デジタルとアナログは対義語か?

昨今、デジタル化社会などといわれるようになってきました。デジタルの対義語はアナログといわれますよね。これは常識のようにもなっていますが、果たしてデジタル化社会において、それは本当でしょうか?

デジタルとは、整数のような数値によって表現される(飛び飛びの値しかない)ということ。工業的には、状態を示す量を量子化・離散化して処理(取得、蓄積、加工、伝送など)を行う方式のことである。

これに対する単語はアナログ
連続した量(例えば時間)を他の連続した量(例えば角度)で表示すること。デジタルが連続量をとびとびな値(離散的な数値)として表現(標本化・量子化)することと対比される。時計や温度計などがその例である。エレクトロニクスの場合、情報を電圧・電流などの物理量で表すのがアナログ、数字で表すのがデジタルである。

さて、昨今は、デジタル化の世界、データ化の世界といわれています。しかし、デジタルにはもっと異なる意味があるのではないかなという気がします。

例えば、統計データ。
東京都の新型コロナウイルス感染者数は3320人、大阪府は1351人、神奈川県は816人…(2020年4月22日:クルーズ船、帰国チャーター便は含まない)。

この全国の感染者数がCSVで出力されるものはデジタルデータです。さて、これのアナログデータは存在するのでしょうか?
同じように、マーケティング情報などもデジタルデータであるため、マーケティング情報のアナログデータとは何でしょうか?紙のデータでしょうか?そもそもアナログデータが存在しないと思われます。

このように考えると、デジタルのデータの場合は、アナログのデータよりも概念が広くなる気がしませんか?

元々デジタルとアナログは、上記定義からすれば、音波や電圧などのアナログ波形をデジタル波形に変換することに使われていたものが、一般化された言葉といえるでしょう。つまり、物理的な自然的なデータであった波形や変化値は、アナログデータが先にあり、存在していたと考えられます。
一方、デジタルデータの概念は、アナログデータの概念とは異なり、デジタルとして生み出されデジタルとして存在するものになっているように思います。そのため、デジタルデータはアナログデータではないものとして生まれ変わったといえるような気がします。

つまり、アナログ→デジタルの形であれば対義語になっていたものが、デジタルのみで存在する場合は、デジタルとアナログは対義語ではなくなるということになりそうです。

このあたりは、厳密な定義がないので分かりませんが、デジタルとアナログは対義語になる場合とそうではない場合とがあるような気がしています。

※念のために書いておくと、デジタルの定義である「数値によって表現される」ということから、数値化されたものであれば、デジタルデータは、数値化されたものであるため、定義上当てはまるので問題ありません。対義語と考えられているアナログが当てはまらないのではないか、という問題意識です。

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