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それでも私は女々しいけどね

幼い頃から友人は男の子が多かった。

漢気あり血気盛んな父親の影響をたっぷり受け、

少年誌を読み、プロレスや総合格闘技を見て、

家にはミットがあり、そんなへなちょこパンチしか打てないのかと言われ

悔しくて歯が痛むほど食いしばって打った日もあった。

それでも女の子らしい見た目ではあったと思うのだけれど、

ヤッホー!と元気よく手を振るより、

よう、と拳を突き出す方が性に合っている気がした。


まあそんな性格だったので気づけば

いわゆる男友達というものが多くなっていった。

今日書くのはそんな大切な大切な私の男友達について。


ここのところ立て続けに嫌な思いをした。

それはどちらとも私の男女に対する、

聞こえをよくすれば、分け隔てない感覚によるものだった。


それについてここでは詳しく書かないけれど、

生まれて初めて心から、男なんてみんなそんなもんか、

というセリフが自分の中で生まれてしまった。

そして即座に頭に思い浮かんできたのは、

いつも私を他の仲間と同じように対等に扱ってくれる、

男友達の姿だった。

私の性別が女だということは受け入れ、

それでも他の皆んなと同じ様に喧嘩してくれて、

思いをぶつけてくれて、汚い話や、下世話をしあって、遊びに誘ってくれて、

慰めてくれる彼らの姿だった。

私のことお前クールだわって褒めてくれる彼、

ラインをスタンプでしか返してくれない彼、

女の子とのデートがあるとすぐブッチしてくる彼、

隣で寝ててもお互い爆睡しちゃう彼、

そして本当に私が傷ついた時に必ず励ましてくれる彼。


皆んな私の大事な大事な友達で。

男女の友情なんてないというけれど、

どうなんだろうね、私はあると思うなあ。

私の中に女をうっかり見てしまったときに、

嫌な顔を自然とする彼らの中に私は信頼と友情を見るんです。

いつまでも続くわけではないであろうこの不安定に、

でもしっかりとそこに存在するであろう友情に今もこれからも支えられ続ける。


だから、男なんてそんなもんか、は撤回だ。

嫌な人間もいるわねえ、くらいが妥当じゃなかろうか。


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