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週刊アジア日記 第2号 タイ企業M&A/アジア富裕層の職業/本格ベトナム料理

アジア消費者マーケターのNobuです。

中国では先週末に延長された春節が終わりましたが、湖北省では引き続き春節が延長されたり、企業活動が制限されるなど、中国大陸ではコロナウイルスの影響が甚大になってきていますね。

記事によれば、コロナウイルスの影響で中国のGDP成長率が0.4%落ち込むとか、日本でも関西で中国人の訪日消費が80%減ったとか、色々な悪影響が指摘されています。

中国のいる友人とWechatで会話していたのですが「基本的に自宅で待機せざるを得ない状況で、ライフライン系以外のお店がほとんど閉まっていて何もすることがない」とのこと。

折角の大型連休なのに、自宅に籠ることしかできないなんて辛すぎる。。

アジア経済は突如暗雲が立ち込めてきたのですが、中国以外の動向はどうなっているでしょうか。

ということで今週もよろしくお願いします。

アジア消費者ニュース

アジア消費者ニュースにおいては、毎週注目すべきニュースを選んで、アジア消費者マーケターである私独自の視点から解説していきます。

タイ企業、越境M&Aに活路 昨年12倍の7000億円
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55284740V00C20A2FFE000/

タイの大企業による海外企業の買収が活発化しているようです。

日経新聞によれば、タイの大手銀行であるバンコク銀行がインドネシアの中堅銀行プルマタ銀行を3,000億円で買収。小売大手のセントラルグループがスイスの高級百貨店を1,100億円で買収。

さらに、食品大手のCPフーズがカナダの養豚会社を400億円で買収と大型買収が続いています。

このニュースをみて、2つの意味で面白いと思ったんですよね。

アジアの財閥企業は想像以上にお金を持っている

まず一つ目が、どんなに新興国でも大企業(特に財閥企業)はお金持っているよね、身も蓋もない話。

我々日本人は新興国で有名なローカル企業の実力を見下してしまいがちです。国の経済力も低いのだからそこにいるローカル企業も大したことないと。

でも実態としては、国民全体に根付くプロダクトを多数展開していて、国民から莫大な利益を吸い上げているという理解の方が正しいでしょう。

一例を上げると、上述のタイ食品大手のCPフーズの売上(2018年)は日本円にして約1.8兆円、EBIDTA(償却前営業利益)は約1,240億円です。

この業績数値は日本人なら誰もが知ってるサントリー食品インターナショナルよりも大きく、キリンHDに迫る勢いです。

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サントリー食品もキリンも全世界でビジネスを展開しているので、これと同じ規模の会社がタイにあるとなると、うかつに侮れないのではないでしょうか。

新興国も先進国企業を買収する時代になった

もう一つが、構造的に新興国企業が先進国企業を買収する時代になった、という話。

これまでの我々の常識では「先進国の企業が新興国の企業を買収するか出資するなどして、グローバルビジネスを拡大していくのが常」でした。

先進国企業の方が全てにおいてこなれているので、新興国企業に対して俺たちが技術やノウハウを教えてやる、という意味合いの買収ですね。

しかし、日経の記事にあるように、これまでの低付加価値産業から高付加価値産業への転換を図るために新興国企業が先進国企業を買収するというケースが増えています。

タイの例でいくと、石油化学大手のインドラマがアメリカ化学品大手ハンツマンの一部事業を約2,200億円で買収したケース。

タイは昔から製造業の集積地であり、賃金の安い労働力をテコに工業化に成功してきました。外資を積極的に誘致して、タイで製品を作ってもらった訳ですね。

その過程で国は潤い、現地ローカル企業にも数々の恩恵が及ぶ訳ですが、やっていることは低付加価値な仕事が多く、先進国企業としては労働者の賃金が高くなれば他の国に生産拠点を移転してしまうことになります。

そこで、潤沢な資金を持っているローカル大企業は、より大きな付加価値を生むためには先進国企業の技術や特許を買うべきだ、という判断になったのでしょう。

こうした動きは前から中国企業や台湾企業であったものの、その動きが東南アジアまでに広がっているのかと思うと感慨でした。

今後考えられる事態として、東南アジアの大企業が日本の技術を買うために日本企業を買収する、なんてことも十分考えられる訳です。

Q&Aコーナー

Q&Aコーナーでは主に周りの友人や読者から寄せられた、アジアビジネスに関する質問について随時回答していこうと思っています。

第2回目の質問はこちら。

アジアの富裕層はどんな仕事をしていますか?

という質問をいただきました。

■Nobuの回答

主に起業家、不動産、政府関係、医者が多いようです。

質問を受けて、アジアの富裕層の職業について統計がないか探してみたのですが、良さげなものは見つかりませんでした。

ランドスケイプの調査によれば、日本の富裕層に多い職業は以下の3つと指摘しています。

1位:企業経営者(33.6%)
2位:医者(9.7%)
3位:不動産オーナー(7.1%)

日本とアジアの違いとして、アジアでは不動産で儲けている富裕層が多いこと、あとは政府関係者に払われる給与が日本よりも高い傾向にあります。

なので、日本とアジアでは富裕層の職業は概ね変わらないものの、アジアの方が不動産と政府関係者の富裕層が多い印象です。

なお、Credit Suisseから出ているレポートによれば、ミリオネア(投資可能資産100万米ドル以上)の国別人数は以下となっています。

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日本は長い間ミリオネア人口でアメリカに次いで世界2位を堅持してきたのですが、ついに中国に2位の座を譲ってしまいました。

中国のミリオネア人口は2000年当初は3万人だったのが、今では400万人超えということで、いかに短期間で豊かになったのかを物語っています。

至高のアジアグルメ

至高のアジアグルメという、アジア消費者マーケティングからは全く関係ないコーナーですw

Hoang Yen Vietnamese Cuisine
148 Hai Bà Trưng, Đa Kao, Quận 1, Hồ Chí Minh, Vietnam
https://hoangyencuisine.com/en/

日本に暮らすベトナム人は37万人を超え、在留外国人の中でも一大勢力になっています。

そうした流れを受けて都内にも本格的なベトナム料理が増えてきましたが、今回はMBAのベトナム人同級生から紹介されたホーチミンの本格派ベトナム料理が美味しかったので紹介します。

ベトナム料理というと米麺フォーを想像される方が多いと思いますが、我々が思っているよりも食のバラエティーは豊かです。

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写真にあるハマグリ蒸しや甘いタレの鶏肉ローストはそれはもう美味で、無言でひたすら食べることに集中していました。

店舗の内装も綺麗でどのような食事シーンにも合うので使い勝手が良いと思います。

中心部からも近いのでホーチミンに立ち寄られた際はぜひ!

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