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近況と、エッセイが書けない話

「エッセイが書けない」という文章が「書けている」、矛盾と不思議。

しかし、本当に書けなくなってしまったのである。


ほら、今だって画面の前に頬杖をついて思考する数分間。

2行目と3行目の間には、行間には現れない思考と手元の空白がある。


そしてまた空白。


けれど書き進められないからと言って、せっかく作ったこの記事を消してしまうのも惜しくて私は困ってしまう。


実はここ1ヵ月くらい、また新しいチャレンジに取り組んでいた。

トラウマから少しでも脱却するために行った「夕飯作らないチャレンジ」がなかなか良い結果をもたらしたので、もっと身軽になれるかもしれないと思って始めたチャレンジだ。

取り組んでいたのは「1ヵ月間小説を書かないこと」。

自分の読書の仕方、書き方、暮らし方の棚卸をして、今後も必要なことと、もうやめて良いこと、変えた方が良いことを総ざらいするため。

実はそれまで「エッセイは書けるのに、小説が上手くまとまらない」状態に困っていたのだ。
今後も書き続けていくために、そして小説がメインで在り続けるために、ここらで自分を見つめ直しておかなければならないと思った。


期間中は

  • 自然と書く気が起きるまで、小説は書かないこと

  • 毎日ヨガをすること(解離を抑えるため)

  • たくさん本を読むこと

の3つを主軸として暮らしてきた。


始めてから気づいたのだが、私のそこそこ丁寧な読み方では、1ヵ月に読める冊数は非常に限られていた。

チャレンジの中で「読む」と「書く」のよいサイクルを掴んだ手応えはあるので、期間終了後もこのリズムを続けていきたいと思っている。

食べることと違って読むこと書くことのチャレンジには、1ヵ月という期限は短かったようだ。


もし書く気になったら我慢する必要がないように、noteは「書かない」に含めなかった。
実際、チャレンジ期間中にもひとつだけ新しい記事を書いている。

でも書く気が起きたのはこの時ぐらいで、後は自然と起こってきた小説を下書きしてみたり、いろんな物語に触れてみたり、気になっていたアニメを一気見してみたり……創作物を「吸う」ことに時間と注意を向けていた。

結果、気づいたら、エッセイという形態の文章を書けなくなっていた。

書き方は分かっている。つい数ヶ月前に、何度も本を読み直して理解したから。
古賀史健先生の『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』(ダイヤモンド社)にはとてもお世話になった。

本の内容は覚えている。エッセイのスタイルのくだり。

書かれたことを参考に、自分なりの書き方を研究してあれこれ試したことも覚えている。

でも、そこまで。


どうやらこの間までエッセイを書いていたのは、誰か別のパーツだったようだ。

直也に「ほとんどそのまま投稿できるくらいの構成力」を与えていたのは、直也ではない誰か。

小説は書けるようになってきた「私」と、エッセイを構成し文章を考えていた「パーツ」は使っている思考の部分が違うらしい、意識を探ってもかすりもしない。

結果、再び小説が書けるようになり、「書き続けるには」の手がかりすらつかめた私は、代償のように「エッセイを構成し書き綴る能力」を失った。

本当はこの記事だってもっと構成を考えて、読みやすいように見出しをつけ書くことの順番を整えて……「きちんと」したい。

でも「きちんと」する方法が、分からない。
どう構成すれば「きちんと」するのか。どんな見出しで分けるのが良いのか、どんなタイトルがキャッチ―なのか。

だからほとんど思いついたままの順番でこれを書いている。今はそれ以外にどうしようもない。


「小説書かないチャレンジ」の間も、(主に表に出ている直也が)考えていたこと、感じていたこと、他のパーツについて気づいたことなんかは記録していた。
チャレンジ期間が終わったあと、エッセイにまとめてnoteに書こうと思って。

さっきひととおり読み返してきたけれど、どこをどう再構成すれば「読めるエッセイ」になるか、まるで見当がつかず参考にするのをやめてしまった。

記録したことの何を記事に書き、なにを書かないか。
あるいは何を、どう書くか。

記録の中から抜き出して再構成しようとすると、外に向けて発信する「自分」とそのままを書いた「直也の感覚」がねじれて相容れない感覚に陥ってしまう。どうにもうまくはまらない。


好きな小説の系統、ジャンル、読み方、主に読んでいた時期は、パーツによって違う。

誰が表に出ているかによって、思い出す「印象的な作品」は変わってしまう。他の本は、別の誰かが読んだ「概念だけ知っている作品」のように遠くなる。

どうやら本の印象や学んだことも、パーツたちがばらばらに持っているようだ。

私は私として、改めてスタイルごとに違う文章の書き方を勉強しなおさないといけないかもしれない。


そんな風に思った。



Jessie -ジェシー- 


サムネイルの画像はPixabayからお借りしています。


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