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カミングアウト〜私の場合〜後編①

前回の記事では、友達への人生初のカミングアウトを
書きました。

今回は家族へのカミングアウトについてです。

はじめにお伝えしますが、この記事では、
当事者の方に「カミングアウトすべきだ」とか
そういうメッセージを伝えるつもりはございません。
したかったらすればいいもので、
したくなかったらする必要がないものだと思います。

ただ、私の経験を書くことで、これから家族や
大切な人へのカミングアウトを考えている人に
少しでも役に立てたらいいなと思っています。

また、カミングアウトを受けた側の人にも、
どんな葛藤があるか知っていただけたら嬉しいです。


さて、私の家族のことを少し説明します。

私にはアメリカ人の父と日本人の母、
そして5つ上の兄がいます。
端から見ても仲のいい家族だと思います。
また、日本人のいとこ姉弟が2人おり、
夏休みによく遊びに来ていたこともあって
4人兄弟のように育ちました。

自分が女性を愛する女性だと飲み込めた時、
最初に浮かんだのは、

「お母さんが悲しむな....」

ということでした。
母は子どもや赤ちゃんが大好きで、
街中で見かけるといつでも笑顔になり、
許されるときはほっぺを触って喜んでいました。

「いつでも子供を産んでね」
「学生結婚でもいいよ」
「結婚しないで産んでもいいんだよ?」
「ジェニーの子はかわいいだろうなぁ」

心から思っている言葉なんだろうな、と
わかるからこそ、叶えてあげられない可能性が
高まることを伝えるのは、
かなりハードルが高く感じていました。


自分のセクシャリティを飲み込んでから
数か月後、獣看護師を目指していた女性と
付き合うことになります。

女性と付き合うのは2人目で、1人目の時とは
違い、それまでカミングアウトしてきた友達
7人(こっそり神セブンと呼んでいました笑)に
「彼女が出来ました!」と伝えました。

みんな口々に「おめでとう!!」と
一緒に喜んでくれました。(やっぱり神だった)
にこにことお礼を言いながら、

「家族にも伝えたいな」

という気持ちが強くなっていました。

これまでは言う機会がなかったけれど、
この先ずっとこの人と付き合うかもしれない。
そうでなくても、次の相手もきっと女性だ。
家族に隠して生きていきたくないし、
生涯を共にしたいと思った人が出来ても
家族に紹介出来ないのはつらいな。。。

こうして、家族へのカミングアウトを決意しました。

でもやっぱり、母親を悲しませるのは怖い。。。
少なくとも打ち明ける時に身の回りに
理解してくれている人がいてほしい。。。

「兄といとこ達に話してみよう。」

ちょっと驚くかもしれないけど、
きっと受け入れてくれる。
そう思い、まずは話す場所を確保しようと、
その時一人暮らしをしていた兄にLINEしました。

Jenny:「ちょっと部屋を貸してもらえる?
     3人に話したいことがあるんだ。」

兄:「全然いいけどどうした?何を話したいの?
   話があるってだけ言われて待つの苦手」

Jenny:「うーん、それは話すときに話す!」

兄:「いい話?悪い話?」

Jenny:「驚く話かな。悪い話ではない!」

兄:「彼氏できた」

Jenny:「あー惜しい」

兄:「Jennyがレズビアンで、彼女が出来た?」

Jenny:「当てちゃいやがったな、このやろうっ」

兄:「よーし。流石おれ。」

Jenny:「流石だな。話終わっちゃった笑」

兄:「親には話したの?」

Jenny:「まだ」

兄:「なんで?全然いいじゃん」

Jenny:「子供子供言ってるし、なんか言われそう」

兄:「うーん、なんか言われるっていうか、
   選べることじゃないからな。」

Jenny:「そうなんだけどねー」

兄:「Jenny、皆Jennyを愛していることに
   変わりはないよ。Dad,Momも一緒。
   言おうとする勇気は大したもんだと思うし、
   俺には言ってくれてありがとう。
   親にも言っちゃえば全然楽になると思うし、
   怖がっているかもしれないけど、
   全然余裕だと思うよ。
   いい時代に生まれたね。数百年前は
   殺されてたけど、今は割と受け入れられてる。

   親にはもう今度の誕生会で言っちゃえば?」

本当にこれくらいあっさりと受け入れてくれ、
今まで言えなかった理由が自分にあるなら
ごめんと言ってくれて、
何度も、父と母には愛情があるから、
何も変わらないはずだ、
大丈夫だ、と背中を押してくれました。
嬉しくて、安心して、泣いてしまいました。

本当に最高の兄を持ったと思います。

その後、2人で話しあい、
誕生会で父と母には打ち明けると決め、
そのときに集まるいとこ2人にも
先に事情を説明して、
味方になってもらうことにしました。

いとこ達にはLINEで打ち明けました。
驚いてはいたけれど、すぐ受け入れてくれました。
従兄は、その時の彼女さん(今の奥さん)
には手を出すなよ、と念を押してきたりして、
それも受け入れてくれているってことだな、と
嬉しく思っていました。


そして迎えた誕生会の日。
母の誕生会です。
この時はまだ、あんなことになるとは
想像もしていませんでした.....


後編②に続く・・・

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