【SS】問.わたしは私か
Good morning.おはよう世界。
眩しい太陽光に、ゆっくりと起こされる。今日もギラギラと眩い彼は、さっさと起きろと急かす。そう焦りなさんなって。ゆっくりと起き上がり、身支度をする。今日もいつもと変わらず制服だ。
「あんた!遅刻する気!?」
「分かってる!もう行くから!」
下からする母の声に、私も叫んで応える。まったく、せっかちなんだから。
階段を降りて、母の用意してくれたトーストを食べる。
「ママのご飯美味しい」
「そんなん、誰でも作れるでしょ」
トーストにマーガリンを塗って、目玉焼きにマヨネーズ。その上にチーズまで乗せたそれは、私の好物である。私の本心に呆れたような母は、自分の朝食を食べている。
「行ってきます」
私が家を出る頃には、既に家に一人である。しっかりと戸締りを確認して、学校へと向かう。
学校は疲れる所だ。誰が誰を嫌いで、誰が誰と繋がっていて。そんな人間関係を覚えて、音沙汰なく生きる必要がある。
「はぁ」
トイレの鏡の前で、おもむろにため息を吐く。鏡の奥には、疲れなんて見せないわたしが柔らかい笑顔を浮かべていた。私には、わたしが何を考えているのか理解できない。
「律子、早く行こ」
「うん!」
元気に笑うわたしは、この女とトイレを出た。私は、わたしをいじめた元凶を許してはいない。