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実家に置いてあるSF本を売ります。

昨日は朝から筋肉痛でした。なぜ筋肉痛を起こしたかというと、突然運動をしてみたわけではありません。実家を売却することになったため、実家にある蔵書の整理が必要になりました。そして、その書籍の半分くらいはグルニエにあるので、梯子をかけてグルニエから本を下す作業を始めました。筋肉痛はグルニエの上り下りのおかげです。私は小学生の頃からSFが好きで、本を買い漁ってました。高田馬場の高校だったので、早稲田の古書店街を歩き、ビックボックスの古書市に通い、広尾に住んでいる時代は広尾商店街の古書店で近隣に住む外国人が売ったペーパーバックを買い、営業になってからは帰り路で古書店を見かけると入ってみたり、横須賀から戻る16号線沿いの古書店でハヤカワSFシリーズが100円均一で100冊くらい売ってるのに感動して、すべて大人買いしたり、読書家であるとともに蒐集家でした。ざっと見繕ったところ2000-3000冊はあります。これを今のマンションに持ってくるのは難しく、トランクルーム借りようかなとも思ったのですが、年齢考えるとそろそろお別れして、読んでくださる人のところに送った方がいいかなと思い、一括処分することにしました。神保町にはSFを半専門的に扱う古書店が何軒かあるので、出張買取をお願いしました。ただ、グルニエに置いておくわけにはいかないし、ある程度分類したり、全巻揃っているのを確認したりした方が、売りやすいかなと思い、はたまたお別れに一目会っておきたいなどと思い、作業を始めた次第です。

で、筋肉通に耐えながら、gcdfの2回目、カウンセリングのクラスに向かう途中、また11年前のフェイスブックが呼びかけます。ブログを引用してきました。11年前の今、夏休みで北海道に帰っていたみたいです。そして、祖父の蒐集した書籍の処分先について書いています。幸せな本たちだな。一冊かたみにいただいたSFマガジンの創刊号は、もちろん今回は売らずに手元にとっておきます。
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「秀痴庵文庫」~昭和の雑誌創刊号
この夏休みには北海道に行ってきました。我が家は室蘭の出であり、私も小学校高学年と中学校1年までは札幌にいました。その意味では里帰りでもあります。主な訪問地は札幌と室蘭。

室蘭市の港べりに「室蘭港の文学館」という小さな文学館があります。ここが今回の主たる訪問地です。この文学館の中に「秀痴庵文庫」という平素は公開されていない一室があります。この文庫には昭和期に発刊された膨大な雑誌創刊号の蒐集が保管されています。実はこの蒐集はすべて私の祖父が室蘭市に寄贈されていただき、その後ていねいに整理・保管をいただいているものです。この春に父がなくなり、いただいた香典の一部をこの文学館の維持費として寄付をさせていただきました。その際に文学館の皆様と何度も連絡をとったこともあり、父の新盆の時期にこちらに立ち寄ってみたものです。

幼い頃の夏休み。いつも長い間、室蘭の祖父の家に滞在していました。坂の上にあるその家の2階の部屋には大量の本がありました。それらの本がポランティアの皆様のご尽力により、綺麗に整理されて保存されているのはほんとうに感動ものです。また、よくよく文庫の中をみてみると、雑誌創刊号以外にも様々な書籍があります。さらには書籍と一緒に引き取っていただいたたくさんの写真アルバムや祖父のノートも保管されており、昭和初期にタイムスリップできます。

少年ジャンプ、少年マガジン、少年サンデー等の少年マンガ誌の創刊号も勢ぞろいです。これらは価値が高いのかガラスケースに入れて保管されていましたが、その他の雑誌創刊号は「秀痴庵文庫」の部屋に開架で保管されており、自由に手にとって閲覧することも可能です。通常は公開されていない「秀痴庵文庫」ですが、事前に文学館に連絡をしておけば閲覧させていただけるそうです。おそらく日本でも有数の雑誌創刊号の文庫でしょう。雑誌の創刊号には編集者の強い思いが凝集されているものです。今ほどは雑誌の発刊数が多くなかった昭和の時代ですが、それでもそれらをすべて買い集めるのはなかなかのことだったかと思います。いろいろな意味でユニークな祖父でした。今回、文庫内のアルバムやノートを観されていただき、改めてそれを感じました。

実は祖父のコレクションを室蘭市に寄贈するという際に、1冊だけお願いをして私がもらってしまっています。ですから早川書房の「SFマガジン」創刊号は「秀痴庵文庫」には存在していません。「SFマガジン」創刊号はその内容があまりに優れていることから後年に復刻版が出ているほどです。創刊号というのは、やはりそんな特別の存在です。

「秀痴庵文庫」という名称は、自分の名前「秀ちゃん」からとっています。やりますね。

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