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コロナ対策に逆行の菅政権 連日の会食、市民には罰則導入【塩川鉄也の国会質問ピックアップ】

コロナ対策に逆行。
連日会食の菅首相、国民には罰則の法改正

昨年の年末、感染拡大のおそれが高まっている中、菅首相が連日会食を重ねていたことが明らかになりました。
政府のコロナ対策分科会は10月、5人以上の会食を控えるよう提言を出し、政府が自粛を呼びかけている最中のことでした。
菅首相は、自民党の二階幹事長らと銀座のステーキ店で8人で会食を行うなど、分科会の提言後に、5人以上の会食を9回も行っていました。
多くの市民が、忘年会・新年会など、自粛に努め、我慢を重ねているときに、自粛を呼びかける側の首相が「自粛」をしていない。市民の間に批判と怒りの声が広がりました。

そして、年末年始にかけて感染が急拡大し、今年1月には2度目の緊急事態宣言が出される事態となりました。
1月5日の新型コロナウイルス感染症対策分科会では「社会全体としてこの感染症に対する危機感が薄れてきた」と指摘。

その原因は、政権、与党幹部の行動にあるのではないか。
政府の責任を追及しました。

<2021年1月7日衆院議院運営員会質疑より抜粋>
【塩川議員】
社会全体の危機感が薄れたとすれば、その責任は政府自身にあったのではないのか。
10月23日の分科会提言以降、菅総理が夜に5人以上の会食をした回数は9回に上った。 大人数の会食を続けた菅政権、菅首相の対応が、感染拡大抑止に逆行するものとなった、そういう反省はありませんか。

【西村大臣】
分科会の提言を受けながら、専門家の皆さんにしっかりと御意見をいただきながら対応を進めてきております。

西村大臣から反省の言葉はなし。

続く与党幹部の会食

緊急事態宣言が出されている最中、今度は、自民党の要職に就く国会議員3人が銀座で深夜まで会食を行っていたことが明らかになりました。国民から大きな怒りが湧きあがり、3人は自民党を離党。
2月、緊急事態宣言延長にあたっての質疑の冒頭で、菅首相は、3人の行為について謝罪を行い、田野瀬太道文部科学副大臣を更迭したと報告しましたが、自らが行った会食については触れませんでした。

菅首相による謝罪(2021年2月2日衆院議院運営員会)
緊急事態宣言の下、深夜まで会食をし、かつこれを明らかにしなかったことを受け、昨日、田野瀬太道文部科学副大臣を更迭いたしました。  
また、自民党においては、松本純議員、大塚高司議員、田野瀬議員に離党勧告を行い、この3名は離党をいたしました。
国民の皆さんに御苦労をおかけしている中にあって、政治家は率先して範を示すべきところ、こうした行動はあってはならないことであり、極めて遺憾であります。私からも国民の皆さんに心からおわびを申し上げます。いま一度、身を引き締め、新型コロナ対策に全力を尽くしてまいります。

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<2021年2月2日衆院議院運営員会質疑より抜粋>
【塩川議員】

菅総理は、田野瀬文科副大臣については更迭する処分を行いましたが、菅総理自身が行った会食については、処分はありませんでした。この三人の会食と菅総理が行った会食と、一体どこが違うんでしょうか。

【菅首相】
私の会食については、大いに反省をしているところであります。
私自身のその会食の際に、緊急事態宣言でもありませんでしたし、当時、10時まで許されていたというふうに記憶をしております。
ただ、いずれにしろ、あってはならないことだと大いに反省をいたしております。

国民には罰則導入の法改正

この質疑に先立つ2月1日には、衆院本会議において、国民・事業者へ罰則を科すことを可能とする新型インフル特措法(いわゆるコロナの特措法)改正案が与党の賛成により可決され、参議院に送られていました。

【塩川議員】
政府・与党の幹部が深夜の銀座で会食するという感染症対策に逆行することを行ったときに、国民、事業者に罰則を科す法改正を求めることは、国民の理解は得られません。
総理は専門家の意見を聞いて判断すると述べてきましたが、感染症法改正に関して議論した専門家の会議、厚生科学審議会感染症部会では、罰則に反対する意見が多数でした。罰則導入は、国民の不安、差別を助長させ、保健所業務に支障を来し、国民の協力を得にくくし、感染コントロールを困難にすると厳しく指摘がされました。
こういった専門家の意見は無視をするということですか。

菅総理答弁に立たず
【西村大臣】
現場の声をしっかりと受け止め、人権に配慮した丁寧な運用に努めることとしております。

【塩川議員】
罰則の導入は、コロナ感染で不利益を被る国民、事業者を犯罪者扱いし、国民に責任を転嫁して、国が行うべき補償を免れようとするものであります。
国民、事業者、医療機関への正当な補償こそ法律に明記すべきであって、罰則導入は撤回をすべきではありませんか。

菅総理答弁に立たず
【西村大臣】
事業者の皆さんにも様々な影響がありますので、しっかりと支援を行っていきたいというふうに考えております。

【塩川議員】
政治への信頼が問われているときに総理が答弁をされない、このことが厳しく問われていると申し上げて、質問を終わります。

まとめ

罰則導入について答弁に立とうとしない菅首相の姿が目立ちました。
会食を行い、政治の信頼を損なったことについて「大いに反省している」と述べながら、罰則導入は国民の協力を得られにくくし、感染症対策に逆行するとの専門家の指摘には正面から向き合わず、国会で自分の言葉で説明もしない。そして反対の声を無視して押し通す。
これでどうして政治の信頼を取り戻すことができるのでしょうか。
菅首相のコロナ対応への姿勢が表れた質問となりました。

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