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最近感じるWebサイトの嘘臭さ(阿部)

仕事上、Webディレクターとして色んなサイトを見て回っています。BtoBサイトを見る機会が多いのですが、Webサイトのレイアウトや情報構造が紋切り型で画一的になっていると感じることが増えました。トップページその傾向が顕著で、どのサイトも似たり寄ったりで変わり映えしないように感じます。

BtoBサイトの構築手法が定型化し、成果に近い定番が広く知れることは、決して悪いことではありません。合理的かつ効果が高いであろう提案をしなければならないので、自分自身もかなり参考にしています。実績がある構造を捨ててまで、まっさらな提案をするのは勇気がいります。

一方でパーパスや理念を掲げた抽象度の高いトップページをつくるBtoB企業も増えてきている印象です。
そうした中で、自社のマーケットニーズ全面に押し出し、サービスを並べたサイトは、どこか嘘臭さを感じてしまうようになりました。

例えば、デジタル施策を支援する企業で「Tiktok、NFT、メタバース….最新のことができます!」とさまざまなサービスやツールを声高に叫ぶことで、どこか白けてしまうのです。
かつては10年以上かけて事業はゆっくりと変遷してきていましたが、現代のゲームチェンジのスパンはあまりにも短い。何かの拍子にあっという間にツールは置き換わってしまいます。

そうしたときに、ツールが全面にあると見え方が嘘くさくなります。
以前は◯◯◯のプロと言っていたのに、ゲームチェンジ後は別のツールをしれっと掲載する。企業の生き残りに必要な挙動ではあるので理解はできますが、それで本当に技術あるの?と思ってしまいます。個人的には最新技術を追っていないといけないというマスメディアや広告文脈からの業界特有の強迫観念に踊らされているようにも見えてきます。

外からの見え方だけではなく、社内も社会変化に対応できないのではと思います。自分たちのアイデンティティがツールに依存すると、ツールが置き換わったときに身動きが取りづらくなります。自分たちの活動の哲学がしっかりしていれば、たとえツールが変わっても成すべきことにブレはなく、変化にも対応できる。時代の変化に強い組織であるためにも、哲学や行動理念を掲げることには意味があるのです。

またユーザー自身の情報の受け取り方も変化しています。受け取れる情報は有り余っているものの、情報の質に不満を感じています。そもそもの情報が多すぎる、信頼できないコンテンツが溢れている、どれも既視感がある、など。BtoB企業のサービスや商品選定でも同じではないかと思います。
良くできた定型のテンプレートに沿ったデザインで、何となく良い企業やサービスに見える…というのは見抜かれている…..。

世の中に誰もが70点を取れるテンプレートが溢れているからこそ、それらを上手に活用しながら、企業の理念や哲学にも目を向けていきたいです。

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