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つみきとパフォーマンスのコラボレーション企画 「風見鶏」櫻井麻樹さんにインタビュー!「その1」

つみきとパフォーマンスのコラボレーション企画「風見鶏」に向け、演出の櫻井さんをお招きして、櫻井さんのことや「風見鶏」のこと、たくさん伺えればと思います。

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惡澤:
櫻井さんが今までパフォーマーとしてやって来られたことは私も伺っているんですが、それより前のことも含め、櫻井さんの経歴を伺っていければと思います。
今回の「風見鶏」はパフォーマンスという括りですが、そもそも櫻井さんが「演技」とか「演じる」とか、そういった世界に入ったきっかけを教えてください。

櫻井さん:
父親が社会人野球の選手だったもので、その影響で僕も高校卒業まで野球をしていました。高校でも頑張っていたんですが、夏の大会は地区大会で負けて、甲子園に行けず敗退。やることが無くなってしまいました。燃え尽きて、そこから果たして何をやっていこうか?ということがあった時に、たまたま知り合いが「お芝居」というものに誘ってくれて、見にいったことがありました。それがきっかけですかね。その時は、後藤ひろひとさんの舞台でした。それを見たとき、舞台というものがとても魅力的に見えたんです。高校の野球トーナメントは負けたら終わり、ですけど、なぜか舞台にも同じようなスリリングさを感じたんでしょうね。そこから、舞台の世界に飛び込もうと思いました。

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最初はある劇団に入って、1年くらいやったのかな。そこはちょっとテーマが特殊だったので、「違うな」と思っちゃったんですね。公演が終わった直後に、尊敬していた先輩がやめていったのもあって僕も辞めてしまい、その先輩が入った所に僕も入れさせてもらって。・・・それはコメディ系の団体でした。
そこを経て水芸や映像の世界も経験し、そこから小劇場の世界に入ったわけですが、何となくこのポイントが僕のスタート、という思いがあります。僕は老舗の劇団や研修所に入って学んだことは一切ないので、やりたい事をあちこち回ってやってきたので独学なんです。

惡澤:
色々な世界を経て今に至るんですね。では続いて、今櫻井さんがバックグラウンドの一つとしている、身体表現に至るきっかけを伺えればと思います。

櫻井さん:
自分なりに舞台をやって来て、ある時「言葉を使う」ということに、体が違和感を感じるようになってきたんです。「この違和感はなんだろう?」と思った時に出会ったのが、元パパ・タラフマラの小池博史さん。そこで「身体表現」というものに出会ったんですね。言葉でずっとやって来たことが、体を通してやった時、すごく居心地が良くて、すごく自由な感覚を得ました。体の大事さに出会ってから、「自分のやりたいことは自由にやっていいんだ」と思うことができました。

惡澤:
そこから今回の公演に繋がっていくかと思うのですが、今回「第一部」にてつみき指導をしてくださるつみ木おじさん=荻野さんとは、どのように出会ったのでしょう?

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櫻井さん:
身体表現に出会ったのとちょうど同じ頃に、海外の演出家のワークショップを受けたりして、日本では感じられなかった、自由、という感覚を持ちました。
そこから「人に見せる」というより「人がみてしまうパフォーマンス」を志して、見ることの自由さだったり、その選択って何か?とか、教育の分野や子供たちとのワークショップなどの活動をしはじめた時に出会ったのが、今回の「風見鶏」でつみき指導をしてくださる荻野さんだったんです。

荻野さんと出会ったのはmina wa totoという団体のワークショップにアシスタントで入った時でした。
そのワークショップがつみき遊びと外遊びのワークショップで、最初は僕も、つみき遊びというのは子供の遊びなんじゃないかと思っていたんです。
でも、やってみたら・・・とんでもない(笑)。つみきは、僕が演技の手法などをつかってやっていたワークショップでやることの要素が全部詰まっていると感じて、衝撃を受けました。
それを体験した時に、ずっとやりたかった物語、つまり「風見鶏」をこれでやりたいな、という気持ちになったんです。

昔からあるイメージがあって、十字路に風見鶏があって、くるくる揺れていて、東西南北どこに何をしに行くのも自由で・・・でもどこにも行けるというのは過去から歩いてきた道もあって、そして未来へとも繋がっている、その瞬間瞬間が分かれ道というイメージです。自由な発想、自分次第でどうにでもなる、というイメージを広げる事ができるのにはつみきがあると面白いと思いました。

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惡澤:
そうだったんですね。個人的には「風見鶏」のチラシでは櫻井さんと荻野さんがそれぞれ文章を書いていらっしゃいますが、櫻井さんの「悩み抜いた30代」と「やりたいことに気づいた40代」について、気になりました。詳しく伺えればと思うのですが、いかがでしょうか。

