[解説]TwentyOnePilots Demaについて

はじめに

この記事はTwenty One Pilotsの歌の中に存在しているDemaとそれに関する話をまとめて解説するものになっています。元が英語なので翻訳の段階で多少齟齬が発生しているかもしれません。それを踏まえて読んでもらえると嬉しいです。

Demaとは

"Dema"はTrench大陸にある都市の名称です。この都市には9人の司教(Bishop)が存在しており、彼らによって支配、統治されています。この都市で司教は自ら命を断つことを奨励しており、市民は都市から出ることを許されません。

都市の構造は大きな円形の壁に囲まれ、中央に9つの塔があります。また、その周りに地区が9つあり、各地区をそれぞれの司教が統治しています。その地区の外側には大量のネオンの墓石(Neon Gravestone)の墓地があります。

Demaの構造

また、この都市には大量のハゲタカが生息しています。"Bandito"たちにとってハゲタカは「死を生に変え、生き続ける」という決意の象徴のようです。

司教(Bishop)について

司教たちはそれぞれに名前があり、それぞれがタイラーが日頃感じる「不安」を表しています。それらついて語っている曲がアルバム"BlurryFace"の中にあります。また、曲中でよく出てくる"Nico"は司教のリーダーの名前であり一番恐れられている存在のようです。(JumpsuitのMVでタイラーを追いかけているのがNico)
それぞれの司教の詳細⇓

Nico(ニコ)

唯一分かりやすく対応した曲がない。基本的にBlurryFaceと呼ばれるのはNicoのことなので"my name’s BLURRYFACE"と歌詞にある"Stressed Out"が対応した曲だと思われる。「成功(Success)」による不安を象徴している

Keons(ケオン)

Clancyが住む地区を統治している司教で、他の司教より親切で思いやりがある
彼の歌は"Heavydirtysoul"で、歌詞の"choKE ON Smoke"から来ている。「繰り返し(Repetition)」による不安を象徴している

Sacarver(サカーバー)

彼の歌は"Tear in My Heart"で、歌詞の"she'S A CARVER"から来ている。「愛(Love)」による不安を象徴している

Listo(リスト)

彼の歌は"Ride"で、歌詞の"a LIST Of people"から来ている。「諦めと過剰思考(Abandonment and Overthinking)」による不安を象徴している

Lisden(リスデン)

彼の歌は"Polarize"で、歌詞の"all I feeL IS DENial"から来ている。「これから起こること(What's Coming)」に対する不安を象徴している

Reisdro(レイドロ)

彼の歌は"Doubt"で、歌詞の"temperatuRE IS DROpping"から来ている。「自己不信(Self Doubt)」による不安を象徴している

Vetomo(ヴェトモ)

彼の歌は"Lane Boy"で、歌詞の"will they be aliVE TOMOrrow"から来ている。「適合(Conformity)」による不安を象徴している

Andre(アンドレ)

彼の歌は"Fairly Local"で、歌詞の"AND REpeat yesterday’s dance"から来ている。「変わらずにいること(Staying the Same, Never Changing)」による不安を象徴している

Nills(ニルス)

彼の歌は"Goner"で、歌詞の"beaten dowN / I’LL Slip away"から来ている。「敗北(Defeat)」に対する不安を象徴している

Trenchについて

TrenchはDemaの外側の土地であり、「中間('in between')」です。また、Banditoたちがキャンプを置いている場所です。一部は砂漠になっているようで、チーターが生息している可能性があるようです。
大陸内にMVや曲中に出てくる場所もあります。
Port Vialという場所は"Saturday"のMVで出てきたDemaが支配している港です。
Voldsoyは"The Outside"のMVでタイラーが漂着した場所で、ネッド(MVで出てくるキャラクター)が多く生息している島です。この島は"Migraine"の歌詞の'island of violence'を参照しているようです。
Paradin StraitはVoldsoyとTrenchの間にある海峡です。アルバム"Clancy"に同じ名前の曲が収録されています。

Trench大陸の地図

ストーリー

Clancy”と呼ばれる一人の男を中心に物語が展開されています(MV中にタイラーが演じているキャラクターです)。ここではMV内で語られているストーリーを書きます

クランシーはDemaの住民です。クランシーは壁の外の世界が気になりNicoを騙して脱出をしました(HeavyDirtySoulのMV)

車の中のClancy

そしてクランシーはTrenchを探索します。ある川を下っているときにBanditoに遭遇します。その時Nicoが追ってきてクランシーは捕まってしまいます。クランシーの首や手が黒く染まっているのはNicoの能力によって精神的に捕らえられている証拠です
Nicoに連れられているときBanditoたちが黄色い花弁を投げクランシーが能力に抵抗できるよう助けます(JumpsuitのMV)

