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読書記録「本日は、お日柄もよく」

▼読んだ本
「本日は、お日柄もよく」
・原田マハ さん
・徳間文庫
・2013年


話すために聞く

「黙って聞く、という行為は、その人のことを決して否定せずに受け止める、ということなの。・・・」
「聞くことは、話すことよりもずっとエネルギーがいる。だけどその分、話すための勇気を得られるんだ、と思います。」
話すために、聞く。

156頁、158頁、160頁より

 私は、話すことに苦手意識を持っており、人と話す時に聞き役にまわることが多い。「話すために、聞く。」という言葉から、人の話を聞くことは、自分が話す時の種を育てることなのだと感じた。ただし、何も考えずに聞くのではなく、相手を受け止めて、寄り添い、共感することが大事なのだと思う。

初心忘るべからず

「初めて挑戦するからには不安なことも多いだろう。けれど、初めてだからこそ、真摯に向かい合えることもある。初心忘るべからず、とはそういうことなんだ」

203頁より

 私は4月から社会人になり、保育士になる。保育士になれることが嬉しくワクワクしているが、不安が全く無いわけではない。でも、1年目だからこそ見えてくること、感じられることがあるのだと思った。私は、早く経験を積みたいと思っていたが、初めての時もすごく大事なことを得られるのだと思うことができた。社会人になるにあたって、不安も含めて、期待が高まった。

ただそばにいて抱きしめる

「ほんとうに弱っている人には、誰かがただそばにいて抱きしめるだけで、幾千の言葉の代わりになる。そして、ほんとうに歩き出そうとしている人には、誰かに助けてもらった言葉が何よりの励みになるんだな、って」

333頁より

 弱っている人がいたら、ただそばにいること、そして抱きしめること。それが気持ちを伝え、あたたかく励ます手段になるのだなと思った。どんな言葉を掛けたらよいのか分からない時、言葉はいらないのかもしれない。ただそばにいるだけでも、相手にとっては励まされることもあるのかもしれない。

感想

 スピーチのすごさ、言葉のすごさを感じたと同時に、主人公や周りの人の行動力も印象に残った。OLからスピーチライターへ、会社を辞めてまで、道を進んでいった主人公がすごく素敵だと思う。登場人物たちの魅力的な部分をたくさん感じて、お話の中で何度も涙が出そうになった。
 原田マハさんの小説を読むのは初めてだったが、また読みたいと思う。

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