櫻井さん:
悩み続けた30代、というのは・・・先ほども少し言ったんですけども、演劇の世界に入ってからコンプレックスがずっとあったんですよ。それを解消するために色々とやっていた。変身願望があったんでしょうね。でも、やればやるほど苦しくなっていって、目標もなく「ただ売れたい」と思ってやっていても何か苦しい。言葉も自分の本心から出ない。
才能があるという人に憧れるし、自分はどこまで何ができるのか?その可能性を勝手に自分で決めてしまっていた。そしてこうあるべきだ!ああであるべきだ、と思っていたのが30代でした。やりたいことに気づいた、というのはここ2年くらいです。

惡澤:
ここ2年くらいというと、新型コロナウイルス感染症が流行ってからですよね。

櫻井さん:
はい。演劇をしていると、楽しいこともあるけどそればかりではなくて、丁度その頃はやり続けることに限界を感じていて、2020年3月、コロナが入ってきて舞台活動自体がストップしました。立ち止まるしかなくなった時にホッとしたんです。そこから、芝居とは違うところをいろいろ勉強したり・・・今までは俳優でしか生きていけない、と思っていたことが、パフォーマンス、つまり色々な表現が混ざった舞台に存在するのでいいじゃないか、と思ったんです。
パフォーマンスという大きい枠の中には「演技」はある。立っているだけでもパフォーマンス。こだわらなくていいんだ、と思ったんでしょうね。

あとは・・・僕はきちんと会社に入って働いたことはないので、定職をもっている人たちの気持ちがわからないんです。でも僕たちがやっている事も普通に生活している人たちはわからないかもしれない。
それであれば、お互いを知る機会を作ってみようかな、と。自分が今までやって来たことを「見せる」だけじゃなく、それを使って何かできないだろうか、と考え、地元でワークショップをやったりしました。千夜二夜もそういう活動をするために立ち上げた団体です。

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(インタビュー「その2」へつづく!)

https://note.com/je_tokyo/n/n1cfd35464ad1


つみきとパフォーマンスのコラボレーション企画「風見鶏」
果たせなかった想い、伝えられなかった想い、あの時こうしていたらという後悔や、過去の歴史の出来事から想像で作り出した架空のif。
元々は「風に向かって雄々しく立つ」という意味を持っていたけれど、昨今では、くるくると方向や立場を変える人の例えや日和見主義者などの意味を含む「風見鶏」をイメージし、過去と向き合い、今をふまえつつ、未来への想いを描くパフォーマンス作品。
「ディバイジング」による創作です。


*パフォーマンスの各回に先んじて「つみき遊びイベント」を実施します。皆様と共に組み立てた「つみき」をセットの一部として、公演中に用います。
つみき指導:「木楽舎つみ木研究所」荻野雅之(おぎのまさゆき)


【公演詳細】
場所
パルテノン多摩市民ギャラリー
〒206-0033 東京都多摩市落合2丁目35番地
日程 
2022年10月14日(金)~16日(日)
全席自由


*つみき遊びイベントとパフォーマンスの間の休憩では、舞台転換のため、すべてのお客様に客席外に一度ご退出いただきます。
つみき遊びからパフォーマンスまで、連続でのご観覧をされるお客様は、休憩後優先的にお席にご案内するお時間を設けます。


***


10月14日(金)

つみき遊びイベント: 18時~19時30分
パフォーマンス: 20時~21時
10月15日(土)

つみき遊びイベント: 11時~12時30分
パフォーマンス: 13時~14時

つみき遊びイベント: 17時~18時30分
パフォーマンス: 19時~20時
10月16日(日)

つみき遊びイベント: 11時~12時30分
パフォーマンス: 13時~14時

つみき遊びイベント: 16時~17時30分
パフォーマンス: 18時~19時


チケット料金
*学生は中学生、高校生、大学生、大学院生、専門学校生等を指します。


公演&つみきチケット
大人 ¥4500/ 学生 ¥3500/ 小学生 ¥2000
つみき単発チケット
大人 ¥2000/ 学生 ¥1500/ 小学生 ¥1000
公演単発チケット
大人 ¥3500/ 学生 ¥2500/ 小学生 ¥1500


*当日券は各値段から+¥500分のお値段で販売いたします。
*0歳〜2歳までのお子様について、保護者の方の膝上鑑賞は無料です。お座席が必要なお子様は小学生以下の料金でご案内いたします。


出演者名義チケット
http://confetti-web.com/tsumiki-cast/
一般チケット
http://confetti-web.com/tsumiki/


演出 櫻井麻樹
出演
木原萌花
大迫健司
土屋詩織
樋笠理子
松永佳子
演奏 Hitomi*
つみき指導 荻野雅之


衣装 kuuki
舞台美術 森聖一郎
舞台監督 野口清和
照明 岡村尚隆 (リザ・プロジェクト)
宣伝美術 Minako Akutsu
制作 惡澤仁美
主催 一般社団法人ジャパンエンターテイメント東京
企画 千夜二夜
文化庁「ARTS for the future! 2」補助対象事業


*受付開始は開演の45分前、開場は開演の30分前です。
*開演時間を過ぎてのご来場は、ご希望の座席へのご案内ができかねますのでご注意ください。
*新型コロナウイルス感染症対策のため、マスク着用、手指消毒、検温にご協力をお願いします。

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