Trenchを彷徨うClancy

結果的にはクランシーはDemaに連れ戻されてしまいましたが、今度はBanditoたちと連携して再度脱出することに成功します(Nico and the NinersのMV)

Clancyと協力するBanditos

クランシーはBanditoのキャンプに行きBanditoたちと、Demaに反抗する音楽を作ります (これがアルバム"Trench"です) しかし、キャンプは攻撃され、クランシーは再び捕らえられます(LevitateのMV)

Banditoたちと曲を作るClancy

クランシーは数年檻の中で過ごすことになります
その間、Dema内でクランシーは有名人になっていました。司教たちはその名声を利用してクランシーに司教たちのプロパガンダを書くように強要しました。これがアルバム"Scaled and Icy"です。クランシーはアルバムのタイトルに"Clancy is dead"というメッセージを忍び込ませました。
クランシーはDemaの特別なイベントに出演させられます(実際にオンライン上で行われたライブイベント)

Good Day Demaに出演するClancy

後日クランシーは潜水艦のなかで行われるDemaの要人のための集会で演奏することになりました。そこで司教の一人のケオンが他の司教を裏切りクランシーを開放しました(SaturdayのMV)

Port Vialに向かうClancyとDemaの人たち

裏切りに気付いた他の司教はケオンを殺しました。クランシーはVoldsoyに漂着し、その島でネッドに出会います。そしてネッドから能力を授かり死体をコントロールできるようになります。その能力を使いケオンの死体を操作してDemaに火をつけます(The OutsideのMV)

能力を貰うClancy

クランシーはDemaに戻り反乱を起こすためにボートでParadin Straitを渡ります。その最中にクランシーは能力を使い死体を操りDema内の市民に反乱について教えます(OvercompensateのMV)

反乱を企てるClancy

クランシーが岸につくとBanditoたちが待っていました。彼らに従い後についていきます。すると多くのBanditoがクランシーを待っていました。そして、今まで一緒にいたJoshはクランシーが作り出した幻だったことが分かります(NavigatingのMV)

NavigateされるClancy

集まったクランシーとBanditoはついに反乱を起こし始めます。武器を持ってDemaに向かうと、司教たちが埋葬されていた器を利用して反撃してきました。みんなが闘っている中クランシーは1人で司教たちのいる塔へ向かいます。塔を登ったクランシーは司教を倒していきますが突然現れたNicoに首を掴まれてしまいました。最後にNicoの台詞で終わりました。(Paradin StraitのMV)

終わり...?

その他ストーリーに関する用語、描写について

NED(ネッド)

NEDはTrenchに住んでいる小さな生き物です。ネッドの角は成長し、取ることができます。この角を使うと死体を動かせる能力を得られます
NEDは"Neural Expansion Device"「神経拡張装置」の略です

"The Glorious Gone"

"Leave the city"の歌詞の一部。自ら命を断った者に司教たちが贈る言葉。自ら断った人たちにはネオンの墓石が建てられる。遺体は能力に使われる「器(Vessel)」と呼ばれる

タイラーは曲中出てくる色に、黄色は「救済」、青は「敗北」、赤は「反逆」という意味を持たせている。

"East is Up"

"Nico and the niners"の歌詞の一部。Banditoの間で互いを識別するために使われるコードフレーズ。このフレーズが使われるのは、Demaからの出口が壁の東側にあるため。また、地図の正確な方角を伝えるために言ったフレーズでもある(地図の方角をよく見るとEが上になっている)

"Sahlo Folina"

"Bandito"の歌詞の一部。Banditoたちが助けを呼ぶときに叫ぶ言葉
創造を可能にするという意味もある

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Banditoのシンボル。ネオンの墓石を逆さにしているので反抗的な意味もある。線が2重になっている理由は「ジャンプスーツ」の象徴

FPE

TwentyOnePilotsのMVやイベントなどでよく見る単語。ある文の頭文字を取ったものでそれぞれで意味が異なる。代表的なのは"Fairly Local"で出てくる歌詞'It's the Few, the Proud, and the Emotional'の略

Bandito

Joshが率いるDemaに反抗する意志を持った人の集まり。彼らは黄色いテープを服につけて、司教たちが認識し辛いようにしている

まとめ

大雑把にストーリーを理解できるように解説をしました。
これを見てMV内で何が起こっているのか理解してくれたら嬉しいです。
また、Dema内での生活やClancyの人生について書かれているClancyの手記をまとめたものが公式オンラインショップで販売されています。
気になった方は購入して見てくださいhttps://store.twentyonepilots.com/products/clancy-cd-journal


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