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ストリクスヘイヴン考察_何故あなたはプレミアドラフトで勝てないのか?

どうも、jentlunaと申します。ストリクスヘイヴン初月は82-51(勝率62%)でミシック1200位以内を達成できました。

(普段はtwitchで配信をしているので良ければ覗きに来てください。)

ゆるい挨拶もそこそこに話に入っていきたいと思いますが、皆さんストリクスヘイヴンのリミテッド楽しんでいらっしゃるでしょうか?勝てている方もそうでない方も同意していただけるであろう事実として、「今回のリミテッドは過去類を見ないレベルに難解だ」ということです。本稿では何故今回こんなにも難しいのかについて考えるとともに、実践ではどのようなピックを目指していけばいいのかについて自分の今の感覚をお話していきたいと思います。各カードの評価等は書いておりません。よろしくお願いします。

前提を共有するために、まずはストリクスヘイヴンのリミテ環境を特徴づける大きな項目をピックアップしましょう。

特徴1:対抗色の5つのアーキタイプ

今回のエキスパンションは5体のエルダードラゴンそれぞれの名を冠した大学があり、ゲーム上では対抗色に対応しています。プレイヤーは基本的にこの5つの色の組み合わせから一つを選択してカードをピックしていくことになります。

特徴2:メカニズム「履修」&「講義」

構築ではサイドボードを圧迫するデメリットを超えるほどのパワーを携えたものはごく限られていますが、リミテッドにおいては極めて強力なメカニズムです。講義カード、履修スペルをうまくデッキに組み込めるかは勝敗に直結する要素です。

特徴3:ミスティカルアーカイブ

往年の名カードや未来のカードまで多くのカードが収録されています。1枚で大きくゲームに影響を与えるものが多くあるので毎ゲーム違う展開を楽しめるウルトラスパイスの役割を持っています。

次に、特徴からすぐにわかる事実について見ていきましょう。

事実1:8人のプレイヤーと5つの席

ドラフトは通常8人で卓を囲んで行われ、それぞれがデッキ構築をしていきます。アーキ環境ということでカードをピックしていく過程でいずれかの対抗2色を用いたデッキを組むために動くわけですが、対抗2色の組み合わせは5つしかありません。プレイヤーの人数よりも少ないわけですから必然同じ色の組合せのデッキを組もうと思うペアが出てきてしまうわけです。組み合わせごとに向かう人数が2-2-2-1-1になったり3-2-1-1-1になったり、さまざまあるとは思いますが、同じ色の組み合わせを志す人が少なければ少ないほど強力なマルチカラーのカードが流れてくる可能性が高く、逆に多ければ多いほどお互いにカードを取り合って最終的に紙束のようなデッキが出来上がることでしょう

事実1の結論として、空いている色の組み合わせにうまく自分が入ってしまうこと(卓1になること)が今環境では(あるいは今環境でも)重要だと言えます。

事実2:圧倒的な量のプレイアブルなカードプール

今回のエキスパンションではブースタードラフトはやや特殊な封入をされていて、レア1枚、ミスティカルアーカイブ1枚、講義1枚、アンコモン3枚、コモン9枚となっています。講義はコモンから(もしかしたらアンコモンからも?)も出てくる可能性があって、2枚出てくるパックも存在します。最近のリミテッドの傾向として、コモンのクリーチャーが本当に強いのですが、それに加えて今回はいつもならアンプレイアブル(喜んでデッキに入れたくはない)なインスタント・ソーサリーに「履修する」と雑に書かれていることでスペルまで含めて強いカードが多いです。

あくまで自分の基準で恐縮ですがコモンでアンプレイアブルに感じるカードは全部合わせて10枚程度でした。(良ければ予想して当ててみてください)

他セットと違い強力なカードが多く、レア枠のみならずミスティカルアーカイブからもボムが飛び出てくる今セットは非常にタフなマッチが予想されると同時に、ピック時点で大きな罠が仕組まれています。カードがきちんと取れてしまうことです。

本題:なぜあなたは今環境のドラフトで勝てないのか

事実1からは卓1になることの重要性を確認しました。私達プレイヤーはどの席が空いているかについて、流れてくるカードの質や量から随時推理しながらピックを進めます。通常はトップコモンやトップアンコモンの流れで卓の状況を確認しますが、今セットでは強力なカードがパック内にあふれているため、混んでいる色でも平気で優秀なカードが流れてくることが往々にありえます。

そしてさらに厄介なことに、卓1の席を探してふらふらと目移りしながらピックをしていると、今度はメインボードのカードをピックするために講義カードがピック出来なくなっていくのです。もっとも最悪なケースとして、混んでいる場所に突っ込んでしまい、メインデッキも相対的に貧弱で、さらに講義カードも取れていない。そんな状況が想定されます。

しかし、そんな状況でもあなたは「講義がちょっと取れてないけどそこそこのデッキが組めた」と感じてしまいます。何故か?プレイアブルなカードでデッキが組めているからです。あなたはいつものリミテッドの感覚でデッキを組めたと感じていても、いざマッチングしてみれば対戦相手の履修講義の膨大なリソースに、強力なレアに、あるいは圧倒的なシナジーに、あなたのデッキでは到底太刀打ちできません。この感覚の違いこそが、あなたが”なぜか”勝てないと感じる最大の原因だと思います。


さて、ではどうすればうまくデッキが組めるのか。自分が今考えているのは3つの方針です。順番にピックの難易度は上がっていきます。

方針1:オールイン戦略

初手や初手付近のボムレア、ボムアンコのパワーを信じて目移りせずにその色のカードをピックし続けましょう。リミテ初心者におすすめの戦略です。カードが枚数取れてしまうことが罠だと言っていましたが、罠ととらえずにそのまま初手の色を突き進めるポジティブな要素だととらえてゲームを進行する作戦です。本当に卓1だった場合の爆発力と、2パック目の流れが自分にとって優位になることがメリットです。

方針2:多色化戦略

講義「環境科学」やアーチ道の公共地を優先的にピックしながら強力なカードを摘まんでデッキ全体のパワーを上げる作戦です。流れてくるパックから一番強いカードを順にピックしていくと必然空いている席に自分が座れている可能性が高いことと多色化のリスクをマナサポートによってカバーできていることでリスクのバランスがとれていることがメリットです。

方針3:複合戦略、講義をかき集める

方針2から一歩踏み込んで、1パック目での評価基準を講義カードだけべらぼうに上げる作戦です。方針2では講義履修がうまく取れずにガワだけ強そうに見えるデッキになりがちなところを講義をかき集めておくことによってカバーしています。空いている席を探すために費やす1パック目の1週目までに複数枚講義カードを取れていることでその後のピックの方針を明確にできます。


この記事はここで終わりです。マジックについて書いたのはこれが初めてでしたが、この記事が皆さんの楽しいドラフトライフの一助になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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