【ネクタイのない文筆家】第2話
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ある日の夜、実嗣はノートPCの画面を見つめていた。
頬杖をつきながら、彼が気ままに更新しているブログページの閲覧数や各記事の反応を静かに眺める。
実嗣は組んでいた足首をグルグルとまわしながら、目の下の頬を少し掻く。
最近は何か書きたいと思いながらも、言葉が湧き上がってこないのが悩みの種だった。
昔はもっと自分の中に浮かんだものを言葉にするのは容易かった気がする。
剣と魔法の世界で冒険する話も、なんてことない日常生活を書くのも。自分の中で書きたいテーマも決まって