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不思議なご縁

 先日、ウィーンの街を紹介するテレビ番組を見て、かなり以前にご縁をいただいたウィーン在住の音楽の先生のことを思い出した。

 私が草津音楽アカデミーの合唱クラスに参加した時、合唱指導に入ってくださった先生。その時、セミナー講師だったリコーダー奏者の奥様として来られていて、ハープシコードやオルガン奏者で、合唱の指導もしているということで、オーケストラの指揮者との間に入って合唱の指導をしてくださった方。

 その年までは運営事務局にオケ付きの合唱曲を演奏するときにはオーケストラ指揮者の他に合唱の指導をする人が必要になるという認識がなくて手配をしておらず、現地で急遽決まった話だったという話も聞いた。

 たった4日間だったのだけれど、100名近くいた合唱団の一人ひとりの個性を覚えていてくださって、終演後の打ち上げで楽譜にサインをいただいた時、みんなその人の良さを褒める言葉を書き添えてくださった。

 個人情報保護なども緩い時代だったので、配られた参加者名簿にあった先生の住所にあった「Wien Austria」の文字に、音楽の都ウイーンがリアルな街として感じられた気がした。

 その先生とはその後も不思議なご縁があり、世界合唱シンポジウムが京都で開催された際には日本でお会いすることができた。

 ただし、先生の母国語はドイツ語。英語でのコミュニケーションは可能なのだが、私の英語力が追いつかず、拙い英語でのクリスマスカードも出すことができなくなってしまった。

 その後、SNSでそのお名前を拝見して、メッセンジャーで連絡ができるようにはしたけれど、最後に連絡をしたのが3年前の1月1日。ウィーンフィルのニューイヤーコンサートのライブ中継を見ていて、ふと思い出して、新年のご挨拶を兼ねてご連絡してみたところ、すぐに返信が返ってきて嬉しかった。

 先日、テレビを見ていて、ふと先生のことを思い出して、お元気でいるだろうかと気になった。

 初めてお会いした時、既に音楽家としての実績を積まれていた方。今はかなりのご高齢になっているはず。

 メッセンジャーを開いてみたら、「9分前」にメッセンジャーにアクセスしていたとの表示。

 よかった、お元気なのだと一安心。取り立てて用事があるわけではなく、その時はそれ以上、直接のご連絡はしなかった。

 そして今日、何となく気になってGoogleで先生のお名前の検索をかけてみて驚いた。

 先生のお誕生日は6月4日。テレビから先生のことを思い出して、メッセンジャーを開けたのはまさにその6月4日だった。

 その時はお誕生日は知らなかったのだが、「こんにちは」だけでもいいからメッセージを送ればよかった!

 遅ればせながら、これもまた以前とは格段に進歩した翻訳ソフトの力を借りて、英語で「お誕生日おめでとうございます」のメッセージを送った。

 文章を作ってメッセンジャーを開いたら、今、まさに「オンライン中」の表示。文章をメッセンジャーにコピーして送信。

 ほとんど時間をおかずに先生から「ありがとう」の返信が。本当にお元気でよかった。

 それにしても海外に住む方と簡単に連絡が取れるようになったといういろいろな技術の進歩。すごいなあ。

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