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これからトビタつ、15期生の皆さんへ。1期生からのエールです。

今日は「トビタテ!留学JAPAN」15期の壮行会でした。コロナ禍で、一切留学に行けなくなった時期も挟んでの、トビタテ第2フェーズがいよいよ始まります。

第2フェーズの1期生ともいえる15期の皆さんを送り出す場で、卒業生代表のエールという大事な役割を担わせていただきました。

せっかくの機会なので、文字として残しておきたいと思います。数年後の自分が読んだら、ちょっと恥ずかしいんだろうな。

WELgeeや難民の課題でもキレキレの取材をしてくださってきた鈴木さんにもバッタリ!

数年後の皆さんは、飛び立つ前=今の段階で想像できる仕事を、してない可能性の方が高いです。

私もそうでした。

第1期、多様性人材コースの渡部カンコロンゴ清花です。

びっくりするかもしれませんが、1期の時期って誰も、「トビタテ」そのものを知らなかったわけなんです。

「奨学金返済一切不要」と書いてあって、わ、本当かいと、あやしいなと、スポンサーしている企業に吸い込まれる構造だったらどうしようとか思いながら(笑)、応募しました。

そこから9年、いま1万人近い卒業生がいて、トビタテって言ったら留学に興味あるほとんどの大学生が知ってて。こんな景色は想像していませんでした。事務局の皆さん、職員の皆さん、支援企業の皆さん、卒業してからもずっとずっと応援してくださり、本当にありがとうございます。

壮行会参加のために、地方の、留学する人もほとんどいない大学から、誰も知らない場に1人で来ることになった私は、東京のキラキラした大学生たちに囲まれて、正直、本当に居心地が悪かったことを覚えています。

私が滞在したのは、バングラデシュの先住民族の村でした。大学5年のとき。そこは紛争が終わったはずなのに、終わらない紛争地でした。「国家が守らない・守れない人たち」の存在に出会い、共に2年暮らした後半の、国連開発計画でのインターンをトビタテが後押ししてくれました。

軍事衝突により村が焼きうちにあう、国連は中立だと怒られる、自分でお金を日本から集めて、現地の若者たちと泣きながら食料を運ぶ…

国際協力?平和構築?途上国開発?
クーラーのきいた大学の教室で、これまで自分は何を、学んできたのだろうと。必死にもがいたけれど、無力さに打ちひしがれて帰国しました。

帰国後、もっと衝撃を受けました。
私がいたような紛争地や独裁政権から、どうにか命を繋いだものの、ほとんど難民認定されない日本で、宙ぶらりんに生きる同世代たちがいたのです。難民の若者たち。

無意識に「途上国のこと」と捉えていた自分は、何かに殴られたような感覚でした。ああ、これが、私の生まれ育った国なんだ。海外に行って、余計に好きになったはずの日本なのだと。

正しいかなんてわからない。ただ、等身大でいまそう思う自分がやらなかったら誰がやるんだろう、と気づけば走り出しており、今、難民のキャリアに伴走するNPOの代表をしています。

日本まで命を繋いだ人たちの、人生再建の選択肢を、日本の企業さんと一緒に作っています。
彼らの逆境パッションは、企業にも変化をもたらしています。

ただ、どのフェーズでもずっと、難しいと言われてきましたし、「とりあえず就職して社会を知るのがいい」というアドバイスもずっとありました。
社会ってなんだ?私が見たものも社会だったのでは?どこまで、まんべんなく全てを知ったら、動き出していいというお墨付きが得られるのでしょう。

実は、難民人材活躍、第一号企業は、まさにこの壮行会で一緒だったトビタテ生が作ったベンチャー企業なんです。
ここで、トビタテ生代表の挨拶をしていた、『俺は世界を変えられる!』系の大学生でした(笑)

行き先はシリコンバレー。テクノロジーで世界を変えるという話をしていて、まあすごいが自分の人生で接点はなさそうだと勝手に思った当時の自分に、そして皆さんに、伝えておきたいことがあります。



この先、課題やワクワクに直面し、日本を変えたい、世界を良くしたいと思ったときに、共に挑戦する第1号が、いま隣に座っているかもしれないということです。ちょっと隣を見てみてください。

そのくらい、本気で応募して、思いの丈をぶつけて選ばれて、皆さん、ここにいます。もちろん、選ばれたから偉いんじゃない。でも、このチャンスの裏に、実はたくさんの選ばれなかった同世代がいることも覚えておいて欲しい。

今日も病院から出られない人、そもそも進学を諦めざるをえなかった人、いま戦争の中にいる人もいます。皆さんは、ある意味特殊です。覚えておいてください。だからこそ知れた世界への責任もセットだと、私は思い生きています。

ということで、今日伝えたいのは、自分の未来ってそのくらいわからないものだということです。いま想像がつかない仕事や生き方をしている可能性が高い。なぜなら、そのくらいの速さで、世の中が変化しているから。

先生や親に聞いても、彼らも答えを持ってません。焦らなくて大丈夫です。

皆さんが飛び立ち、戻ってくるのを、心から楽しみに待っています。いつか、異なる立場から一緒に仕事ができる日がくれば、そんな楽しみなことはありませんし、あなたが作る会社で、難民の若者が大活躍しているかもしれません。

世界は、皆さんが想像している何百倍も広くて、深くて、残酷で、美しいです。

いってらっしゃい!
1万人のトビタテ卒業生が、応援しています。


1期からいつも背中を押してくれたトビタテファウンダー船橋さん、ディレクター荒畦さん、事務局新村さん

実は、2017年、6年前の壮行会でも、卒業生からのエールを送る機会をいただきました。

でも、いま自分で読み返すと、やっぱり恥ずかしいくらい。
でも、そのときそのときの自分の等身大がある。

もちろん未熟な自分もいれば、そのときの感性でしか伝えられないこともある。
なので、貼らせてもらいます。

15期の皆さんも、等身大でぶつかってきてください。改めて、応援しています。

ここでいただいたサポートは、入国管理局に収容されている方々に面会で会いに行くときの交通費に使わせていただきます。ありがとうございます。