥルフ神話TRPGのシナリオ「ソープスクール」を遊んできた。

いつもTRPGを遊んでいるのは翔なのだけれど、その「面白そう」な感じに亜麻が魅かれて遊びに行き(「キルキルイキル」)、僕も興味が湧いたので行ってきた次第だ。

ちなみに2人をそのまま落とし込んだような探索者は様々な出来事の末にロストしており、探索者が生還したのは僕が初めてである。南無。


僕たちパーツの面々がTRPGに行くきっかけになった思案は以下の記事をどうぞ。

ロールプレイから学んだことあれこれ

※この記事内で「ソープスクール」のネタバレに触れるような記述は避け、必要最低限概要に触れるのみとした。
未通過の方も安心して読み進めてもらえればと思う。

今回の探索者について

まずは話を分かりやすくするために、僕の探索者「影石直也」について書いておく。

影石直也32歳。国語の教師をしている。
技能「目星」「図書館」「心理学」あたりが高く、あまり他人を信用しない人間だ。

口数も少なく、秘匿のハンドアウトをいろいろ抱えているので、始まる前はこれまでの経験にない圧倒的闇属性のキャラクターになると思っていた。
翔がロールプレイのとっかかりに困っていた。

結局、いざ始まれば僕が基本的にセリフを言って行動宣言をし、後ろで翔が補佐するスタイルになったのだが……。

不快な話題に当たった時の対処

「ロールプレイング」という手法は心理療法の手段のひとつでもある。

……と、いうことをはっきり意識する体験があったので共有したい。

シナリオ内で探索中、他の探索者が僕(の探索者)に対して不快な話題を振ってくるという出来事が起きた。

普段の主なら無理をして多少の自己開示をし、その場を収め、ひとりで疲弊してしまうところ。

しかし僕は「ここにいる全員はロールプレイをしており、またそうすることが推奨されている」のがTRPGの環境だと考え、慌てふためく主を後目にまったく違う行動を取った。

生まれて初めて、他人からの問いかけを無視して先へ進むことにしたのだ。

実際にしたことはパソコンの前に座り、マイク越しに「じゃあ○○先生の言葉には何も反応せず、次のとこ探索しに行きます」と行動宣言した。

が、PLの皆さまの想像内で動き回る影石直也は、綺麗なスルーを決めてスタスタ歩いて行ったことだろう。

自分(影石)の心を守りきった感覚、削り取らなかった感覚の優しさには驚かされた。

今回はシナリオの特性もあってギスギスするのが許されていたこともあって特に極端な行動となったが、「不快な話題には反応しない、という選択肢」の存在と、実行できることが体感できたのは大きな学びだった。

現実で初めてのことに挑戦するには勇気が要る。
だからロールプレイができる空間で、練習のように試させてもらえたのがとても良かった。ありがたい。(スルーした先生すみません)

気分の不快に気づきやすくなった

影石には「不快な出来事に直面・心情が発生」した時、噴出しそうになる感情をこらえるため無意識に拳をきつく握ることがあるという設定を乗せていった。

これは当初、本当に設定に過ぎず、「たぶんこういう反応をするのが自然だろうな」と思って気軽につけたものだった。

……のだが、現実世界の僕が最近これに助けられている。

自分にあまりにも近い探索者を作ったからなのか。意識なく自然な形で、僕も不快な事象に直面した時にきつく手を握るようになったのだ。

解離により身体感覚が希薄なことが多いが、手をきつく握っている感覚には気づくことができる。
「手を握る」という目に見え、体感できる動作によって、「現在、自分に何らかの精神的ストレスがかかっている」ことを認識できるようになったのだ。

僕は我慢することに慣れてしまっているので、まず「自分は今、我慢している」ことに気づくのが難しい。
気づきやすくしてくれる癖を与えてくれた設定はものすごくありがたい。

影石のその後について

影石は一連の出来事を生き延び、日常に戻ってくることができた。

彼は年度末で教師を辞め、大学院に入って公認心理師の資格取得を目指して勉強することになる……というところを、シナリオのエンディングにしてもらった。

「影石先生好き」と言って貰えて

生還できたら退職・大学院進学しようというのは、シナリオの前半を遊んでいる時から決めていたことだ。

公認心理師の資格取得は、実はパーツとしての僕の願いでもある。

ただし主は高卒なので、僕が資格取得を目指すとしたらまずは大学受験から。計6年くらいはかかるだろう。

資格を取ったところでカウンセラーや心理職に就く気は僕にはなく、また僕は一人格にしか過ぎないので、主の人生の6年を費やすこと、一貫性を持って情熱を傾けられるかどうか分からないことなどから、挑戦しようか(しないが濃厚)迷っている道である。

だからこそ、固有の個性を動かせる「影石直也」という探索者には、僕の代わりに願いを叶えてみて欲しかった。


翔と亜麻が探索者の姿を借りて各々の個性を存分に発揮したのを見て、たとえ一時的にでも、主や他のパーツに遠慮しなくていい人生の疑似体験に味をしめている部分もある。

翔は振り切れるくらいの高いテンションを維持しても疲れないからだと、思うことをぽんぽん話しても良い環境、大事な親友を得たし、
亜麻は自分の好きなようにコーディネートした部屋と、同じく猫派の幼馴染、「雑貨屋で働く」という憧れの断片を得た。

そうして僕は誰かを救おうとすること、人と関わること、心理職に進もうとする可能性の追求を得た。

実際の僕は家ごもり・休養と知識の追求を主目的としていて人付き合いが異様に悪い自覚がある。30数人はいるだろう生徒たちの前で授業するなんてとても無理だ。

けれどもTRPGの中では、「授業分かりやすい」「今のセリフかっこよかった」「影石先生好きだわ~」などと言ってもらえて、描写のたった一言で「影石先生の授業風景」が形作られる。

ほとんど初めて、未だかつてないくらい大勢の前に出て、僕の在り方を認めてもらえた気がした瞬間だった。

急に水を差すようなことを言うと、所詮TRPGは遊びであり、ロールプレイは現実ではない。
だが前述の通りロールプレイは心理療法として使われることもあり、それで自信がつくのなら……良いんじゃないかと思う。



画像はPixabayからお借りしています。

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