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普通列車は1日8本のみという伯備線の駅【中国地方ローカル線紀行④完】

 列車1本乗り遅れると次は3時間後。JR伯備線・新見駅(岡山県新見市)で時刻表を見たらそんなだった。米子駅(鳥取県米子市)に向かう普通列車は実に1日8本しか出ていない。午前6時59分の次は10時54分。その次だって午後1時26分だ。どうしたって地方は人口も少ないし、車社会だからこうなってしまうのだろう。
 もっとも、特急の「やくも」はおおむね1時間に1本走っているので、多くの人はこちらを使うのかも。
 新見駅は2022年8月、「青春18きっぷ」で京都から鳥取県境港市に行った帰りに通過した。従ってこのダイヤは当時のものであるが今も大きく変わっていないようだ。
 往路は山陰線を使ったが、帰りは伯備線から山陽線のルート。乗り換えで列車を待つ少しの間、夏の強い日差しにさらされた青い空と緑の山をぼんやり見つめた。鮮やかな色彩のコントラストに目がちかちかする。暑かった。

 旅程はこの通り。松江→米子→新見→岡山→相生→京都と乗り継いだ。
 前回の旅行記はこちら。


 復路のスタート、松江駅の改札。県庁所在地とはいえ、地方のことで列車本数は少ない。


 松江からは30分ほどで米子駅に着いた。ここで伯備線の新見行きに乗り換える。新見までは2時間ほど、いよいよローカル線らしい趣になる。


 車窓から、大山が見えた。標高1729メートルだからなかなか立派な山である。


 米子で乗り換える際、途中下車してスーパーで鯖寿司とチューハイを昼飯用に仕入れた。所詮スーパーで売っているものなので、あまり期待もしていなかったが、どうしてこれがけっこううまかった。サバのねっとりとした脂っけと、酢飯がよく合う。幸い車内は空いていたので酒を飲んでも迷惑にならなかった。流れる景色を見ながら飲む車窓酒場は最高ですな。
 チューハイはキリンの本搾りという商品で、果汁が多く、ほとんどジュースみたいに飲めるのが気に入っている。あまり甘くないのもよい。


 冒頭の画像であるが、根雨という駅(鳥取県日野町)。確か特急とすれ違い待ちで停車していたのだと思う。自動改札もなく、田舎出身の私にとってはなんだか懐かしい風情が漂う。


 左手が特急やくも。クラシックな印象の機体である。右手は私が乗ってきた普通列車。


 そのうちに新見駅に着いた。岡山行きに乗り換える。途中下車するほどの時間はなかったが、これまで通過してきた駅に比べると駅前には商店なども集まっているようであった。


 これが新見から米子方面の時刻表。あまりここから普通列車に乗って行く人もいないのだろう。

 

 ただ、岡山方面はさすがにもうちょっと出ている。普通列車もおおむね1時間に1本ある。


 新見を出た。車窓はこういう景色が続く。青い空にぽこぽこと積雲が浮いていて、夏らしい風情である。青々とした田んぼを見ているとなんとなく心が休まる。


 途中、倉敷駅(岡山県倉敷市)辺りから急に都会になり、ついに岡山駅に着いた。この後、山陽線に乗り換えた。相生駅(兵庫県相生市)からは新快速だった。この辺りからは下校するらしい高校生らでけっこう混雑していたし、車窓もだんだんと京阪神の都会風景になる。こうなると18きっぷも特に面白いこともない。ただの移動である。


 夕暮れ時、京都駅に着いた。たかだか2泊3日だったのだが、旅行が久々だったのでずいぶん遠くまで行った気がした。
 画面手前のバス停、清水寺や祇園の方を通るので観光客で混みがちな206号系統の乗り場だが、行列ができていない。2023年春ごろからは大変な行列ができている。


 順番は前後するが、復路の前夜、松江の小料理屋で食べた魚たち。地元で長く続いている老舗のようで、お店の人もお客さんも活気があった。もちろんうまかった。

<これで中国地方ローカル線紀行を終わります。読んでいただき、ありがとうございました。よろしければフォローをお願いします!>

※旅行は2022年8月。
※全ての写真は筆者撮影です。カメラはニコンD700、レンズはタムロン24-70ミリF2・8。


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