見出し画像

永遠じゃない本との向き合い方

こんにちは。Jessie -ジェシー- です。

ときどき考えることがある。

本って歴史の中で長く残る記録媒体だけど、それでも永遠じゃない。

売れない本は返品され、借りられない本は図書館の棚から消え、もし国会図書館が破壊されたら日本で発売されたすべての本は灰になる。インターネットが滅びたら電子書籍のデータは消えてなくなる。

『図書館戦争』の世界では本は規制の対象であり、
『華氏451℃』の世界では本は燃やされるべきものだった。

油断すれば起こりうるそんな世界に生きたくなくて、私は本を大切にする。
表紙やページの手触りを楽しみ、丁寧に読んで、また丁寧に棚に収める。

一方で本棚の体積と予算には限りがあって、私は形を失っていく本のすべてを救うことがどうしてもできない。


けれど、それを悲観するだけではいたくないと思った。


憂鬱になるのではなく、形を失ってなお残るものに目を向けていきたいということ。
そしてその波に乗って行きたいということ。

良い本や物語は、本という「肉体」のようなものを失ってもなお伝わり残っていくと思う。
人の生き様や魂と同じだ。

新装版が出たり、新訳版が出たり、古書店の一角で誰かに見いだされたり。
本がなくなった遠い未来、あるいは過去で、誰かの口から口へおとぎばなしのように語られたり。

ありとあらゆる方法で淘汰と風化の歴史にしがみつき、覚え続けられる話と人でありたい。


「形あるものはいつか壊れる」というように「諸行無常」というように。人の作る物質は永遠ではない。
物理的な形ですべてを保存しようとすることには、どうしても限界が生まれてしまうと思う。

でも、本当に大切なものは限界をくぐりぬけて生き残ると信じて。

足を止める理由にしたくないと思った。


画像はPixabayからお借りしています。

読んでくださりありがとうございます。良い記事だな、役に立ったなと思ったら、ぜひサポートしていただけると喜びます。 いただいたサポートは書き続けていくための軍資金等として大切に使わせていただきます。