「貧困の哲学」<ピエール=ジョゼフ・プルードン 著>(平凡社ライブラリー)を読んで

 フランスの社会主義者、プルードンの著書。初版発行は1846年。
読んでみて、「これは予言の書なのか?」と仰天してしまった。150年以上前に書かれた本だとは思えないくらい、今私が思っていること、悩んでいることについて書かれていた。

何箇所か引用すると、

産業的能力が恐ろしいまでに分割されると、生産はせずに消費だけするひとびとも出てくる。

これは富豪のこと。
生産してないのに、生産している人たちよりも良い生活をしている人たちがいるのは何でなんだろうか?

何!われわれはみんな人間としての尊厳をそなえているはずなのに、その一部は動物化していくよう宿命づけられているのか。

これは富豪とは逆の、単純労働などに従事するしか選択肢がない人達のこと。
・・・尊厳を自分で守っていきたい。

こうして労働者は、しごとのつまらなさによって精神的に苦しめられたあと、こんどは報酬の安さによって肉体的に打ちのめされる。

これは分業が進みすぎた結果、仕事に求められるのはただ作業の成果のみ(機械の部品のような扱い)になり、精神的に苦しめられること。

分業は人間を機械に変えてしまうだけである

これは・・・私?

労働に必要なのは多様性でも、労働時間の短さでも、音楽でも、歓談でも、列をなすことでも、ゆるい目標でも、対抗関係でも、巡査でもない。必要なのは、ただ自由と知性のみである。

これはすごい。自由と知性。その発想は無かった。(巡査というのはよく分からないが。)


正直他にも驚くようなことが書かれていたが、きりがないのでこの辺にしておきます。当時のフランスが、今の日本(というか今の自分の環境)と似ていたのかなんなのか分かりませんが、いちいち膝を打つような内容が多く、大変ためになった。何かが解決したわけではないけれど・・・笑

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