事業承継者と前経営者の価値観はどのように違うのか -山本 洋輔-

要約

本研究は、小規模企業の事業継承における経営者間の価値観の違いを明らかにすることで「小規模企業にとってパーパスは必要なのか」を議論するための前提を提示することを目的としている。
研究の方法として、事業継承期の小規模出版社A社の前経営者と承継者2名を対象に、インタビューと強みのテストを実施し結果について分析した。分析の結果、前経営者と承継者の間には、経験の量や働き方、他者との関係性の重視度など、多くの価値観の違いが確認された。特に、前経営者は自らの経験や成果を重視する傾向があり、一方で承継者は他者との関係性やチームワークを重視する傾向が見られた。

この価値観の違いは、事業継承の際のコミュニケーションや経営方針の決定にも影響を及ぼす可能性があることが示唆された。事業継承は、単に事業を次世代に引き継ぐだけでなく、経営者の価値観やビジョン、パーパスをどのように伝え、それをどのように実現するかが鍵となると考えられる。

キーワード

執筆年：2023 著者：山本 洋輔
経営理念、事業継承、自組織探索、ブランディング

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