ePARAで働く事になりました。
今の自分に何が出来るのだろうか。
あの頃、そんな事をずっと考えていた。
昨年末、地元の特別支援学校から"重度身体障害者の自立生活とeスポーツの取り組み"についての講演をして欲しいと頼まれた。
今の自分に何を伝えられるのだろうか。
何度となくなんとなくの選択を繰り返しながらえげつないスピードで過ぎていく毎日に、理由を付けて子供達に話が出来るほどの自信が私にはなかった。
それでも、求められることに答えたくて準備を始めた。
物凄く悩んだ。
私には高校を卒業をしてから就職するまでの4年間、暗黒期があった。
就職も進学も出来なくて、仕方がないから家でPhotoshopを勉強していた。独学と言えば聞こえは良いかもしれないが、孤独は辛かったし、しんどかった。唯一の救いは格闘ゲームで己と向き合う時間だけだった。
あの頃、確かに私は社会から蹴飛ばされ、爪弾きにされたと思っていた。
それは違うと今は思う。別にそんな事はなかったんじゃないかと。
蹴飛ばしたのも、爪弾きにしたのも、結局は自分自身が選んだ選択で、どうせ無理だと社会のせいにしたかったんだと思う。
やり場のない怒りだけが友達だった私にとって、ゲームを通して色んな所へ行き、色んな事を学んだ経験が、なにより大切な思い出だったんだと資料を作りながら思い返した。
消し去りたい記憶も思い出も、子供達にはちゃんと説明しよう。
そう思い、私はパワーポイントに落とし込んだ。
先生からは講演内容についてこんな要望をもらっていた。
今の生徒達は将来に漠然とした不安を抱え、何に対してもどうせ無理だと最初から諦めてしまいがちでいます。そんな子供達がやりたい事を見つけられるきっかけになるような講演をお願いしたいです。
人生行きあたりばったりな私に何が言えるんだろうか…。と悩み、柄にもなく本を買って読んだ。
本当にやりたい事ってなんだ?
本を読んで己と当てはめた時に、自分にとって本当にやりたい事ってなんだろうかと疑問に思った。
授業のために買った本のはずなのに、読み進めていくと気が付けば自分への問いかけに変わっていた。
問いかけだけが続き、去年の11月、授業の日を迎えた。
その日、子供達には私の大切な経験の話をした。
一人で東京旅行に行った事。
ゲームを通して色んな経験をした事だ。
講演の最後には、本に書いてあった本当にやりたい事の見つけ方の話をした。
好きな事+大事な事+得意な事=本当にやりたい事
皆真剣に話を聞いてくれて、少しホッとした。
そして、改めて自分にとって本当にやりたい事が何なのかと頭を悩ませた。人に言っておいて、私はこれで良いんだろうか。
生徒にこんな事を聞かれた。
どうやったら在宅で働けますか。
答えに困った。うちの会社ってどうやったら入れるんだろうか。
eスポーツが好きならパソコンでゲームを始めて、そこからパソコンスキルを覚えたらどうだろうか。そう伝えた。
授業を終え、自宅に帰ってからも私は悩んでいた。
やる気のある若者が、個人の置かれている環境によって様々な事を諦めてしまう現状についてだ。同じ境遇だった身として、どうにかしたかった。
eスポーツを頑張って、それがきっかけでパソコンを覚えて、それが就職に繋がるようになれば良いなと思った。
でも雇う側も前例が無いと踏み出しにくい。私はこのままでいて良いのだろうか。
今の会社なら一生安定して飯を食べていける。
辞めてまでそっちの道に進むべきなのか、悩みすぎて体調を崩したこともあった。
eスポーツの仕事がしたいし、就労支援も勉強したい。
やりたい気持ちに決心をつけ、年明けの1月に3月末で退職したいと伝えた。
その勢いでnoteを書いた。本当に勢いだけで、後の事なんて何も考えていなかった。
退職してこれからの事は何も決まってなかったし、色々やってみようと思ったが、結局何も出来なかった。情けなかった。
でも、色んな人に勇気をもらった事で、好きな事ともう一度向き合う事ができた。
諦めていた格闘ゲームも、気が付けばあの頃のように出来るようになっていた。
時間はあっという間に過ぎる。
いい加減仕事を探さないとマズかった。自分のような重度身体障害者を雇ってくれる会社は中々見つからなくて、退職を後悔した瞬間は何度かあった。それが恥ずかしくて、悔しかった。
結局口だけで何も出来ていなかった。
それでも諦められなくて転職活動をしていた時に、とある会社を知った。
それが株式会社ePARAだった。
イチかバチかで応募し、履歴書を送った。
今までの事や、やりたい事を話した。
結果として、社員として採用してもらい働くことになった。
けれども、これで"転職成功!めでたしめでたし!"という話ではない。
これからも闘いは続く。
それは障害者としてであり
ゲーマーとしてであり
何よりも、見えない壁を攻略するのが楽しいからだ。
対戦よろしくお願いします。
ePARA Jeni / 畠山駿也
イラスト:ケスタ
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私のように社員としてではなく、株主としても参画できる機会なので、ご興味がある方は応援よろしくお願いします。
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