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臨時休校になって気づいた「本当に大切な学校の3つの役割」

はじめに

勤務する小学校が臨時休校になって1週間が過ぎました。

突然の休校からしばらく経ち、だいぶ気持ちの整理もついたので、忘れないように今の気持ちを書き記しておこうと思います。「ああこんなことを考えている教員もいるんだ」と気楽に読んでもらえればと思います。


休校が決まった日

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2月28日は朝から本当に忙しかった!

今日が子供たちとの最後の日になるかもしれない…というソワソワした気持ちと、「で、うちの自治体は本当に来週から休校にするの?」という不安と、「それならアレをしてコレをして…」という焦りと。全国の先生たちが目の回るような1日を過ごしたことと思います。僕もその一人でした。

子供たちも登校するなり「ニュース見た?」「学校休みになるん?」「ゲームしまくれるやん!」「春休みめっちゃ長いやん!」「卒業式はどうなるん?」「まだ学校来たい」など悲喜交交。

「とりあえずまだどうなるか分からないから。お昼には決まるらしいから。」と子供たちをなだめ、午前中はひたすら荷物の整理。作品やテストの返却。

で、昼休みに緊急の会議が開かれて休校が決まる。

子供たちにそのことをクラスで伝える。

意外にも喜ぶ子は一人もいなかった。

「え?本当に学校なくなるん?」

この時はまだお別れムードもなく「じゃあ、最後だしやりたいことやろう!」と午後からはレクリエーション大会に。

あっという間に2時間過ぎ、最後の帰りの会。

「1年間ありがとうね」と子供に話し始めた頃から涙腺崩壊。

僕の泣き顔を見て子供たちにも涙が伝染。

みんなでオイオイ泣きました。

下校時間になってもなかなか帰らない子供たち。ようやく最後の一人を見送った頃には、なんとも言えない寂しさだけが残ったのでした。


本当に大切なこととは


その日は特に勉強なんてしなかった。ただ子供が学校に来て、話をして、ご飯を食べて、遊んで帰って行った。

それだけなのに、なんだろうこの妙な満足感は?

学校ってこういうところでよかったんだ。


①居場所があること

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休校が決まってからというもの「子供の行き場がない!」と大人は慌てふためいている。共働き家庭の問題や、パンパンになった放課後児童クラブの問題、挙げ句の果てには「学校を解放して、子供の面倒を見ろ」と。

学校という場所は、学力が、いじめが、不登校が…と何かと叩かれていますが、やっぱり学校の役割は大きいですよ。エネルギーの有り余っている子供たちが日中過ごす場所としては。

失って初めて気づく、学校の「居場所」としての機能。なんだかんだ言って、学校や先生の仕事って世の中には必要不可欠なものなんだと再確認しました。


②ご飯が食べられること

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給食が恋しい!

栄養バランス抜群、毎日違うメニュー、抜群に安い価格。

こんな素晴らしい食事、なかなかないですよ。余ったデザートはジャンケンで奪い合うというエンターテインメント性もあります(笑)

休校になった今、給食を恋しく思っているのは大人だけではないはず。毎日朝食を食べて来ないあの子。毎日モリモリお代わりしていたあの子…。どうしてるんだろうと心配しています。

食べること=生きること

そんな当たり前のことが、今となっては尊く感じます。


③仲間がいること

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休業中、子供たちは家でどうしてるんだろう?

校庭は使えない。公園にも気軽に行けない。休みの日のお出かけも、何となく出かけにくい。子供たちのストレスが心配です。

学校に来れば、そりゃあ楽しいことばかりではありませんよ。勉強嫌いな子だってたくさんいるでしょう。

それでも、友達と馬鹿な話で盛り上がったり、本気でドッジボールしたり、ときには喧嘩したり…仲間がいるからこそできることって、たくさんありますよね。

毎日顔を合わせる仲間の大切さ、身にしみて感じています。


学校をもっとシンプルな場所に

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学校は、仲間と一緒に過ごし、ご飯を食べ、遊び、対話する場所であってほしい。シンプルに子供が望んでいるのはこういう場所だと思うんです。

今、学校現場では、未履修の教科や宿題、成績処理のことでてんやわんやしてますが、そんなことはっきり言って些末な問題です。

①誰でも通える

②あったかいご飯が食べられる

③同年代の子供たちと触れ合える

それこそが学校の本質的な役割なんだと気づきました。

今こそ、学校本来の役割からかけ離れた様々な取り組みを見直して、学校の力、教員の力、子供の力を取り戻す時が来ているように感じるのは僕だけでしょうか?

なくても平気なもの、ない方がいいもの、教育に本質的には関係ないけれどやっぱり大切にしたいもの、今回の件からみんなで考えませんか?

ただ純粋に「友達といたい」「 学校に来たい」と涙を流した子供たち。
その思いを邪魔するような「よかれ」と思ってやっているいろんな「取り組み」。

削って、減らして、変えて、学校をもっとシンプルな場所にしたいです。

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